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【お花見】しづ心なく花の散るらむ
【マンガ化】しづ心なく花の散るらむ
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畳敷きに正座する北条冬華、しどけなく膝を崩しているのは桜月で、旅鴉月詠たるやあぐらをかいている。
そんな三者三様を乗せ、屋形船は進む。
「はい、皆さんどうぞ」
冬華は香り豊かな茶を淹れ、春めいた桜餅に草餅を置く。蓬のさわやかな香り、桜の葉の青々した香りがひろがった。
「おふたりは、何の話をされていたんですか?」
船の舳先で、と冬華が訊いた。
「ああ、デザインの話だ。桜を活かしたデザインはどんなものか、とね」
という月詠に同意して、
「うん。月詠さんには桜染めを提案されてね」
と告げながら月は、魂だけこの体からすうっと抜けて、天井から自分を含む三人を眺めているような心境になっていた。
もしかしたら――と思う。
もしかしたら、いまの自分は、生涯最良のときにいるのではないかと。
月詠とはデザインや芸術について意見をかわし、かたや月詠には、料理を食べさせてほしいと口を開けてねだったりしている自分……もうこんなときは、これ以上の充実は、ないかもしれない。
楽しい、というか嬉しい、というか居心地がいい。
すべてが認められているという感覚。肩肘を張る必要がない、何かを警戒する必要もない時間。
それはきっと、このときにしか得られないものなのだろう。
だから――月は口元を緩めた。
「月詠さん、次は何をしようか? よければ、私がデザインをしたドレスを着てみてよ」
いささか大胆に月は告げる。今でしか許されないものであれば、今のうちに、愉しんでおきたい。
「私が、か……?」
「うん、それに」
月は冬華にしなだれかかって甘えた声を出す。
「冬華ぁ、お願い」
「どうしたんですか? もう、月さんは甘えん坊ですね……」
冬華は軽くたしなめるものの、迷惑そうにはしていない。むしろ優しく彼女を支えている。
「ここで脱いでみてくれない? 付けてきてくれたんでしょ? あの下着」
「えっ」
「月詠さんに見せてあげたいの」
「ここで、ですか……?」
「そう」
「屋形船とはいえ、外の人に見られるのでは……」
とまで冬華が言ったときにはもう、月詠は黙って立ち上がっていた。
「む?」
一声だけ呟くとまた月詠は口を閉じ、つぎつぎと四方の障子を閉じたのである。
屋形船の上に密室が生まれた。やや擬似的ではあるが。
「酒でもないのにかなり酔ってるな? だが、これでプライバシーは確保された」
「もしかして月詠さんも見たいの? 冬華の下着姿?」
「見たいから協力したわけだが」
「もしかして私から冬華を奪う気があったり?」
ひし、と月は冬華に抱きついた。口調こそ軽いものの、腕には力がこもっている。
「や、友人の愛人に手をかける無粋な真似はしないから」
と言って月詠は座り直す。今度は正座している。腕組みまで、している。
「まあ私に冬華を取られるんじゃないかと、妬かれるのも悪い気はしないがね」
苦笑気味に言った。
「おふたりとも、私が脱ぐこと前提でお話していません……?」
とはいうものの冬華は、月にお願いされてしまうと断るすべを知らないのだ。
きっと月も月詠も、知っていてのやりとりなのだと思う。
だから冬華は立った。恥じらいで頬を染めながら、そっとブラウスのボタンに手をかける。
ひとつひとつ、はずしていく。
冬華もモデルだ。恥ずかしくても、よく見えるよう魅せるすべなら体が心得ている。
するりとブラウスが脱げた。
すとんとスカートが畳に落ちた。
月詠が「ほう……」と溜息をついた。
グラマラスな冬華の肢体を、サキュバスのようにエロティックに、月の女神のように崇高に飾る下着だった。きめの細かいレースの模様は、瑞々しい桃をつつむネットのよう。
「あの。あまりじろじろ見ないで下さいね」
じろじろ見られるために脱いでいるのだし、そのための下着だとわかってはいても、冬華はそう告げずにはおれない。
「ああ――」
と口走ったまま、月は言葉を忘れたように冬華を見上げていた。
期待以上だ。
それゆえに、不安でもあった。
ミステリアスな月詠のような人に、冬華をかっさらわれてしまうのではないかと。
――自分に自信がないから……ふとした切っ掛けで冬華がいなくなっちゃうんじゃないかって……。
言葉にはしなかったというのに、やはり相通じるものがあるのだろう、月詠は肘を出して冬華をつついた。
「どうやら月は、冬華を失うことを恐れているようだぞ。しっかり抱きとめてやれ、冬華。そして教え込むといい。無用な不安だと。どうした? 躾は主人の役目だぞ」
「しつけ、ですか……?」
意外な言葉に驚いたのは冬華だ。
「そう」
とだけ言って月詠は目を閉じた。あとは自分で読み解くように、とでも言うかのように。
すると冬華は得心したように、その長い両腕で月を抱きしめたのである。
「素敵な下着ですね……少し過激ですけれど。ありがとうございました」
「あ、うん。気に入ってくれたら、いいんだ。私も気に入った……」
結構結構、とうなずきながら月詠は自分の荷に手を伸ばした。そこから茶臼など、茶を点てる一式を出し、
「さて、あと私に出来ることといえば、特製の茶を淹れることくらいかな。そろそろ船は引き返す。甘すぎる頭を覚ますには効果的な茶だ」
こうして月詠が淹れてくれたお茶について、月が洩らした端的な感想をもってこのページを締めくくるとしよう。
「うえっ、にがっ!」
「『あしひきの 山桜花 日並べて かく咲きたらば いと恋ひめやも』……山部宿禰赤人、か」
夜風に髪をなびかせながら、月詠は愛好する歌を呟いていた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
117人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年05月20日
参加申し込みの期限
2017年05月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年05月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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