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【お花見】桜の下で待ち合わせ
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「やっぱり、ここの桜は綺麗だなぁ……!」
夕暮れの茜を帯びてもなお薄紅を失わぬ桜を仰ぎ、
ロベルト・エメリヤノフ
は弾んだ声をあげる。そうしながら、そっと背後を振り返る。
「そうだな」
花見客で混雑する参道をものともせずに歩きながら、
獅子目 悠月
が榛色の瞳を瞬かせる。
「桜、綺麗ですね! 先輩!」
もうすぐ高二になるにしては小柄な体を人波にさらわれそうになって慌てながら、
来島 アカリ
が両手の鞄を抱え直す。
「そうだね、綺麗だね」
花見に誘ったふたりが桜景色に目を奪われがちなことに、ロベルトは安堵する。ふたりがこの景色を気に入ってくれるかどうかが、ふたりを誘ってからここ最近までずっとの心配事だった。
「屋台も出てるから、食事には困らなさそうだね」
参道の左右に広がる様々な屋台を見回し、ロベルトは桜や屋台に気を取られて遅れがちなふたりの傍に戻る。悠月とアカリ、ひと一人分の距離を保って歩くふたりの間に体を割り込ませ、半ば強引にふたりと腕を組む。
「えっ、あ……」
「どうした」
あからさまに照れてたじろぐアカリと何でもなさそうに首を捻る悠月とに、ロベルトは断固として腕を解かぬ決意を見せて言い放つ。
「これではぐれない」
なるほど、と頷いた悠月の視線は、すぐに参道の屋台に向かう。
「以前も色々回ったが、屋台と言うのはやはり中々面白いな」
この島に来るまでは、家柄がどうのこうのと煩く言われ、祭に出歩くことなど許されなかった。だから、屋台を目にするのは人生でまだ三度目。物珍しさについ気を取られ、ともすればふらふらと目についた屋台に足を向けてしまいそうになる。
「そっか、悠月は屋台の食べ物とかあまり食べて来なかったもんね」
腕を組んでいるからかやたらと嬉しそうなロベルトに微笑まし気なまなざしを向けられ、悠月は複雑な表情を見せた。本当のところは片っ端から屋台を覗いて見たい。けれどそれをしてしまえばどうしたって子供っぽく見られてしまう。
(それは癪だ)
なるべく抑え気味に努力をしつつ、視線はどうしても屋台に向かう。串焼きに回転焼き、フランクフルトに焼きトウモロコシ。普段利用するレストランでは見かけない、物珍しいものばかり。鼻先をくすぐる香りのものばかり。
(……誘いに乗って良かった)
日曜日の明日は、相棒の
オルカ・ヴィヴァルディ
とステージに立つ。ずっと家に詰めて練習に励みすぎるのも良くないと思っていたところへのロベルトからの花見の誘いは、息抜きとして正直ありがたかった。
「悠月、たこ焼き買う?」
「ああ」
「悠月、わたあめ買う?」
「ああ」
「悠月、焼き鳥買う?」
「ああ」
ロベルトに誘われるまま、悠月は目を惹いた屋台に片っ端から寄り道する。
「食べきれる? 大丈夫かい?」
あっと言う間に両手いっぱいに食べ物の入った袋を提げるに至った悠月に、ロベルトが心配げな目を向けるも、悠月は気にしない。一口齧ったフランクフルトをひょいと差し出す。
「ロベルトも食べるだろう?」
「先輩にそんな食べかけを」
悠月が無造作に差し出す串にアカリが唇を尖らせる。目を三角にして怒っても、悠月は不思議そうに瞬くばかり。当のロベルトはご褒美を与えられた小犬じみて尻尾を振らんばかりに嬉しそうにフランクフルトにかじりつく。
(うー……)
仲睦まじく見えるふたりをほとんど涙目な桜色した瞳で見つめ、アカリはロベルトの片腕にきつく両腕を絡めた。
