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授業風景 〜1年9組と10組の女子の場合〜
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chapter.4 マットにまつわるエトセトラ
「うおっ、やべえ遅刻だ遅刻!!」
柔軟が終わろうとしていた頃、大慌てで体育館へ向かってダッシュするひとりの女子生徒がいた。
彼女の名は、
虎沢 英子
。
英子は荷物を教室に置くと、そのまま北校舎を突っ切り、最短コースで体育館へと疾走していた。
「……ん?」
北校舎と体育館を繋ぐ連絡通路に英子が差し掛かった時だった。彼女は、体育館の屋根近くで何やらロープをいじっている怪しげな人影を見つけた。ここからではその顔まではっきりとは分からないが、男子生徒のようだ。
「なんだアレ。誰かいんぞ……まあいいか。それどこじゃねえ! 体育だ体育!」
英子は特に深入りもせず、そのまま体育館の中へと入っていった。
彼女が見ていた人物——それは、言うまでもなく龍八であった。彼女に見られていたことに気づかなかった彼だが、英子が気に留めなかったことは彼にとって幸運であった。
龍八はやがて体育館の屋根までたどり着くと、引っかかりにきつくロープを結び、さらに自分の股の間を後ろから前へ通すと、そのまま肩を通過させ、背中まで持ってきて右手で掴んだ。
そして、背中を地面の方へ向けたまま、なんと屋根から再び下り始めた。
彼の足が、一歩一歩体育館の壁を踏みしめていく。
体は背中のロープに預け、もう片方の手で器用に握りを緩めたりすることで速度を調節していく。サバイバルスクールで身につけた技術だった。
「よし……順調だな」
何が順調なのかはまだ分からないが、懐に忍ばせた鏡がちらちらと見えていることから考えると、おそらくろくでもないことが順調なのだと思われる。サバイバルスクールで何を教わったのか、今一度問い詰めたい。
そうやって龍八は、ゆっくりと壁面の降下を続けていった。
その一方で、体育館の中へと駆け込んだ英子は、目の前に広がるマットと跳び箱を見て思わず肩を落としていた。
「なんだよ、今日は跳び箱とマットかよー……小学生じゃねえんだからさあ。こんなことなら、そこまで急がなくても良かったぜ」
ぽつりと愚痴を漏らす英子。彼女としては、球技あたりをやりたかったようだ。
とはいえ、何をやるにしてもまずは先生に言い訳……もとい、遅刻の謝罪をしないと始まらない。
そう思い、有紀の元へと向かう。
「お、どうした虎沢」
「すわせん、高野さん。遅刻しちまったっす」
「まあ、そうだな。理由はなんだ?」
遅刻を頭ごなしに怒ることはせず、有紀は最初にそれを尋ねた。寝坊か寄り道かは彼女にしか分からないが、ここで素直にありのままを話していれば、大人しく済んだだろう。
が、英子はつい余計な口を開いてしまった。
「理由っつーか、アレっす。行き倒れていた人がいたんで、病院まで連れて行って、そんで最期を看取ってたっす! それはもう、立派な最期だったっす! 大往生だったっす!」
「……嘘をつくにしても、もうちょっと軽い嘘にした方がいいぞ」
笑うに笑えないだろ、と軽く頭を小突かれ、英子はもう一度頭を下げた。
次からは気をつけるように、と注意を受けた後、他の生徒たちと混ざって授業に参加する英子。ちょうど授業は、柔軟が終わって各々が選んだ種目へと移っていくところであった。
◇
跳び箱を選ぶ生徒、マットを選ぶ生徒に分かれる中、英子は気乗りしないながらもマットの方を選んでいた。
「あー、でもやっぱやる気があんま出ねえな。とりあえず最初は後ろの方に並んで見とくか……」
そう言って列の最後尾に向かう英子とは反対に、博美は列の先頭に立ち、真っ直ぐにマットを見据えていた。
「まずは、一番基本の前転からだな」
基礎中の基礎と言える前転を、無難にこなす博美。もう一度前方向へと転がった後は、体の向きを変え、後転で締めた。
マット運動の中では簡単な技ということもあってか、ミスもなく、博美は教科書通りのフォームを見せた。
「奈良橋、綺麗なフォームだな! その調子で頑張れよ!」
有紀が声をかけると、博美は行儀良く返事をし、首を縦に振った。その表情は、どこか嬉しそうだ。
「あーあ、やっぱ退屈だな」
そんな様子を眺めていたのは、英子だった。どうもマットにも跳び箱にも楽しさをいまいち見出せていないためか、気怠そうだ。
せめて、派手な技でも目の前で見られたら面白いんだけどな。
そんなことを思った英子は、再度同じ技で反復練習をしている博美に、冗談交じりで軽く煽った。
「ヘイヘーイ! もっと難しいヤツで攻めてこうぜー!」
「無理は良くないだろ。そんなことして、怪我でもしたら馬鹿らしすぎるし」
前転ふたつと後転を終えた博美が、英子の方に近づいて言う。
「んなこと言ったって、体育科だぜ? 普通科とは違うってとこを見せてやんねえとよ」
「……いや、誰に見せるんだよ。ここにいるの、全員体育科だからな?」
「そ、そりゃそうだけどよ……とにかく、こういうのは攻めてなんぼなんだよ!」
そう言うと英子は、見てろよ、と言わんばかりに列を抜かして最前列に来ると、勢いよく助走をつける。マットの前で足のリズムを整えると、英子の手のひらがマットに触れた。そのまま頭を下に、足を上に伸ばす。そしてタイミング良く反動をつけて手を離すと、背中を反らせるようにそのまま体を回転させた。最後は見事に両足で着地。
