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【お花見】桜の下で待ち合わせ
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参道の奥から聞こえる楽し気な笑い声に、
千堂 結
は鮮やかな黄色した瞳を瞬かせた。春風に乱される栗色の髪を片手で抑え、隣を見る。歩幅を合わせて隣を歩いてくれている
鵙海 甫
の横顔を見、繋いだ手を見る。
「……えへへ」
知らず零れてしまった笑みに慌てて口元を押さえる。どうかした、と覗き込まれ、結はそろりと首を横に振った。それだけではいけない気がして、目を上げる。真っ直ぐに甫を見る。
「甫くんと一緒に来られたの、凄く嬉しいの」
繋いだ手が嬉しかった。だって、もう『友達』ではない。
(ええと……)
恋人、の言葉を心の中で思っただけで、頬に熱が昇った。
(わー! 恥ずかしいからあんまり意識しないようにしよう……!)
俯く結の隣で、結から真っ直ぐな眼差しと言葉を受けた甫も似たように顔を紅くして俯いている。
そもそも、良い天気で桜も満開で、何より結と一緒なだけでも最高だというのに、
(お、思い出しちまった)
結の照れたような笑顔を見た途端、修了式に交わした初めてのキスを意識してしまった。そうなってはもういけない。まともに顔も見られない。
照れ隠しに、甫はせめて周りを見回す。
「おー、屋台がズラっと出てるじゃん、美味そう」
「わ、屋台いっぱいある……ほんと、おいしそう」
多少のわざとらしさは互いに気づかない振りをして、初々しい恋人たちは桜の下を歩く。
「桜も、綺麗!」
「だな」
吹き寄せる風と一緒に流れて来ては頬や手を優しく撫でる薄紅の花びらに、結は瞳を細める。散って地面に落ちてしまう花は儚くて少し寂しいけれど、
「……綺麗……」
小さな声で囁く結を、甫は盗み見る。桜よりも、結の横顔ばかりが目に入った。できるならずっと見ていたかった。
「よし、買おうぜ! 色々食べたいから一つずつな!」
その気持ちを押し込め、甫はことさら弾んだ声をあげる。
たこ焼きにりんご飴、フライドポテトにから揚げ。甫の宣言通りひとつずついろんなものを屋台で買い込んで、ふたりは桜の下のベンチに腰をおろす。
「色々買ったね」
「チュロスとかもあったぜ」
ドネルケバブに肉巻きおにぎり。変わり種も積極的に選んだ甫は悪戯っぽく笑う。
「半分こな」
手にしたチュロスを差し出され、咄嗟に手で受け取ろうとした途端、結は甫に難しい顔をされた。困った顔する結がその手に持ったままのりんご飴に、甫は直接口をつける。がりりと齧り取り、
「食べさせっこ」
こうするんだと言いつつ笑みかけられ、結は白い頬をまた朱に染めた。
(わ、わああ……!)
それはものすごく照れる。照れるけれど、
「だめか?」
そう言われて残念そうな顔をされてしまえば、結はいいよと頷くしかなくなる。
「照れくさい、けど……」
へへ、と照れ笑いを間断なく漏らしてしまいながら、結はから揚げをひとつ爪楊枝に刺して甫に差し出した。
「えっと、……口開けて、」
言ってから首をひねる。そうじゃない気がする。
「……あーん、かな?」
言われるまま口を開く甫にから揚げを食べさせてから、結はまた猛烈に照れた。あわあわと照れながら、甫が代わりに差し出すチュロスにかじりつく。
砂糖まみれの甘い揚げ菓子をもぐもぐしながら、結はとんでもなく熱をもった頬を空へと向けた。
青空の光を透かせて、光の塊のように桜がきらきらさざめいている。
(桜……本当に綺麗)
改めて、思う。
「私、やっぱりこの季節が一番好き」
桜の花びらがひらり、寝子島神社の駐輪所に停めた自転車に降りかかる。
宮祀青果店配達用の無骨な自転車を停め、
宮祀 智瑜
は駐輪所の上に枝を差しかける桜を仰いだ。
黒い瞳の端に舞う桜の花びらへと手を伸ばし、ふわりと微笑んだ途端、
「わっ、」
智瑜は小さな声を上げた。花見客にごった返す寝子島神社の石段の登り口、目立つスーツ姿の長身。見間違えるはずのない凛と伸びた背中を追いかけて、智瑜は迷うことなく駆けだす。
「先生! 義弘先生っ!」
(これは運命!?)
