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【お花見】しづ心なく花の散るらむ
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昼過ぎに木天蓼大学で開かれたのは、教授主催のオリエンテーションだ。といっても、新年度のカリキュラムについて話すといったような硬いものではない。
むしろ正反対。もっとソフトな場だ。
すなわち、お花見である。
中庭に大きなブルーのビニールシートを敷き、各自飲み物食べ物持ち寄って、とにかく楽しく飲み食いをする。学部生、院生の区別もない自由参加、こうして交流を深めようという場なのである。日曜日だから参加者はそれほど多くないが、交歓するならこれくらいがいいかもしれない。
実際大学というのは、航行までとはちがいクラスごとの行動というものがあまりないから、こういう場でもなければあとは、サークルにでも入らぬ限り交流というものは持ちにくい。数少ない友達作りの場と考えれば、貴重といえば貴重であった。
葉月 朱真
も、やや緊張しつつこの集まりに出席していた。年齢もバラバラ、学部もバラバラの大きな輪に、入るとすぐにマイクを手渡された。
「え? 自己紹介?」
聞いてないぞと思ったものの、ここで尻込みしていては話にならない。
なにせ朱真は、同じ大学に通う者同士で親交を深めるのも良かろう、と思って単身参加したのだから。
「あー……コホン、マイク、入っているな」
朱真は立ち上がった。
「葉月朱真だ。工学部情報工学科に所属している。趣味はパズルの解読と作成。学問も趣味の一環だ」
さっとスマートフォンを取り出し、今遊んでいるパズルを披露する。
おおっ、と声が上がった。
「それ、『超絶高難度』って言われてるやつじゃん」
上級生らしき男子が指摘した。
「いや、それは大げさだ。実際、そこまででもなかったな。今しばらくの時間さえあれば終わるだろう」
すごーい、と声がした。急いだほうがいいよー、という声も。
「ああ、解けたら懸賞金が出るのだったか」
拍手を受けて朱真は座った。
「初めて出会う人も多いようですね」
と始めたのは
古苗木 美姫
だ。
「はじめまして。社会学部に通っている古苗木です。周りからよく温室育ちと言われています」
と切り出して、こう続けた。
「確かに温室で父の栽培を手伝っていたので、その通りなのかもしれません」
軽いジョークだがどっと受けた。
「私は小分けのカップケーキをいくつか焼いてきたので、どうぞ食べて下さい。お酒のお供には……ちょっと不向きかもしれませんが」
温かい拍手を受けて美姫は着席する。
続いて挨拶をしたのは
マリエッタ・ラシュリエ
だ。袖まくりしたワイシャツ姿で告げる。
「マリエッタ・ラシュリエ。マリーって呼んでくれていいから。理工学研究科博士前期課程の院生」
手を上げた教授がいる。
「あの、もしかして法学部で政治学を教えているミシェル・ラシュリエ教授の……」
「ええ、父です。今日は東京に用事があるので不在ですが」
父は文系、自分は理系、いずれにせよアカデミックな家系のようだ。ぺこりと会釈してマリーは、学生向けにくだけた口調に戻った。
「いつの間にか桜の季節になってたのね。研究室に籠もりっぱなしだったからわからなかった」
まさか、というように笑う声があったが、そんな人間は理系の研究室を知らないのだろう。
「ここ最近、色々と煮詰まっていたし、煮詰まると色々と調子も悪く感じられるしで、何か今の煮詰まり感を打破できるようなきっかけのようなものでもあれば……と思った矢先に研究室の後輩の子から誘われて、こうして参加させてもらった、ってわけ。今日は頭の中をリセットしてみる予定ね。大急ぎで焼き菓子だけ作って持ってきたけど、味見する時間が取れなかったので、出来は自分の舌で確かめて! 以上!」
やがて全員の自己紹介が集まると、なんとなく席の近い同士で歓談する。
気がつくと、朱真、美姫、マリーの三人で話をしていた。
ビールを飲んでいる学生に、美姫は少々驚いたようだ。学校内で飲酒というのは、ちょっとイメージしにくい。
「大学って、自由なんですね。教授曰く、大昔は授業中に生徒も講師も煙草を吸っていたと言いますし……驚きです」
「まあ大人だから。最近は学内完全禁煙、完全禁酒で学祭すら例外じゃない、って学校も多いけど、ウチはそのへん、生徒の自主性を尊重してるし」
とハスキーな声で告げたマリーも、しっかりワイングラスを傾けていた。
「そうだ。これ、飲んでくれ」
朱真は持参の茶を美姫に差し出した。
「桜の葉を使った茶だ。我々未成年向けだな」
「ありがとうございます! うわあ、いい香り……葉月さんが淹れたんですか?」
「同い年だろ? 『朱真』でいい。ところで茶だが、まあ想像の通りだ。当家のメイドに指示していればもっと手の込んだ品も用意できたが、今回の花見はそういう趣旨ではあるまい。それに、わたしの体力では大荷物も運べんしな」
「ありがとうございます。じゃあ、朱真ちゃん、って呼びます。わたしのことは『美姫』で……ところでお茶、とても美味しいです」
「ああ、美姫のカップケーキもいける」
「ちょっと若者たち、私のタルトも試してみてよ? シロップ漬けの桜の花びらを乗せて可愛らしく仕上げたんだから」
マリーが、ひょいと自分の菓子をトレーに載せて差し出した。
「失敬した。ひとついただく」
「わたしもいただきます!」
朱真と美姫が口に入れようとしたその直前、ふっとマリーは独言したのである。
「見た目だけならそれなりに可愛らしく出来上がったと自負してるけど……見た目だけは……」
「……すまぬ。不安になるのだが」
「ですー」
はははとマリーは笑った。
「大丈夫! さっき院生連中に回したけど、みんな平気そうだし!」
なお実際はとても美味であった。
「ところで桜と言えば」
花を見上げて朱真が言った。
「この大学には時折、六弁の桜の花が咲くと聞いたことがある。六枚目の花びらを手に入れれば、一度だけあらゆる願い事が叶うそうだ……大学に伝わる伝説としては、やや稚拙だな」
「はじめて聞いたなあ、それ」
マリーはきょとんとしている。
「いやしかし、わたしの祖父は、六枚目の花びらを手に入れて祖母と結ばれたと言っていた……まあ、祖父は冗談の好きな人ゆえ、果たして信じて良いものやら……」
ここまで言いかけて、朱真は気づいた。
美姫がなんだか一生懸命に、立ち上がって桜の形を見つめているということに。
「あれ、もしかしてあなた……探してる?」
マリーが笑う。
「えっ!? さ、探してないですよ!?」
ぎょっとしたように美姫は言った。
「探してないですったら~っ」
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担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
117人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年05月20日
参加申し込みの期限
2017年05月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年05月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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