ホワイトデーに告白して、振り向いてもらえるように頑張っているのに、ロベルトの心はあっちにふらふら、こっちふらふら。じっとこっちに留まってはいてくれない。しかも、悠月に対する視線は他の子に向けるものより間違いなく熱い。
(そりゃ、獅子目はなんか華があるし歌も上手いし)
それでも先輩を想う気持ちは絶対負けるものかとライバル意識をめらめら燃やし、アカリはロベルトの腕を一層強く抱きしめる。
不意にロベルトの紅茶色した瞳が真っ直ぐアカリを映した。
「ふふ、積極的で嬉しいよ」
「……っ!」
耳まで真っ赤にした途端、抱えていた鞄を落としそうになって焦る。慌てて抱え直した鞄の隙間に大きな弁当箱が覗いてしまったけれど、見つかっていないだろうか。
(結構屋台とか出てるし、二人ともめちゃめちゃ買ってるし……)
先輩が誘ってくれたのが嬉しくて、張り切って弁当を作って来てしまったのだけれど、
(むー……やっぱ弁当より屋台の食べ物の方が美味しい、よな……)
これは帰ってひとりで片付けよう。こっそり隠したお弁当入りの鞄を胸にひっそりと溜息を吐いたところで、首を傾げる悠月と目が合った。
「な、なんだ、よ?」
「なんか仕舞うのが見えたな」
さっきまで悠月と屋台に夢中だったロベルトの視線までもが鞄に注がれている。前日から仕込んだから揚げやうずら卵のベーコン巻きやブロッコリーとカリフラワーのマリネにハート型と星型のハンバーグにおにぎり。手作りのものをいっぱいに詰めた大きな弁当箱を隠した鞄を、アカリは必死に背中にかばう。
「こ、これは俺の夕飯だからいいんです……!」
「一人でその量を食べるのか……?」
「せっかく作ったんだし、食べようよ」
悠月からは正気かお前、という顔で見られ、ロベルトには何もかもを見破られて優しく言われ、アカリはますます顔を赤くする。
「手作り弁当っていうのも、いいよね!」
楽しみにしてくれてたんだなぁ、可愛いね、とロベルトに微笑まし気に更に口説かれてしまった。
「うー……屋台とかいっぱいあるんだからそっち食べてくださいってば……!」
「仕方ないから消費を手伝ってやる」
食べようと手にしていた焼きトウモロコシを袋に仕舞い、悠月が真顔で手を伸ばしてくる。アカリは手負いの猫じみて無い尻尾を逆立てんばかりに声を荒げた。
「食わなくていいっつってんだろ!」
「太りたいのか? 今更たくさん食べたところで縦に伸びず横が広がるだけだろう」
「うっせー! 余計なお世話だっつーの!」
いつも通りと言えばいつも通りな言い争いを始めるふたりを、やっぱりいつも通りに子猫がじゃれあう様を眺めるように見守っていはしたものの、ロベルトは人通りの多い参道に立っていることに思い至った。言い合うふたりの手を引き、参道から少し離れた桜の木の下へと誘い込む。
自分を間に挟んで睨みあうふたりに交互に微笑みかけつつ、アカリが抱える弁当入りの鞄をよいしょと奪う。
「あっ……」
「ね、来島」
なだめるようにアカリの顔を覗き込み、次いでそっぽを向く悠月の顔も覗き込む。
「そういうんじゃないんだよ、ね、悠月?」
アカリに対してはどうしても言葉足らずな喧嘩腰になってしまう悠月をそっとたしなめる。小さく、けれど素直に頷く悠月の腕を軽く叩き、ロベルトはアカリの鞄を開いた。
「さすが来島、準備がいいね」
中から出てきたレジャーシートを桜の下に敷き、大きな弁当箱を真ん中に据える。弁当の前にちょこんと正座し、待ちかねた顔でふたりを見上げる。
ロベルトの攻勢に、アカリはとうとう頑なな態度を崩した。
「ど、どーしてもってゆーなら、食べてもいい、ですけど……」
「うん! どーしても!」
間を置かぬロベルトの返事に、苦し紛れの抵抗はもう続かない。
