this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
【お花見】桜の下で待ち合わせ
<< もどる
1
…
42
43
44
45
46
…
63
つぎへ >>
「お父さん、お父さん今の見てた?!」
弟が取り損ねた射的の景品を一発で仕留め、
水上 桜
はことさらにはしゃいだ声を上げて見せた。悔しい顔をする弟に景品のお菓子を手渡し、大きな桜の木の下で催されている宴会に目を奪われがちな父親を手招きする。
「お母さんも、見ててくれた?」
はいはいと笑う母親に手を振り、桜は顔中で笑う。
本当は、寂しかった。だって一家揃って桜を見る機会はきっとしばらく訪れない。心中のしんみりした気持ちが表に出ないようにすればするほど、桜の声は明るくなる。
「たこ焼きと、いちご飴と、……クレープもいいよね」
狙っていた射的の景品を姉から貰って機嫌を回復した弟に笑いかけつつ、桜は花見客に賑わう参道を弾んだ足取りで歩く。あとで社務所でお守りも買おう。
(家内安全? 交通安全? どれがいいかな)
少し遅れて並んで歩いてくる父と母を振り返る。暮れ始めた空の下、桜の参道を歩くふたりも、隣を歩く弟も、もうすぐ米国に渡ってしまう。父の仕事の都合とあらば仕方がないとは思う。栄転となればそれはなおさら。
(でも、)
茜色に染まりつつある薄紅を見仰ぐ。観覧車の上から見た桜も綺麗だったけれど、こうして地面から見上げる桜花も、やっぱり綺麗だ。
(でも……)
花の下を歩く家族をもう一度振り返ってしまえば、寂しさが溢れ出してしまう気がした。わざと弾んだ足取りで歩きながら、桜は明るい声を出す。
「今度の夏休み、ニューヨークに遊びに行くね!」
言った途端、英語できるのか、と父親に突っ込まれた。
「っ、……なんとかするわ!」
ぷっと膨れて、すぐに笑う。大丈夫、寂しくても会いに行けばいい。夏休みに入る頃には、きっと高校生活にも慣れている。英語だって、今より少しは出来るようになっている、はず。
「あっ、すみません、写真撮ってもらえますかっ」
脇を通りがかった長い黒髪のモデル体型なお姉さんを呼び止め、鞄から出した携帯電話を差し出す。
撮った写真を宝物にしよう。現像して、これから入る寮の机の上に飾ろう。
「いいわよ」
青空色した瞳を人懐っこく笑ませる綺麗なお姉さんに頭を下げて、桜は家族揃って花の下に並んだ。
「はーい、笑ってねー」
ぱしゃり、と電子音を何度か響かせて写真を撮り、
真境名 アリサ
は桜の下から駆け寄って来た中学生ほどの少女に携帯電話を返した。嬉しそうにお礼を言って家族の元に駆け戻る少女とその家族にひらひらと手を振り、再び桜の中をそぞろ歩き始める。
これといって目的があるわけではなかった。
木天蓼市にある水着ガールズバーで深夜まで働き、起きたのが昼前。昨日の夜中、帰路を辿りながら見上げた満開の桜を明るい時間にも見たくなって、ふらりと外に出た。幸いなことに、この土日はシフトが入っていない。一面の桜模様の寝子島を前に、一人でアパートに籠っているのはもったいなかった。
(少なくとも、ね)
こういう日は気ままにおひとり様を楽しみつつのんびりとお花見をするのも悪くない。風の吹くまま舞い散る花びらに誘われるまま、春物の服の裾を軽やかに跳ねさせ歩いて、迷い込んだは寝子島神社の桜まつり。
「んー……」
昼寝から醒めた猫のようにしなやかに伸びをしつつ、アリサは参道を挟む屋台を見回す。定番の屋台から目新しいものまで、いろんな屋台が出ていて目移りするけれど、
(調子に乗って食べすぎたりするのは禁物よね)
状況に流されるままに勤め始めた水着ガールズバーではあるけれど、以前勤めていたブラックな会社よりは人間関係も給与待遇も抜群に良い。とはいえ、業務が業務なだけあって、プロポーション維持には本当に気を遣った。その上、先日には副店長昇進の話を受けている。
給料は上がったけれど、昇給の分だけ背負い込む責任が目に見えて増えた。覚えなくてはならないことも多い。キャストとして客の相手をするだけでなく、他のことに対しても気を使わなければいけなくもなってしまった。
(あー、しんどーい!)
