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【お花見】しづ心なく花の散るらむ
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間もなくして、演舞の出番となった。
「おう出番だ出番」
「今年もいっちょやるとすっか」
一杯機嫌の老人たちだったが、ステージに立つや、一斉に剽悍な面構えに変わっている。薄笑みを浮かべていた老人も、半目で眠そうにしていた老人も、揃って引き締まった顔つきになっていた。
さすがは、と伊織源一は舌を巻いた。彼の祖父伊織紘之助もまた、抜き身の日本刀のように鋭い光を目に宿しているではないか。
「庵流は開祖庵朧斎がかの上泉信綱から学んだ新陰流に源流を持つとされ……」
マイクをとった紘之助が、流派の成り立ちの説明を始めると、ひとり、またひとりと演舞者が、柔術、中太刀、居合を披露していく。実際には当てないものの、裂帛の気合いとともに繰り出す技は単なる『型』を超え、実戦さながらの烈しさだ。
離れた場所からステージを見るのと、こうして間近で見るのはまったく違う。彼らの気合いが、びりびりと伝わってくるようである。
――つまり、演武といっても普段通りやればいいということだな。
源一は肚をくくった。これもまた稽古のうちなのだ。
大勢の目の前で披露する、という経験はあまりないため、最初こそとまどいがあって入りが浅かったものの、すぐに源一は本来の動きを出せるようになっていった。
合図を出す紘之助は、これを見て薄笑みを浮かべている。
変な気負いはすぐ抜けたようだ。源一の動きはいい。キレがある。しかも生まれ持っての巨体だ。その身で投げたり、投げられたりというのはかなりの迫力で、観客の反応も上々であった。
我が孫ながら頼もしい限り、と紘之助に笑みが出てしまうのも当然だろう。
だがこのとき、
「なんだこんなの胡散臭ぇ!」
酒瓶を握りしめた酔客が、口汚いヤジを飛ばした。三十前後の太った男だ。短パンから、ぶよぶよの太い脚をつきだしている。友人らしき隣の男に「やめろって!」と押さえられているようだが、日頃の鬱憤でも溜まっているのか男は、黙る気はまったくないらしい。
「空手ごっこのインチキだろうが! そんなもんがリアルファイトで役に立つのかよ!」
まずいな、と源一は思った。ヤジの内容などどうでもいいが、喧嘩っ早い紘之助が飛びかかっていかないか不安になったのだ。手を出すなよ、と言うかのように祖父に視線を送る。
へっ、と紘之助は鼻息した。源一の視線には気づいている。
酒の席だ。ああいう手合いが出るのは別に珍しいことでもない。叩きのめすのは簡単だが、それは一匹の蚊にDDTを噴射するようなものであって、もたらすのは実害ばかりだ。そもそも大して腹の立つことでもなかった。
だからよっぽど「そこまで大人気(おとなげ)のねェ俺じゃねえよ。まともに相手なんかしねェから安心しろい」と源一に言ってやろうかと思ったくらいだ。しかしいま発言すればマイクを通してしまうことになってしまう。だから紘之助は、ニヤっと不敵に笑むにとどめたのだった。
ところが酔客は、紘之助たちの無反応に苛立ったらしい。隣の男をおしのけてずんずんとステージに迫ると、
「その頭鈍そうなデカブツ! デカい体でダンスの真似事か!? 鬱陶しいんだよ!」
と、明らかに源一をさしてそう野次ったのだった。
これがいけなかった。
酔客は知らなかった。
源一を腐すこと、これこそがこの場の唯一のタブーである
ということを。
――可愛い孫をけなされて、黙っていられるはずがねェ。
マイクを置くと無言で、かつて魔人と呼ばれた老人は客席に飛び降りた。両眼に黒い炎が宿っている。
慌てた酔客が酒瓶を振り回すも手刀で叩き落とすと、紘之助はブニョブニョした太い腕を取って、投げた。
飛んだ。酔客の体が。
宙を舞った。
あり得ない高さにまで……!
ぶひい! と哀れっぽい声を上げている男の、頬の肉がぷるんぷるんと揺れている
「爺さんやりやがった!」
源一は野次られた瞬間、祖父を押さえるべく飛び出したが一歩間に合わなかった。
「邪魔すんじゃねェ!」
紘之助が崩しから当身を繰り出すもぎりぎりで止め、落下してくる酔客を受け止めようとするも、
「だから邪魔すんなと言ってるだろうがッ!」
紘之助からさらなる突きが来たので、これを受け流さざるを得ない。邪魔な酔客だが見捨てるわけにもいかず、源一は落ちてくる男をとっさに再度、宙に投げ上げていた。
「ぶひぃーー!」
酔客の肉がまた、たゆんたゆん揺れている。涎と涙で顔はぐちゃぐちゃだ。
「オラッ! まだ行くぞ!」
「だからよせって!」
「ぶひぃ!」
「フン!」
「おうっ!」
「ぶひひぃ!」
いつの間にか人間キャッチボールというかサーカスの曲芸風というか、とにかく大玉(酔客)を投げ上げてはキャッチしまた打ち上げるという、豪快にしてコミカルな展開が始まったのである。観客には大受けだ。拍手喝采が起こっている。どうやらこれは演目、すなわち仕込みだと思われたらしい。演舞者の老人たちも腹を抱えて笑っていた。
なんでこうなる、と源一は思った。
なあ、そろそろ爺さん、冷静になってくれないか――。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
117人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年05月20日
参加申し込みの期限
2017年05月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年05月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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