「……せんぱいのばか」
不服に膨らませた頬に上る熱を両手で覆って隠して、アカリは呟く。
「先輩が食べたいって言ったんだから、美味しくなくても文句とか言わないでくださいよ」
「言うわけないだろう! 美少年の手料理だよ?」
大真面目に返された先輩からの言葉に、アカリはもう一度呟く。
(……せんぱいのばか)
このひとは、いつだって優しい。うかうかと縋ってしまうほどに。
ロベルトの隣に正座する。反対側に膝を揃えて座った悠月が、弁当と一緒に入っていた取り皿を差し出して来た。無言の催促に、アカリは眉間に皺を刻む。
「獅子目、お前もだからな」
「文句というのは期待しているから出るという論もあるな」
シレッとした顔で言い放つ悠月から皿を奪い、弁当の蓋を開ける。
「おおー! すごい、可愛いね!」
「可愛い、ですか……?」
大袈裟なくらいに喜んでくれるロベルトの声に照れつつ、手作りの弁当を取り分ける。
「甘酒も買ったからね! 飲もう飲もう!」
カップ酒を取り出す酔っ払いの勢いで、ロベルトがカップ入りの甘酒を取り出す。ライトアップの夜桜を頭上に、三人は花見の宴を始めた。
拗ねたような眼をしながらもアカリがきちんと取り分けてくれた弁当と屋台で買ったあれやこれやを食べ過ぎないようにしながら、悠月は花を見上げる。
「綺麗だろ?」
甘酒を片手に同じように桜を仰いだロベルトに言われ、悠月は赤銅の髪を揺らして頷いた。
「こうしていると花の中に閉じ込められたみたいだな」
悪くない、くすりと笑む。梅酢で赤く色づけた飾り切りの大根を口に含む。
「誌的なことを言うね、悠月は。そこも魅力的だ」
桜を眺める振りをして、桜よりも美しい理想の美少年を見つめつつ、ロベルトはそれにしても、と思い出す。
(枠組みで見ない、か……)
難しいな、と思う。だって今まで、枠組みばかりを見てきた。まずそこに目を向けることは最早癖になってしまっている。
(うーん、)
枠組みで見ない、というのはどうすればいいのだろう。例えば今隣にいる悠月には、
(……友達に接する自然な感じで、いろんな意味で距離を詰めつつ、)
そんな風に接して反応を見てみよう。枠組みで見ないようにするには、たぶん、まずはそこから。
アカリの手料理を口にし、甘酒をあおる。ノンアルコールのはずの飲み物にふわりと喉を焼く酒精を何故か感じたような気分になりつつ、ロベルトは最初の一手を決める。決行に移ろうとしたとき、悠月が口を開いた。
「言った気もするが……明日もオルカとライブがある」
「そっか……」
出鼻をくじかれた上、今の己よりもおそらくは近しい距離にあるはずの男の名を出され、ロベルトの声は思わず沈んだ。沈んでしまったことを自覚するがゆえに、ことさらに明るく笑う。
「頑張ってね」
「見に来いよ」
こくりと頷き返し、ロベルトは甘酒を一息にあおった。ふわりと頬を赤く染め、くすくすと堪えきれない笑みを漏らし始める。
「先輩?」
不思議そうに覗き込んで来るアカリの頬を両手に挟む。
「わ、……ちょ、ちょっと、先輩!」
抵抗さえかなわずに恥じらう少女じみた顔をじっと見つめたかと思えば、今度は悠月にも同じようにしかけて手を振り払われる。ふふふ、と満面の笑みをふたりに向ける。
「二人とも可愛いよ!」
酔うはずのない甘酒で酔っ払いの高いテンションとなり、ロベルトはアカリの手を掴んだ。さすさすと撫でる。くすくすと笑う。
「この滑らかな肌……最高だよ!」
「何やってんですか、ここ外ですよ!?」
「夏も楽しみだなぁ!」
「やめてくださいってば、もー……!」
頬ずりさえされそうになって、アカリは尻で後退る。それでも抵抗できないアカリを見かね、悠月が猫を掴むようにロベルトの首根っこを掴んだ。
