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授業風景 〜1年9組と10組の女子の場合〜
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chapter.8 bite the dust
額からこぼれる汗をぬぐい、大きく息を吐いた
御剣 刀
は、体育館の近くで妙な叫び声のようなものを聞いた気がした。
「なんか今、裏の方から変な声が聞こえなかったか……?」
もしかしたら、朝から何かの修行や特訓をしている人でもいたのだろうか。自分と同じように。ただ、それにしては声はすぐに収まったし、何より今は1限の授業中だ。この時間に授業を受けていないのはおかしい。
……ということは、彼がここに今いるのも、当然おかしいということなのだが。
お察しの通り、刀もまた璃音や骸と同じく遅刻組であった。一応全力疾走はしたものの、残念ながら間に合わなかった。
残り時間の少ない1限目は諦めて、2限目から出席しようと思った彼も、サボりプレイスとして体育館をセレクトしようとしていたのである。
「一応裏の方に回ってみるか……ん?」
気になった刀は進路を体育館裏に取ろうとしたが、直後、それ以上に気になる光景と出くわした。体育館の屋根から、人がロープでつるされているような場面だ。
「じ、自殺か!?」
一瞬肝を冷やす刀だったが、よく見ると人がつるされているのではなかった。しっかりロープを体に巻き、固定した状態で何やら一生懸命鏡を動かしている。その生徒の横には、体育館の上方に設置された窓。
「……アレって、もしかして覗いているのか」
しかもそれは、彼のよく知る人物だった。同じクラスの、龍八だ。
龍八は、光が反射して体育館の中に差し込まないよう細心の注意を払いながら、鏡の角度を巧みに調節していた。
「胸は適度に膨らみがある方が好みだが……今日はなかなかアタリだな」
ぽつりと、満足そうに呟く。そんな彼の姿を、刀は若干冷めた目で見ていた。
「何やってんだあいつ……」
しばらく見ていてもこっちに気づく様子がないので、刀は自分から声をかけることにした。
「おい、草薙! お前何やってんの?」
「……っ!」
ぎゅるん、と音がしそうなほどの勢いで振り向く龍八。まさか獲物に夢中になるあまり、無防備な姿を晒してしまうとは何たる不覚。
「刀か。余計なことを……」
龍八が舌打ちをしながら言った。刀の声は幸い体育館の中にまでは届いてなかったため、彼の一声で龍八の覗きがバレることはなかった。
だが、急に名前を呼ばれ慌てていた龍八は持っていた鏡の向きを無意識に変えてしまい、それは一筋の光を生み出してしまっていた。
体育館の中へ注がれた、上方からの不自然な光。さすがにこれで、体育をしていた女子たちも「これ、新たな覗きじゃない?」と感づいた。
となれば、龍八が取るべき行動はひとつ。この場所からの、一秒でも早い離脱である。体育館の壁という立ち位置、さらに体に巻いたロープが、初動を鈍らせる。モタモタしていては、中にいる女子たちが外へ出てきて、自分を包囲してしまう恐れがある。
「やむを得んな……」
再度舌打ちをした龍八は、鏡をしまうと、入れ替えるようにくん煙タイプの殺虫剤を取り出した。煙幕代わりにして逃げ切る腹だろうか。こんなものが体育館に投げ込まれたら、一気にパニックになり、もはや授業どころではなくなってしまう。
「あいつ、まさか殺虫剤を体育館の中に!? それはマズいって!」
刀が制止の声を上げようとするが、龍八は躊躇することなく窓を開けると、あっさりとそれを中へと放り込んでしまった。刀が思わず「げっ」と声を上げる。
「あーっ、もう! 仕方ねえな!」
迷っている暇はなかった。刀はほぼ反射的に頭の中で撃鉄が落ちるイメージを浮かべる。それが合図となり、刀のろっこんが発動した。
加速。シンプルながらも強力なそのろっこんは、彼の肉体を驚くべきスピードであっという間に体育館の中へと運んだ。
落とされた殺虫剤が床に着くその寸前で、刀はどうにか回収に成功する。
「加速、完了……ギリギリセーフか、って、あれ?」
が、ピンチを救ったはずのヒーローは、すぐ違和感に気づいた。周りの視線が、やけに痛い。
それもそのはず、外でのやりとりを知らない上に、あまりの速さで刀が体育館へと飛び込んだため、女子生徒たちの目にはいきなり全力ダッシュで女子の花園に侵入してきた不審者にしか映っていなかったのだ。
おまけに、手には殺虫剤という不審者っぷりである。
「お、おい授業中だぞ……」
有紀が生徒たちの前に出て、刀に言う。
「いや先生、これは違うんです! あそこに覗いていたヤツがいて、これはそいつが……!」
刀はどうにか冤罪を晴らそうと、龍八が覗いていた窓を指さした。が、当然そこで姿を晒すような下手を彼は打たない。
これでは、誤魔化そうとしてますます追い込まれてしまった哀れな男にしか見えないではないか。刀は、まさに絶体絶命の危機にあった。
しかし、神は彼を見捨てなかった。
それは突然の出来事だった。
