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授業風景 〜1年9組と10組の女子の場合〜
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chapter.10 今日のタオル
授業が終わった直後。
八神 修
は、用事のため体育館へとやってくると、そこに転がっている戦士たちの屍、そしてそれをひとりひとり保健室へ連れて行こうとしている望月の姿を見て驚きの声を上げた。
「こんな風になってしまうほど緊張感……というか険しさがあるものなんですね、さすが体育科です」
「いや、これはまあ色々あってな……」
苦笑いをしながら、有紀が修の言葉に答える。彼の用事とは、有紀に会うことだった。
正確に言えば、彼女に会って、握力計を借りる許可を取るためなのだが。
勉学に支障が出ない範囲で体力作りに励んでいるという彼は、どれくらい効果が出たのか試したくなったのだという。
「握力計だったよな。ええと……あったあった、ほい」
有紀が用具入れからお目当てのものを探し当てると、修に渡した。
早速、左右で測定する。出た数値は、自分の記憶にあるそれよりも僅かに大きかった。
「少し……増えた」
「おお、そうか! 良かったじゃないか、カカカカ」
「はい、ありがとうございます」
普段のトレーニングの成果がしっかりと目に見える形で確認できたことを、態度にこそあまり出さなかったが修はとても喜んだ。
と、そこに授業前にも訪れていた空音が再び有紀の元へ来て話しかけた。
「せんせー、さっきのお話聞いて攻略方法を考え……」
だがしかし、その言葉は途中で止まった。目の前に横たわる、知り合いたちの無残な姿を目の当たりにしたからだ。
「ぎゃー!? 隊長!? それにみんなも!?」
「ん? もしかして友達か? こいつら、授業中覗きをしようとしてな。女子たちもそれで暴れちゃって、大変だったんだ」
「ああ……」
まさか自分も彼らと同じ破廉恥団体に属しているとは言えず、空音はなんとも歯切れの悪い返事をした。
「桃原、今隊長って言わなかったか」
「えっ!? う、ううん言ってない言ってないよ! 友達、ただのお友達!」
「そうか……」
空音の事情を知ってか知らずか、修はそれ以上深入りしなかった。
「ていうか修くんなんでここにいるの?」
「ああ、俺は握力計を借りに来たんだが……もうひとつ、やることが増えたな」
言うと、修は有紀に握力計を返し、倒れている生徒たちへと近づいていった。
「先生、こいつらを保健室に運ぶのを、俺も手伝っていいですか?」
「え?」
空音と有紀が、同時に声を上げた。
「もちろん、それは助かるけど……いいの?」
「さすがに、見過ごせませんから」
有紀の言葉に修はそう返すと、まず一番近くに倒れていた与太郎の手首を掴んだ。
「修くんやさしー! あたしも手伝うね!」
空音も、後を追うように与太郎の足を持つ。と、意識を失っているはずの与太郎の口から、今にも消えてしまいそうな音量で声が聞こえてきた。
「ん? 何か聞こえる……?」
空音が耳を近づけると、その言葉が伝わってきた。
「お……っぱい……触り……たい……」
空音は眉をひそめた。
「あたしのなんか触ってどうすんの! もう!」
ぱしんと、軽く足を叩く。その拍子に、彼女の手から与太郎の足がずり落ちてしまった。
「あっ……」
そのまま与太郎の服が脱げ、下半身が丸出しになる。しかしそれに気づかない修は、そのまま前方へと手首を掴みながら引っ張っていってしまった。
「あーっ、ちょっとタンマ! ストップ!!」
空音が慌てて止めようとするが、修は「これは重傷だろうから、一刻も早く保健室に連れて行かねば」と振り向く手間すら惜しんで前進してしまう。
しかし握力が上がったとはいえ、元々の力がそこまで強くないため、与太郎の体はずるずると引きずられる格好になっていた。つまり、彼のむき出しの下半身と地面が擦れているということだ。
修に悪気はない。
悪気なく、純粋に保健室へ向かおうと北校舎へ続く通路を進んでいった。するとそこに、早めに着替えを終えた女子生徒たちの姿があった。
「すまない、どいてくれないか。怪我人を運んでいるんだ」
言って道を空けてもらう修だが、直後、背後から黄色い声が起こる。与太郎のあられもない下半身を目撃してしまった女子たちの悲鳴だ。