「おい」
「ああっ、悠月! 悠月も可愛いよ!」
掴んだ手にすら頬ずりをしそうな勢いで過剰スキンシップを繰り広げる疑似酔っ払いに、悠月は胡乱気な目を向ける。邪険に扱ってはいるものの、問答無用なほど手放しに褒められてしまえば、そう悪い気はしなかった。
しばらく左右のふたりを交互に褒めちぎってから、ロベルトは急にしょんぼりと肩を落とした。
「君たちも僕が卒業する頃には背が伸びて、きっと美しい青年になって……」
空っぽの甘酒カップを両手に包み、膝を抱える。
「僕のことも追い越すかなぁ……」
「……先輩?」
今の今まで明るすぎるほどに明るかったロベルトの変貌に、アカリは途端に心配になる。
「大丈夫ですよ」
先輩の手から甘酒のカップをそっと取り上げ、代わりに弁当と一緒に持って来た温かいお茶入りのマグボトルを持たせる。口をつけてはいるけれど、構うものか。
「先輩のこと、置いてきぼりになんてしませんから」
「来年も三人でお花見したいなぁ……」
泣き出してしまいそうな小さな声でしがみついてくるロベルトの普段あまり見ない姿に戸惑いながら、アカリはその背中に手を回す。
「一緒にお花見も、他のことも、いっぱいしましょう……ね?」
ほんの少しだけ、抱き返す。
アカリの肩に顎を乗せ、目の縁を赤くするロベルトのいつもよりも幼く見える横顔を横目に眺め、悠月は静かに瞬いた。普段は見せぬものの、ロベルトは極く稀に分厚く被った仮面を剥ぐようにして幼いような言動を覗かせる。
もしかするとこちらが素なのかもしれないと慮りながら、悠月は酔っ払いに小指を差し出した。
「お前は成長しないような言い方だな」
「ん、なんだい?」
「すればいいだろ、ほら……約束だ」
「うん」
幼い子供のように頷き、ロベルトは悠月の小指に小指を絡めた。
「またしよう、三人でお花見」
祈るように囁く声が掠れ、小さくなる。くすくすと笑いながら、ロベルトは眠りに落ちた。
「寝たか」
「……たぶん」
少し前に告白を果たすも答えを保留された先輩の頭をそっと自分の膝に下し、アカリは熱を帯びた息を吐いた。頬に上った熱を冷ます術も思いつけず、ただ黙って満開の桜を仰ぐ。
十数分後に目を覚ましたロベルトは、ノンアルコールの甘酒に酔っていた記憶を綺麗さっぱり飛ばしていた。
「え、先輩、覚えてないんですか……?」
「ぼ、僕変なこと言ってないよね!?」
美少年に膝枕されていたことを喜んだのも束の間、顔色を変えて狼狽えるロベルトに、アカリは思わずそっぽを向く。
(むー……)
真面目に答えたのに、損をした気分だった。
「悠月!?」
「……言ってないとも言い切れないな」
「そんな!? 来島!?」
「……何でもないですよ」
必死の形相で肩に縋りついてくるロベルトから、アカリは今度はそっぽを向く。桜の花びらが幾つも乗った膝には、ロベルトの体温がまだ残っている。
「せんぱいの、ばか……」
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シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
1000人
参加キャラクター数
110人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年05月13日
参加申し込みの期限
2017年05月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年05月20日 11時00分
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