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【お花見】しづ心なく花の散るらむ
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伊織 紘之助
は暫(しば)し黙って、夏の海でもなく冬の海でもなく、春の海だけが見せる柔らかな潮風に吹かれていた。
腕組みして目を閉じている。齢(よわい)八十八、いわゆる米寿の身なれど、厳のごとく引き締まったその体は、しばし実年齢より十は若く見られた。
それもそのはず、紘之助は今なお、総合武術『庵流』の八代目家元なのである。経営する鍼灸・接骨院では施術も現役で行っており、仕事柄、握力は未だ100kg近いものを誇っている。並の老人とは鍛え方が違うのだ。
しかしその彼も、近頃は『引き際』という言葉を意識するようになっていた。筋力や視力の衰えは自覚している。それに、先日とうとう、孫の
伊織 源一
に免許皆伝を終えたこともあり、やっと肩の荷が下りたようにも感じていた。
その源一が、紘之助の背後から呼びかけてきた。
「爺さん、寝てるのか」
「馬鹿云え」
皺に同化していたような瞼を片ほうだけ上げ、紘之助は歯を見せた。
「とうとう源一、お前さんをこの場に連れてくる日が来たのかと、それなりに感慨に浸っておったのよ」
「この場、って言ってもな……」
源一としては、いまひとつピンとこない話であった。
寝子ヶ浜海浜公園、桜満開の今日、ここではお花見イベントが開かれていた。あふれそうなほどの桜に包まれながら、思い思いにシートを敷いて花見を楽しむ人々で一杯だ。
だがそれだけなら、島中ほうぼうで同じものが開催されていることだろう。
この公園の違いは、特設ステージにてお花見イベントが開催されているということだった。とにかくお祭好きの島民らしい話ではないか。ステージでは、ダンスパフォーマンスや町内会によるカラオケ大会をはじめ、DOG110らアイドルによるライブもあるという。飛び入り歓迎と銘打っているのも実に寝子島スタイルであろう。
ステージで行われる演し物のひとつが、庵流による演舞なのだ。昨日今日はじめたものではない。源一が覚えている限りずっと、毎年このイベントで、彼の祖父は演舞を行っていたような気がする。
これまで、源一は舞台に上がったことはなかった。ところが今年になって、「庵流の次期家元として一度は参加しておけ」と紘之助にこの場に連れてこられたのであった。紘之助が妙に嬉しそうだったので、がっかりさせるわけにもいかず応じている。
現在紘之助と源一が立っている場所はステージの真裏にあたる。そろそろ出演順が巡ってくるので、こうして待機しているのである。
そろそろだな、と紘之助は言った。
「俺も何時くたばるかわかったもんじゃねェからな。顔見せってェ意味もある」
「くたばるだなんて、爺さんがそうなんのはまだまだ先だろう」
「源一……そりゃ、俺だっていつまでも、源一を見守ってはいたいけどォ……」
紘之助はなんだか、ホロリとした様子なのである。こと孫のことになるといつもこうなのだ。この老人がかつては『鬼』とか『魔人』とか称され恐れられていたという話は、果たして本当なのかと源一は思ってしまう。
このとき、
「おう伊織よ」
「伊織ィ」
「待たせたナァ」
どやどやと老人が数名入ってきた。頭が薄い老人もいれば腰が曲がった老人もいる。豆粒みたいに小柄な老人も。いずれもよく日に焼けて真っ黒、それなのに歯ばかりがやけに白い。揃って稽古着を着ているところからすると演舞の共演者のようだ。彼らが集まるや、もあっと場が甘い匂いに覆われた。どうやら年寄り連中は、揃って聞こし召してきた様子である。
「そこのガタイのいいのが伊織の孫か」
「よろしく……お願いします」
おうよ、とひときわ黒い老人は言って、
「ところで伊織、今年は本当に飲(や)らんのか?」
と言いながら、紘之助に猪口を手渡した。
「おう、早々にかっくらいてェ所ではあるんだが、かわいい孫に止められちまったもんだから、我慢せざるを得ねぇわな」
「なにをカタいことを。今日は天気も良く、絶好の花見日和ってなもんじゃねぇか」
「そうは言われてもよォ、自重だ自重。てめえも歳考えろや」
と口では拒否しているものの、いつの間にか猪口に注がれた酒は消えている。源一の目を盗んでは、ちびちび飲んでいるのであった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
117人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年05月20日
参加申し込みの期限
2017年05月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年05月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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