だが、修は自分の引きずっている生徒がものすごいことになっていることに残念ながら気づかない。
「なんだ? 有名人でも来たのか?」
「八神、うしろうしろー!」
誰かが叫ぶ。言われて振り向くが、そこには誰もいない。与太郎をずるずる引きずっているのだから、目の高さにいなくて当たり前だ。
「からかわれたのか……? まったく、ひどいことをするヤツもいたものだ」
お前だよ! とその場にいた全員が、心の中で叫んだという。
彼が保健室に到着した時には、与太郎は主砲も大福もボロボロになっていた。
ところで。
女子を覗こうとしていた者たちの中で、ひとりだけ、お仕置きを免れていた者がいたことをご存じだろうか。
それは、璃音の跳び蹴りをろっこんの力で回避した愛の戦士「龍神」こと、竜司であった。
彼はあの後、体育倉庫へと逃げ込み、そこでハンターたちが去るのを待っていたのだった。
「あれ、でもここって確か、女子たちが着替えに使って……」
思い出したように、彼が呟く。竜司は、嫌な予感がした。
と同時に、倉庫の扉が開く。入ってきたのは、月乃だった。
「はあ、体育は楽しかったけど、変な人もいっぱいだったな……って、え?」
彼女はすぐに、不審者の姿を見つけた。蝶マスクに、なぜか額にはクラッカー。そして場所は、体育倉庫。
変態だ。これはもう間違いなく変態だ。
「ちょっ、待ってくれ! これには色々事情が!」
予感が的中した竜司は、必至で弁解を始める。
「ほら、アレだよ! 俺、将来体育教師になりたくて! それでどういう女子って体育が終わった後どんな感じなのか参考にしようと思って……」
「……」
月乃は、黙ってにっこりと笑っていた。それが逆に、怖かった。
「あ、そ、そうだ! 授業前、俺ここに置き土産してたんだよ! それに免じてここはひとつ!」
「……」
月乃が笑ったまま、拳をパキポキ鳴らし始めた。もう後がない。竜司は、やけ気味で額のクラッカーを取り外し、紐を引いた。
「体育、お疲れ様でーす! いえーい!」
「……」
「……ダメ?」
こくり、と月乃が頷いた。それはイコール、死刑宣告であった。
この後、体育倉庫に一際大きな悲鳴が起こり、怪我人が一名、追加で保健室に運ばれることとなる。
なお彼が授業前に置いていった差し入れは大量の飴玉とスポーツドリンクだったのだが、栄養補給のためと選んだそのセレクトは、月乃の身体能力を強化させるろっこんの発動条件、「飴を口に入れる」を皮肉にも満たすこととなってしまっていたのだった。
要するにまあ、彼は自分で自分の首を絞めてしまったということである。
◇
さて、保健室では、望月や修によって運び込まれた男子生徒たちが次々と運び込まれていた。
養護教諭の礼美が主にその診察をしていたが、何分数が多い。慌ただしくなっていく保健室の様子に、ベッドで寝ていた
上穗木 千鶴
はむくりと起き上がった。
「騒がしいな……なんだろう」
こっそりカーテンを開けると、意識不明の男子生徒たちを片っ端から治療する礼美の姿があった。
「……?」
状況が今ひとつ分からない千鶴。しかし、保健委員である彼女は、さすがに寝ている場合ではないなと判断し、礼美の手伝いをすることにした。
「鷲尾先生、ぼくも手伝いたいんですけど」
「あら、もう具合はいいの?」
「はい。どうせサボ……げふんげふん、少し休んでたら、回復してきたので」
どうやら、彼女が寝ていたのはずる休みだったようだ。礼美は「じゃあ、そっちに寝かせた子たちの目が覚めたら、教えてもらっていい?」と千鶴にお願いする。
彼女は頷き、もそっとベッドから起き上がってカーテンの外へと出てきた。
「え……ちょ、上穗木さん!?」
その格好を見て、礼美が驚く。彼女は、何も着ることなくそこに立っていた。破廉恥なんたらという団体の誰よりも、破廉恥な出で立ちだ。
「なんで制服脱いでるの!? ていうかこの前も脱いでいなかった?」
この前とは、大人気と各紙で評された、今最高にイかしているリアクション、
「保健室、ただいま満席です!」
というお話でのことだろうか。
確かにこの時も、千鶴は制服を脱いでここに寝ていた。その理由も、制服がシワになるという突拍子もないものだった。
「今、家にアイロンがなくって……」
「またシワの話!? どれだけシワが憎いの!?」