「ぐっ……!」
上の方から何かが急に落ちてきたかと思うと、大きな衝撃音と共にそんなうめき声が聞こえたのである。音のした方を見ると、なんと、龍八がマットの上で倒れているではないか。
「草薙!?」
刀はすぐに事態が飲み込めず、困惑する。周りにいた女子たちの戸惑いは、それ以上だ。
一体龍八の身に、何が起こったというのか……といってもその過程は至って単純で、怪我が治りきっていない状態で無茶をしていた彼の体が限界を迎え、ロープの操作がおぼつかなくなってしまったのだった。
あわや地面に叩きつけられるところだったが、すんでのところで彼は自らが開けた窓に身をねじ込むことに成功し、この体育館に落ちてきたというわけだ。
とはいえなかなかの高さから落下したことに変わりはなく、仮に彼が着地の瞬間受け身を取っていたとしても、そのダメージは充分すぎるほど治りかけの怪我に響いた。
「ちっ……やはり体調が万全ではなかったか」
ふらつきながらも起き上がろうとする龍八。そのまま強引に逃げるつもりだろうか。しかしせっかくの好機を、刀は見逃さなかった。
「聞いてくれ、これを投げ込んだ犯人はこの男なんだ。俺はこの男が外から覗いていたのをたまたま見つけただけなんだって」
「あっれー? おかしくない? だってその割には、真っ先にここに入り込んできてたけどー?」
刀への疑いは依然かかったままだと言わんばかりに、女子生徒の中からトモエが進み出て言う。
「っていうか、その殺虫剤だって、なんで持ってるのか分かんないんだけどなぁ」
それらはすべてろっこんで説明がつくのだが、言って信じてもらえるかどうかは別の話だ。それでも刀は、必至に弁解するしかない。本当に、ただ被害を防ごうとしただけなのだということを。
刀が熱弁を振るう一方で、冷たい視線は当然龍八にも向けられていた。
とりあえず刀のことはグレーと判断するにしても、上から落ちてきたこの男はほぼ確実にクロだろう、と。
「で、どうしよっか、この人たち」
「もうめんどくさいから、ふたりともクロでいいんじゃない?」
「てか、この人たち授業はどうしたの?」
女子たちが、第二回学級裁判を始めた。
龍八はその様子を見て感じ取る。もはや自分が助かることはないだろうと。ならば、道連れを増やすのみだ。
そう企んだ龍八は、刀の方を向くと、女子たちにも聞こえるような声の大きさで言った。
「クク、なるほど……さっきから聞いていれば覗きを見つけただの被害を防ごうとしただの、立派な大義名分だな」
「え?」
「とぼけても無駄だ。そうやって免罪符を得て、堂々と覗きを堪能していたんだろう。なかなかの策士だな」
「いや、ちょっ、草薙! おまっ、何言ってんだよ!」
共倒れを狙う彼の策略に、刀は咄嗟に対応出来なかった。
「覗きじゃねえよ! まず俺が策士って何だよ、お前だろ!?」
「それに刀、お前は自分の口で言っていたぞ、女子の肉体への欲望、加速完了と」
「言ってねえよ! 勝手に変なの付け足すなよ!」
ぎゃあぎゃあと口喧嘩を始めるふたり。それを止めたのは、先ほど有罪派にいたトモエだった。
「うーん、これはやっぱり、両方有罪かな?」
ふたりの動きがぴたりと止まった。
「なんていうか、うちは残念ながらあんまり見て楽しめるようなところはないけど……授業を受けてる他の人と比べられるとなんだかんだでイラってするもんね」
トモエがそう言うと、シダもぴょこんと隣に来て、近くにいた毬藻仔に話しかけた。
「では 陪審員 もこもこに聞きます これは悪者か?」
「え? う、うーん……確かに覗いたんだったら悪いことだとは思うけど、でも蹴ったりしたら」
「ヴァン そこから先 言わなくてもわかる シダ ぎったんぎったんに 蹴り倒す」
「わー! ダメダメ、蹴っちゃダメなんだってばあ!」
毬藻仔が止めに入ろうとするが、一歩早くシダは飛び出していた。飛び出していたというか、跳びながら蹴りを食らわせていた。
「ぐおっ」
ふらついたままの龍八に蹴りを見舞うと、シダは刀に向き直った。
「かたな 残念 でも シダには やらなきゃならないことがある」
「美穂戸、落ち着け、俺は覗いてないんだっ……!」
しかしキックマシーンと化したシダの耳には届かず、刀はやむなく背中を向け、逃げようとした。
が、その背中はばっちりトモエが捉えていた。
「覗きは、とっちめよう☆」
そう言ったトモエの顔は、とても怖かったと後日刀は語ったとか語ってないとか。彼は走り込んできたトモエの突き出したつま先をモロに受け、そのまま仰向けに倒れてしまった。
「覗いた罰に、ジュースおごりなさいよ、あんたたち! 味はみかんね!」
びしっと地に伏した刀と龍八を指し、トモエが宣告した。
「あ、もちろん100パーセントのだからね!」
それが彼らの耳に入っていたかは分からないが、少なくとも彼らの口の中は、100パーセント血の味だったことだろう。
◇
体育館裏。
先ほどからずっとバレないようこっそりと中の様子を窺っていたのは、宗愛だった。
彼は、待っていた。