俗に言う、ハンドスプリングという技である。
おお、と生徒たちから小さく歓声が起こると、英子は満更でもなさそうに笑って見せた。
「難しそうに見えるだろ? でもな、コツを掴めば実は簡単なんだぜ」
なんだったら、教えてやろうかくらいの勢いで他の生徒たちに近づこうとする英子。だがその背後には、有紀が立っていた。
「とーらーさーわー」
「うおっ!?」
突然後ろから聞こえた声に振り返ると、有紀は英子の肩を押さえて言った。
「いろんな技が出来るのはすごいことだけど、いきなりやって怪我することもあるから、最初は基本からやらないとダメだぞ?」
「わ、悪かったっす……やっぱこういうのは、最初にガツンとやんなきゃと思って」
「あと、列に並んでる時に変なヤジみたいなのも飛ばさないようにな」
「それも、悪かったっす……なんつーか、ある意味こういうのが頑張れっつーメッセージになって、奇跡とか起こすんじゃねーかなって思って……」
「どうした虎沢、24時間のアレでも見たのか? というかマット運動で奇跡とかいらないからな」
やや呆れ気味に有紀は溜息を吐くと、「派手な技もいいけど、体を慣らしてからだ。それと、怪我だけは気をつけろよ」と言い残し、英子の元を離れた。
その様子を列に並びながら見ていたのは、
先ほど遅刻ギリギリの侑を迎えた美嘉と、同じ列にいた
菅波 火蜂
だった。
「あ、危なかったねー」
「もうちょっとで、あたしたちが先に怒られるとこだったかもね」
美嘉の言葉に、冷や汗を浮かべながら火蜂が返事した。
実はこのふたり、並んでいる間にお喋りをしていたところ、互いにマット運動が得意ということを知り、「どっちが派手な技出来るか勝負しようか」と話していた最中だったのだ。
英子が犠牲になってくれたお陰で、彼女たちは有紀のお咎めを免れていたのである。
「うーん、普通に前転後転するのはつまんないけど、最初くらいはキソってものをやっとかないとね!」
「だな」
ふたりはその言葉通り、序盤は基本的な技を軽くこなしていく。そして体が温まってきたところで、徐々に大技へと移行していった。
最初に技を披露してみせたのは、火蜂だった。
「よーっし、じゃあそろそろ行こうかな!」
手首を軽く回してそう言った彼女は、マットの近くまで歩いていくと、すう、と呼吸を吸った。体はマットに対して斜め前、手は前方へ伸びている。
伸ばした手をマットに対して垂直気味にすると同時に、体は前へと。逆の手が、空中で弧を描くように奥の方へ向かっていく。そのタイミングで、足を開いて頭と両手を下に、足を上に。側転か……と思いきや、火蜂の体は空中で僅かにねじれた。足はまだ両方とも手が辿った軌跡を追ったまま、宙にある。
手で軽くマットを押し、両足を放り出す。綺麗に揃ったふたつの足は、ぴたっとマットの上で着地した。体は、少し前まで自分が立っていた場所を向いている。
「おおー、ロンダートだね!!」
その技の名を美嘉が口にすると、火蜂は「これだけじゃない」と言わんばかりにそこからさらに背中を反らせ、両手をマットについてバク転してみせた。
見事な技の繋がりに、ギャラリーからは拍手が起こった。
「すごーい! 運動神経いいんだね!」
「へへー、体動かすのは得意なんだ」
「でも、美嘉も負けないよっ!」
言うと、美嘉は先ほど英子が披露したハンドスプリングを華麗に決めてみせた。英子と違うところは、着地を終えた時に「イェイ☆」と決めポーズを取ったところだ。
「おお、やるねー」
「どう? ハンドスプリング美嘉バージョンだよ! 美嘉ドスプリングだよ!」
「えっ、ああうん、いいと思うよ」
語呂悪っ、と若干思いつつも、火蜂は美嘉に賛辞を送った。が、当の美嘉は火蜂ほど拍手が起こらなかったのが今ひとつ気に入らないのか、再度マットの前へと進み出る。
そして次に彼女が繰り出した技は、前後開脚前方倒立回転、という早口言葉に出てきそうな名前の技だった。両手をマットにつけ、そのまま倒立するように足の裏を天井へと向けるのだが、この時両足は大きく開かれている。つまり、片方の足だけが体の芯と平行になり、もう片方は直角になっているような形だ。
そのまま前方へと回転するのだが、片足がマットについている時、先ほど直角に残したもう片足が今度は高い位置に来ている。しなるように体を反らせ、美嘉はいかんなく体の柔らかさを発揮した。
無事着地を終えると、びしっとピースサインで締めることも忘れない。
派手さで言えば火蜂の方に軍配が上がったが、その技の綺麗さは美嘉の方が上回っていただろう。
今度は彼女にも、大きな拍手が送られた。
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担当ゲームマスター
萩栄一
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
学校生活
スポーツ
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年05月28日
参加申し込みの期限
2013年06月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年06月04日 11時00分
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