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一方湖を少し離れた森の中。重装備アウトドアゆるふわ不思議系という新たなジャンルをただ一人で切り開いた
大天使 天吏
はひたすらにどこかを目指していた。ポータブルGPSをのぞき込み、位置を確認してはまた歩く。常人には理解しがたい蛇行したコースを、天吏は黙々と進み続けた。
低木をかき分けて出た先には、小さな祠があった。その前で手を合わせ静かに祈る三つ編みの少女は
御巫 時子
。天吏は気にせずがさがさと前に出る。
「あ。こんにちは……1年の
御巫 時子
です」
「……天吏。2年」
「天吏さんはどちらでスケッチなさるんですか……?」
「……まだ……」
「その機械……どう、使うんですか……?」
「……自分の経路確認」
話が弾まない。互いにあまり面識がないことを差し引いても、残念なコミュニケーションであった。言葉少ないまま、天吏の目はまっすぐに時子に注がれる。表情のほとんど変化しない天吏に、時子は射すくめられたようになる。天吏が熱心に見ているのは鳥たちなのだが、時子ををうろたえさせるのには十分だった。
「あ、あの。私なにか……」
「……鳥。いいよね」
時子の顔がぱっと明るくなる。
「かわいいですよね……! 私、鳥さんが大好きなんです……」
「……うん」
沈黙が半分を占める会話の中で、天吏と時子の間には確かに通じ合うものがあった。一人は祠のそばに座り込み、一人はザックの胸ベルトを締めなおす。時子がパステルで白い紙に色を落とし始める中、天吏は再び自分のための場所を探して行軍を開始した。別れの言葉はなかったが、それでいい。鳥好きに悪い人はいない!
また一人になった時子に三羽の鳥たちが舞い戻り、肩に、膝にと止まる。
「ここで描くことにしますね……」
鳥たちは賛成だというように、ちぴちぴと答えて鳴く。その声は時子には
(がんばってー)
(きっとうまくいくよ)
のように、確かな言葉となって聞こえるのだった。人間のように複雑な思考はできないが、それでも鳥たちには感情も言葉もある。彼らは時子の友だった。
見た瞬間に、この祠を描こうと決めた。木漏れ日が降り注ぎ、てっぺんを明るく照らしている。荒れ放題の祠は、人の手に侵されていない荘厳さを感じさせた。
「鳥さんと私だけの秘密の場所ですね……」
にこりと笑う。惜しいことに、この可憐な笑顔を見ることができるのは鳥たちだけだった。時子は『仲間』の応援を受けながら、ごく薄いラフな下書きを、不透明のパステルで埋めていく。
「どうですか……? 光と影、描き分けられているでしょうか……」
(いいと思うよ)
(ここはもう少し明るいぞ)
鳥たちのアドバイスを受けて、時子の絵は色で満たされていく。
三夜湖をスケッチすることに決めたはずの
茨城 音夢
は、そこからかなり離れた森の境目辺りに立っていた。一つの建物がどうにも彼の興味をそそったからだ。壁の破れた売店や錆びたトタン屋根。その周りには捨て置かれた店舗の看板、土台を失った汚れたのぼりなどが蔦や雑草に覆われていた。伸び放題の緑の中から、コンクリートや鉄といった人工物が見え隠れするこの状況は、人によってはただ『汚らしい』であるとか『もの寂しい』、『嘆かわしい』などと表現されるものであるだろう。しかし、音夢はその中に独自の美を見出し、立ち止まった。
「ボクたちはまだ、自然の美には到達できてないんだね」
どんな色を生み出しても。新素材で飾っても。
「人間の作ったものなんて、こうも簡単に飲み込まれてしまう」
素材は決まった。湖と森、その周りに眠る朽ちた人工物のコントラスト。ほかに必要なものは音夢の心だけ。画材は補助具に過ぎない。
「見せてよ、キミの願い」
音夢はそっと目を閉じる。眠り、瞑想するためではなく、覚醒し、心を研ぎ澄ますために。目にした光景を強く思う。物言わぬ自然に精神を繋ごうとする。花が開くように、光差すように。現実の写し絵は音夢の『心象絵画』の力によって新たな色を与えられていった。
「ボクの仕事は、このイメージを描き移すことだけ」
願いを描く力に導かれ、音夢は目を閉じたまま、次々と色鉛筆を持ち替える。ろっこんの力を知らぬ者には、まさに天才の業と思える動きだ。自然の声、そしてもしかしたら、朽ちた人工物の思いさえも受け止めて、音夢の手は一筋、また一筋と世界を描いていく。
さんざん歩いた天吏がやっとたどり着いたのは森のかなり奥だった。木々の合間から、鳥のさえずりが聞こえる。胸と腰のベルトを外し、大きなザックをごろりと横たえるとその上に腰掛け、画板を膝に乗せて目の前の森をひたすらに見つめた。視線を外さずに手探りでザックの横ファスナーを開け、ずりずりと色鉛筆の箱を引きずり出す。手元を見ずに、目に映る光景を写し取るように丹念に線を引き始めた。生まれていく絵は寸法から遠近感まで、至極現実的なものだった。
(自然は人間が支配するものじゃない。自然が私たちに易々と真の姿を見せてくれるわけ、ない)
ふうわりとした容姿から他人が受ける印象は、所詮思い込みでしかない。天吏の精神は時に残酷なまでに理論的であった。『こんなだったらいいな』では、自然は描けない。自然は人間の勝手な期待を押しつける場所じゃない。
「……私の、自然の表現……」
手を止め、灰色の片方の目でもう一度GPSを見た。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
清水るね
シナリオタイプ(らっポ)
イエローシナリオ(50)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
学校生活
動物・自然
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年05月30日
参加申し込みの期限
2013年06月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年06月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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