自分のろっこんを活かし、己の欲望を達成する瞬間を。しかし、その好機がなかなか訪れず、未だ二の足を踏んでいたのだ。だが彼の手は、対照的にワキワキといやらしい動きを見せ、今か今かとその時を待ちかねている。
もう言うまでもないとは思うが、彼、宗愛は女子の胸を揉みたくて溜まらなかった。溜まらなさすぎて、逆にいろいろ溜まっていた。
そして皮肉なことに、彼のろっこんの発動条件は、他人の胸を揉むことであった。その能力は、彼自身を透明にしてくれる。ただ、そこに宗愛のジレンマはあった。
透明になれば、今すぐにでも体育館に入っていって好き放題揉める。揉み放題だ。
がしかし、透明になるにはまず胸を揉まなければならない。このことが、彼を苦しめていたのだ。
「もうすぐ授業も終わってしまうでござる。どうすれば良いでござろうか……」
彼の言う通り、1限目の終了はもう近い。このまま何も出来ず終わるのか。
否。彼は、本当は分かっていた。自分の欲望を叶える方法を。
宗愛はちらりと視線を下に向けた。そこには、璃音に蹴り倒された優と骸が寝転がっている。
「……あまり気は進まないでござるが」
言うと、彼はすっとしゃがみ、骸の胸へと手を当てた。
「はいたっち」
急降下したテンションとやる気のまったく感じられない口調で、宗愛は骸の胸を軽く揉んだ。
するとどうだろうか、宗愛の体が着ている制服ごと、うっすら透けていくではないか。
なるほど、胸であれば特に性別は関係ないということのようだ。しかしまあ、テンションが下がるのは間違いない。
「ただ、思っていたよりガリガリでござるな……これでは時間が危ういでござる」
やがて透明になった宗愛が、骸を見下ろして言う。彼のろっこんの持続時間は、揉んだ胸の大きさに左右されるらしい。
宗愛は念のためと、近くにいた優の胸にもタッチする。とはいえ、こちらもさほど大きくはないのだが。
「はあ……何が悲しくて男の胸をふたり連続で揉まなきゃいけないでござるか」
溜息を吐く宗愛。ただそれを言うなら、気絶中に勝手に揉まれた優と骸の方が悲しみは大きい気はする。そして何より、既に志半ばで倒れたふたりとは違い、宗愛には未来がある。
透明なボディを手に入れた宗愛には、これからヘブンが待ち受けているはずなのだ。
「さあ、気を取り直して巨乳でござるよ! ビバ巨乳! 巨乳こそ真理!」
意気揚々と、体育館へと一歩を宗愛は踏み出した。授業はもう終盤に差し掛かっていたが、揉むだけならまだ時間はある。そしてちゃんと体も透明になっている。大丈夫、気づかれていない。
さて、どの胸からご馳走になるでござるか……。
宗愛が物色つつ、体育館を不用心にうろつく。
その軽率さが、致命傷だった。
「うわああっ!?」
突如、彼の足下でプシュウと何かが噴射される音がした。宗愛は慌てて足下を見る。そこには、龍八が落とし、刀がキャッチしたくん煙タイプの殺虫剤があった。
足下がお留守になっていて、うっかり踏んでしまったらしい。透明になっても、物体を通過できるわけではないのだ。
そして、煙に驚いた彼は大声をあげてしまった。さらに空気中の煙が不自然に流れていったことで、女子たちはそこに何者かが潜んでいることを認識してしまったのだ。
「ま、まずいでござる! これでは、揉むどころではないでござる!」
宗愛はくるりと向きを変え、一目散に体育館の出入り口へ向かった。が、さらにタイミングの悪いことに、ここで彼の透明化は元に戻ってしまった。
やはり、男二名分(うち一名は痩せ型ゾンビ)の胸では足りなかったらしい。
「わ、我輩の秘技がっ!?」
となれば、後に待っているのは当然女子たちからのお仕置きである。
「外から覗いている分には、ハダカ見られてるわけでもないしとりあえず気にしないでおこうと思ったけど……」
言って、女子たちの中から出てきたのはマットで派手な活躍を見せた火蜂だ。
「でも、覗く以上のことしようとしてたもんね−、この人」
確かに、間の抜けたことに彼は今思いっきり、自分の口で「揉む」と言っていた。
「ひいっ」
既に駆け出している火蜂は、あっという間に宗愛の背後まで迫る。さすがは体育科。
「くだばれ、変態っ!」
そして助走をつけての飛び膝蹴りが彼の背骨を捉えた。「はぐっ」という情けない声を上げながら、宗愛は前のめりに倒れた。
後片付けをしなければならないため、授業が終わるまで体育館を出てすぐのところで立たされていた跳び箱立てこもり犯、天才は、次々と沈んでいく刀や龍八、宗愛の悲鳴を聞きながら思った。
僕、後片付けで済んで本当に良かった、と。
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
学校生活
スポーツ
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年05月28日
参加申し込みの期限
2013年06月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年06月04日 11時00分
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