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【お花見】桜の下で待ち合わせ
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レイリーが選んだのは、以前迷い込んだ際にも訪れた九夜山の頂上展望台。
「人がいない分落ち着くだろ」
「レイ、……レイ?」
「何だ」
荷物か何かのように腰を肩に抱き上げられたまま、アルレッテは息ひとつ切らさず山道を登るレイリーに何度目かの呼びかけをする。
「そろそろ下してくれないか」
「うるせえ」
アルレッテからの十何度目の懇願を言下に断り、レイリーは月影躍るばかりの頂上展望台に登り詰めて、やっとアルレッテの靴を地面に下した。
冷たい人工の石で出来た床の上は、月光に照らされる山中から吹き寄せられた桜の花びらで白く染め上げられていた。
積もった花が月光に照らされ白く冷たく光さえ帯びる様は、アルレッテにあの日失われた月の神の神殿の冷たい床を思い出させた。
靴を脱ぎ、素足で花びらの上に立つ。冷たく、けれど柔らかな、神殿の床とはまるで違う花びらの感触に思わず睫毛を伏せる。ここは、あの場所ではない。
それでも膝を折る。アルレッテには聖壇じみて思える展望台の上に跪き、空に輝く白銀の月を仰ぎ、喪われた神殿でしていたように祈りを捧げる。
月の神の声は、返っては来なかった。
ここはあの場所ではないと思い知らされながら、それでもなお、祈り続ける。
吹き寄せる風に桜の花びらが舞い上がる。アルレッテの白糸の髪が桜をまとわりつかせながら風に躍る。
(神秘的……つーのは、こういうのを言うんだろうな)
無骨な衛士は花の上で月光に照らされる神官の姿に知らず溜息を零す。
神官を押し包んで隠し、攫ってしまおうとするかのように花が舞う。
「っ、……アル」
レイリーは思わず花の舞台に踏み込む。花に消えそうな神官の腕を咄嗟に掴み、掴んでから、祈りを邪魔する己の行動に目を剥いた。慌てて掴んだ腕を離そうとして、アルレッテの手に手を包まれた。見れば、神官は先ほどの動揺などなかったかのような穏やかな顔をしている。
「レイ、もし君が私の側にいてくれるのがあの時の贖罪なら、……もう、いいんだよ」
諭すような言葉に、レイリーは痛みを覚えたように顔をしかめた。アルレッテの唇から放たれた、贖罪という言葉を口の中で反芻する。
「いいんだ」
アルレッテは静かに繰り返す。
月の神への信仰心はなくならないけれど、あの世界ではないここでは神の声は酷く遠い。己はもう、彼に守られるべき神官殿ではいられない。いてはいけない。
(レイの手を、)
星幽塔に来て以来の十年、頼り続けたこの手を、甘えっぱなしだったこの手を、そろそろ離してあげなくてはいけない。
それがどれだけ困難であろうとも。
祈るようなアルレッテの言葉を黙して聞いて後、レイリーは息を吐いた。首を横に振る。己の手を掴むアルレッテの手を掴み返す。
「……これはそんなもんじゃねえ」
絞り出すように、応じる。
(抱え込みたいのは俺の方だ)
アルレッテが大事だった。だからこそまた失うかもしれないと思うと恐ろしかった。もう二度となくさないよう、繋いだ手がいつまでも離せない。
(そんなことこの神官様は思ってもいねえんだろうけど)
心を占める思いを伝える代わり、レイリーは豪快に笑って見せる。
「お前は、俺がいないと困るんじゃないのか」
「そりゃあ……君がいないと私はお茶も飲めないけど」
反射的に頷いてから、アルレッテは眉をひそめる。
「本当にいいのかい?」
「心配過ぎて今更そばを離れるなんてできっかよ」
真剣な顔で言われてしまえば、アルレッテは笑うしかない。
「ふふ、君も物好きだね」
「うるせえ」
琥珀金の瞳を剣呑につりあげるレイリーの手を離し、アルレッテは空に輝く月に手を伸ばす。届かないけれど、光を感じることはできる。
「嗚呼、勿体ないことをした」
ことさらに明るく言い放ち、月の神の元神官は素足で桜の花びらを踏みしめる。
「こんなにも月も花も綺麗だから、お酒とお団子を持ってくれば良かった」
「そんなら明日また来ればいい」
こともなげに言い、レイリーは星幽塔で十年を共にした男に屈託なく笑いかけた。
「団子は作ってやるから、とっておきの酒を引っ張り出してこいよ」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
1000人
参加キャラクター数
110人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年05月13日
参加申し込みの期限
2017年05月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年05月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
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