心の中で喚きながら、誘惑に満ちた屋台を見回す。うさばらしに呑んでしまいたかった。お腹いっぱい屋台の食べ物を食べてしまいたかった。
(でも、あのブラック会社に居た頃よりはずっといいわよね!)
副店長昇進のお祝いに少しくらいはいいかな、と生ビールと串焼きの店へふらふらと近寄りかけて、ぐっと堪える。ぎりぎりで我慢する。
(あー、食べたーい……)
桜の花びらを浴びながらふらふらと歩むうち、ふと足が止まった。視線の先には、異国風の天幕がある。同じく異国風な雰囲気を纏った蜂蜜色した髪の少年が店番をするその店は、アクセサリー兼占い屋のようだった。
「こんばんは、お姉さん。占いは如何?」
手慣れた様子で客引きをする少年に声をかけられるまま、アリサは白い天幕の入口を潜った。ランプの灯りが温かく揺れる狭い天幕の中には、少年と同じ顔した神秘的な少女がひとり。
クラーラと名乗った少女は、タロットを使って占うらしかった。指示に従ってカードを混ぜ、少女の白い手に託す。
「『運命の輪』の正位置……キーワードは『チャンス到来』、『大きな変化』……」
不思議なかたちに伏せて並べたカードを何かの法則によって開き、少女は静謐な声音で告げる。
「これまでの生活が大きく変わる……なにか問題があるとしたら、きっといい方向にいくわ……でも、チャンスは一度きりだから、逃さないように気をつけてね……?」
左右色の違う透徹した瞳に見つめられ、アリサは素直に頷いた。
異世界から来たような雰囲気の少女は、まるでアリサよりも年上の女のように慈愛深く微笑む。
「少しでもお姉さんのお役に立てたらいいのだけれど……上手くいくように、わたしもお祈りしているわ」
夢から醒めるように天幕の外へ出たところで、少女と同じ顔した少年からお代を請求された。ついでに運気上昇的なアクセサリーを如才なく勧められ、アリサはくすりと笑う。
「こういうのってなんとなくご利益ありそうなのよね」
「信じるも信じないもお姉さんの自由だよ」
小さく肩をすくめる少年は、少女と同じ顔をしながらも随分と世慣れた様子に見えた。
商売上手な少年クレメルから小さな桜をあしらったピンと華奢なつくりのブレスレットを買い、アリサは上機嫌で占い屋を離れる。春になって陽が延びたとは言え、気づけば外はもう暗い。
藍色の空を照らす祭の光と夜桜を仰ぎ、いい気分のままにカップ入りの地ビールを買う。屋台の傍でひとり呑んでいれば、酔った花見客に軽いナンパを受けた。
「ごめーん、今日は一人がいいのよね」
適当に交わしつつ、酒を傾ける。
(ま、でも)
好みのお相手から声が掛かれば祭の喧噪と酔いの解放感のせいにして、そのままシーサイドタウンのラブホテル街に行ってみてもいいかもしれない。
(後腐れのない一夜の関係、ってね)
妖艶な笑みを唇の端ににじませる女は今はひとり、夜桜を楽しむ。
<< もどる
1
…
42
43
44
45
46
…
63
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
【お花見】桜の下で待ち合わせ
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
1000人
参加キャラクター数
110人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年05月13日
参加申し込みの期限
2017年05月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年05月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!