そして今回も、同じ理由だったようだ。千鶴は礼美に注意されると残念そうに制服を着て、大人しく礼美の指示に従った。
「それにしても、一体何があったんだろう……」
ベッドに横たわる男子生徒たちを見て、千鶴はそんな疑問を拭えずにいた。気絶した男が集団で運ばれてくるなんてことは、普通では考えにくいことだ。
保健室のベッドで裸で寝ているのも、あまり普通では考えにくいけどそれはまあこの際良しとしよう。
「先生、この人たち一体どうしたの?」
「ああ……女子の体育を覗いていて、お仕置きされたんですって。ふふ、男の子ってバカよね」
色気を感じる口ぶりで、礼美が彼女の疑問に答えた。年上女性が言う「男の子はバカ」は、こうも破壊力があるものなのか。
「覗き……ふうん」
それを聞いた千鶴は、なんだか看病する気が一気に薄れていった。とはいえ先生に任された以上、一応は彼らの目覚めを待つことにした。
少し話は逸れるが、そんな彼女の体つきは、実は相当魅力的なラインを描いている。小柄な肉体から飛び出しそうなほどに、迫力のある胸。それは彼女の意思とは関係なく、フェロモンを発してしまっていた。
女子たちに指一本触れることなく倒れた彼らが、そのせいで目覚めてしまっても何ら不思議ではなかった。
「……う……ん?」
最初にひとりがゆっくり目を開けると、呼応するように他の者たちも目覚め始めた。
「ここは……おっぱい?」
すぐ目の前にある、大いなる誘惑。朧気な瞳で彼らがそれを見つめていると……千鶴もそれに感づいた。
「あ、鷲尾先生。意識戻ったみたい」
「あら、ほんと?」
礼美が少し離れたところから千鶴に返事をする。がその時千鶴は、自分を見ている視線に邪気があるのを察知した。
「……治療だから、これ。ある意味」
すると千鶴は、無言でびしっと男たちのほっぺたを叩いた。意識が戻りかけていた彼らは、その一撃で再び眠りへとつくのだった。
「鷲尾先生、やっぱり意識戻ってないみたい」
「そう……心配ね」
礼美は溜め息を吐くと、また他の生徒の治療へと戻っていった。
◇
授業を終えた9組と10組の女子たちは、後片付けを天才に任せ、次の授業のために制服へと着替えていた。
既に早い者は着替えを終え、教室へと戻っている。
そんな中、5組の男子生徒、
八城 昌也
は大急ぎで体育館へと向かっていた。
「やばい! 1限が終わるのが思ったより遅かった! そして意外とこの距離走るのしんどいかもしれん!」
汗を散らしながら、彼はひたすら足を動かしていた。その手には、ふかふかのタオルが何枚も抱えられている。
どうやら昌也は、どこからか女子が1限目体育だったという情報を仕入れ、ホスト部として女子たちをお出迎えしなければと思ったらしい。
「部長としては、体育で健康的な汗を流した女子をそのまま冷やして教室に帰らせちゃ駄目だからな!」
昌也はそんな女性への優しさを胸に、あともしかしたらほんのちょっと、汗をかいてる女子を見たいという気落ちも胸に、体育館へ到着した。
するとちょうど、近くの体育倉庫から着替え終わった女子が出てくる場面に遭遇する。
「はぁ……はぁ……あれ、もう着替えちゃってる!?」
息を切らし、肩を上下させながら昌也はその格好に驚いた。
「てことはひょっとしたら汗もふいちゃってるのか……?」
こんなに持ってきたタオルが、徒労に終わってしまうのだろうか。いや、そうじゃない。
「きっと蒸れたりしてるのを我慢して、あの子たちは制服に身を包んだに違いない! それに、俺のこのタオルは、吸水性抜群なんだ!」
よく分からない、そしてあまりホストらしくないセリフを口にしながら、昌也は女子たちを出迎える。
「やあ……体育の授業、お、お疲れ様……!」
まだ微妙に乱れた呼吸のまま、昌也は彼女たちに挨拶した。はぁはぁ言いながら声をかけてくる彼の姿は、体育館に乱入してきた覗き者たちと近いにおいを彼女らに感じさせた。
が、唯一の幸運は、女子たちの中に彼の見知った人物がいたことだろう。それは、毬藻仔だった。
「あれっ、八城君?」
「おお毬藻仔ちゃん! 相変わらず健康的でセクシーだね!」
さらっとホストっぽい感じで彼女を褒めると、昌也はその勢いでタオルを渡そうとした。
「これで汗! 汗を拭いてくれないか?」
「わー、いいの? ありがとう」
特に引っかかりも感じず素直にそれを受け取ろうとする彼女だったが、周りの女子たちがそれを慌てて止めた。