うっかり浮かんだ言葉に頬を紅くしながら、好意を寄せる
桐島 義弘
先生を呼び止める。大きな声に、先生の周りにも居た人々がなにごとかと振り返った。人々の視線を浴びてますます顔を赤らめつつ、智瑜は足を止める先生のスーツの袖を小さくつまむ。
「宮祀か。どうした」
「先生こそ」
「私は見回りだ」
眼鏡越しの黒い瞳を鋭く細め、先生は一片の笑みも浮かべずに言う。生真面目なこの先生は、お祭りを楽しむこともなく高校教諭の仕事として桜まつりの見回りに出ているのだという。
「先生、一緒に見回りしても良いですか?」
自身を慕う生徒から可愛くお願いされ、桐島先生は戸惑ったように瞬いた。
「私と一緒では祭を楽しめなくはないか」
「先生とがいいんですっ」
行きましょう、と智瑜は半ば強引に並んで歩き始める。
「人いっぱいで逸れちゃいそうですね」
繋ごうとした手をさりげなくそっと解かれても、今度はがっしり腕を組む。これはこれで照れるけれど、見上げてみれば、先生は困った顔のまま、今度は振り解かずにいてくれた。それだけでとても嬉しくて、智瑜は桜色の頬で笑う。
「あら、智瑜さん」
声を掛けられ、見れば着物姿の黒髪の少女が、同じく着物姿の男の手を引いて立っていた。男の肩には黒髪おかっぱの幼女が、幼女の頭には黒い子猫が乗っている。
「夕さん。日暮さん、こんちゃんにたまも!」
暇があればシーサイドタウンの家にお邪魔する友人の姿を見つけ、智瑜は明るく挨拶をする。
「あら、……あら」
智瑜の恋愛事情を知る夕は、義弘を見、智瑜をもう一度見、片手で口を押えてどこか楽し気に笑った。かと思えば、ぺこり、義弘に向けて大人びた仕草でお辞儀をする。
「智瑜さんを、どうぞよろしゅう」
白い顔を上げてにこりと笑い、義弘にも智瑜にも何を言わせることもなく、夕は連れの手を引きあっと言う間に人込みに姿を紛らわせた。
「大人びた子だ。友人かい?」
「あっ、……はい! お友達です」
ふうわりと頬を染めたまま、智瑜は参道にある天幕へと眼をやる。表で桜モチーフのアクセサリーを売るその店は、天幕の中で占いもしているらしい。
「占い、ちょっとだけ見て来ていいですか?」
すぐ戻ります、と念押しして天幕を潜り、出てきた智瑜の頬は真っ赤だった。
「どうかしたか」
「っ、……いえっ、先生! 私がんばります!」
先生との相性を占ってもらった智瑜は、恋愛運上昇効果のあるらしい桜の髪留めをひとつ、出口で控えていた少年に巧みに売りつけられるままに買ってしまった。
(ひゃあ、……ひゃあ!)
悪くない結果を示しながら、占い師の少女はがんばってねと微笑んでくれた。桜の髪留めを大事にしまい込みながら、智瑜は堪えきれない笑みを隠して俯く。
「宮祀」
心配してくれたのか、先生は手近な屋台で餡団子を二串買ってくれた。
「とりあえず座れ」
先生として心配しているだけだと分かっていて、智瑜はもうたまらなく嬉しくなる。大好きな先生と並んで桜を見ながら食べるお団子は、今まで食べたお団子の中で一番美味しかった。
「幸せ」
「大げさな」
苦笑いする先生がひょいとハンカチを持った手を伸ばす。子どものように頬につけた餡子を何気なく拭われ、智瑜は目を瞠った。みるみる赤くなる智瑜に淡く微笑み、先生は食べ終わった串をきちんと屋台の脇のゴミ箱に捨てる。
礼儀正しい広い背中を見つめながら、智瑜はふと思い出した。
(お参りしよう)
そうして、義弘先生のクラスになれますようにとお願いしよう。
「先生!」
「なんだ」
人込みの中に紛れそうな先生の腕を捕まえる。頭を過るのは、先ほどの占い師の少女の言葉。
――がんばってくださいね
(がんばります!)
「大観覧車に乗りましょう! フェアで半額ですよ! えっと、……そう、社会勉強です!」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
1000人
参加キャラクター数
110人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年05月13日
参加申し込みの期限
2017年05月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年05月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
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