「ちょっ、やめときなよ」
「なんか怪しいって、こいつ」
「ほらさっきの授業だって、変な男子いっぱい出てきたじゃん。こいつもそっち系だって」
「ていうか、自分の汗拭いた方よくない?」
女子たちが口々に、怪訝そうな顔を浮かべて昌也に言う。しかしホスト部の部長として、ここで引き下がるわけにはいかない。
ホストの精神とは、女子への奉仕の精神だ。
「いやいや、キミたちにぜひ使ってほしいんだ! これに! キミたちの汗を吸わせてくれ! いっぱい吸うぞ、これは! なんたって吸水性……あれ?」
気がつくと、女子たちは消えていた。言ってることがあまりに変態チックだったので、そそくさと退散したのだ。
「あ、高野先生!」
しかし、昌也はまだめげなかった。彼は有紀が近づいてくるのを見つけると、大慌てで駆け寄り、タオルを見せた。
「これっ、あの……吸水性が……えっと……すごくて……」
「ん? どうした、新しいタオルを買ったのか? 汗かいたままだと良くないから、それでよーく拭いとけよ、カカカカ」
メッセージを伝えきることなく、有紀は笑って行ってしまった。なんと昌也は、これだけ女性に積極的な姿勢を見せながら、サシで女性と向き合うとビクビクしてしまう難儀な少年だった。
「俺は……俺はタオルひとつ渡すことが出来ないのか……っ!」
悔しさと不甲斐なさがいっぺんに襲いかかり、昌也はその場に崩れ落ちた。持っていたタオルで、顔を覆う。
吸水性抜群のそのタオルは、彼の涙をしっかり吸い取ってくれたに違いない。
日常とは、タオルのようなものだ。
彼らの流した涙や汗が染みとなっても、いつかは乾いてしまうだろう。何気ない一日の、たった一時間にも満たない間の出来事だ。染みがついたことを忘れる日だって来るかもしれない。
それでも今日は確かにあった。
いつか色や形の違うタオルを使うようになった時にそんなことを思い出せたら、きっとそれは幸せだろう。
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あとがき
担当マスター:
萩栄一
ファンレターはマスターページから!
萩栄一です。
今回のシナリオに参加していただき、ありがとうございました。
ガイドを出した時は「まあ授業を覗いたりする人も少しくらい出てくるのかな」くらいに思っていたのですが、
予想以上の数でびっくりしました。びっくりしつつも、楽しく書かせていただきました。
もちろん、フツウの授業風景も書いていてとても楽しかったです。
体育の授業に力を注いだ生徒さん、体育じゃないことに力を注いだ生徒さん、
両方に楽しんでいただければと思います。
余談ですけど、
学生時代、僕が体育で一番苦手だったのが跳び箱やマットなどの器械体操系でした。
そんな自分がこういったリアクションを書くことになるとは、人生わからないものだなとしみじみ思いました。
跳び箱とかマットの描写をする時、YouTubeで動画を何度も見たのも良い思い出です。
次回のシナリオは未定ですが、そう遠くないうちにまた軽めのお話を書きたいなと思っています。
なお、アクションに対する意見などを、
個別コメントで何人かの方に送らせていただきました。
それでは、また次回のシナリオでお会いできることを楽しみにしています。
長文に付き合っていただき、ありがとうございました。
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授業風景 〜1年9組と10組の女子の場合〜
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担当ゲームマスター
萩栄一
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
学校生活
スポーツ
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年05月28日
参加申し込みの期限
2013年06月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年06月04日 11時00分
参加キャラクター一覧
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