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【お花見】桜の下で待ち合わせ
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「……うお……」
ひらめくスカートに桜の花びらをまとわりつかせ、颯爽と歩いて全メニュー制覇して行く華奢な少女の後ろ姿を見送り、
新田 亮
は思わず感嘆の声を漏らした。
すごいねえ、と声を掛けられ、思わず頷いて立ち止まってみれば、そこには大食い女神様の恩寵を受けられなかったくじ引き屋の主人が春の陽ざしをつるつるの禿頭に煌かせている。
「あ、どうも」
小さな会釈を返し、足を止めたついでにくじ引き屋の前に立つ。
志を同じくする仲間と花見をする予定で寝子島神社の桜まつりに訪れたものの、待ち合わせ時間までにはまだ早い。甘酒入りの酒瓶やおちょこ、桜餅やトランプ、宴会道具の入ったカバンを背に時間つぶしがてら歩き回っていたけれど、
「たまにはギャンブルに興じてみるかな」
ふと思いついて、くじ引き屋の主人に一回分のお金を手渡す。大きい箱に入れられた三角くじを一枚引いて開いてみれば、書かれた文字は『特別賞』。すわ大当たりかとどきどきしながら主人にくじの紙を渡す。
カランカランと大当たりの鐘を鳴らされ、思わずガッツポーズをするも、
「歓迎するぜ兄弟」
禿頭の主人が満面の笑みで押し付けてきたのは、頭に被せる肌色したペラッペラのゴム製ハゲカツラだった。
「……どうも」
受け取らないわけにもいかず、大人しくハゲカツラを引き取る。『特別賞』を引き当てたというのに、
(何だろうな。この敗北感)
うちひしがれてしまえば、なんだか向こうの桜の下で参道商店街有志連が行う筵を敷いての大宴会会場から上がる笑い声も、参道を行く他の客の視線も、自分に向けられているような気がした。くるりと踵を返し、逃げるようにその場を立ち去る。
「こんなの貰っても……」
片手に握りしめたハゲカツラを恨めし気に見つめて、
「そうだ、良い事考えた」
ニヤリ、呟いた。
ひとり悪い顔でほくそ笑む亮の脇、ふっかふかの真っ白な小さなぬいぐるみとてを繋ぎ、黒髪の小学生が通り過ぎる。
「あっ、亮お兄さんもお花見?」
振り向きざま向けられた顔見知りの少年の無邪気な笑顔に、亮はぎくりと目を瞬かせた。
「あ、ああ、仲間とな」
「わあ、いいねぇ、楽しそうだねぇ」
友達との待ち合わせ場所に向かう亮にラピちゃんと一緒に手を振って、
曖浜 瑠樹
は周りを見回す。
「何から楽しもうかねぇ……」
うさぎのぬいぐるみのラピちゃんを両手で抱き直し、瑠樹はスキップまじりに参道を歩く。小学三年生にしてみれば、神社の桜まつりはそれはもう文字通りのお祭り。ひとりで行っていいよと両親に言われれば、わくわくどきどき、昨日の晩は楽しみで夜遅くまであんまり眠れなかった。
(やってきたよぉ……)
栗色の瞳に頭上で満開の桜を映し、人出と屋台でいつもより何倍も賑やかな参道を映し、その度に瑠樹はラピちゃんを抱きしめて嬉しい笑みをこぼす。
(寝子島神社の桜まつりー!)
呼び込みも賑やかなお祭りの屋台も、屋台を覗くお客さんたちも、一際大きな桜の下に大きな筵を広げて昼間から宴会をしている大人たちも、みんなみんな楽しそうで、瑠樹も一緒にとても楽しい気持ちになる。
好奇心のままにきょろきょろとあちこち見ていて、
「あれぇ、」
瑠樹は嬉しい声をあげた。お祭りで出会えるなんて、もしかしたらとは思っていたけれど、やっぱりとっても嬉しかった。
「サンマさんだー!」
歓声を上げながら駆け寄り、寝子島観光大使のつやつやした細い腰に抱き着く。ゆるキャラとは言え、サンマさんはワイルドで格好いいのだ。
「サンマさん、こんにちはぁ!」
「おう」
サンマのお腹のあたりから飛び出した細い手を動かし、上しか見えないサンマさんはそれでも瑠樹の頭を探り当てて撫でてくれた。くすくす笑いながら、瑠樹はサンマさんに抱き着く。『商店街有志連 大宴会場 どなたさまもご自由に』と書かれた立て看板の隣に仁王立ちしたサンマさんは、たぶんとても真摯な目で、
「……七輪?」
熊みたいな容貌したどこかの居酒屋のおじさんが団扇で仰いでいる古びた七輪の火を見つめている。
「『やきとり ハナ』の七輪だ。悪かねぇが」
観光大使な面目躍如とばかり、サンマさんは瑠樹に説明してくれる。
「七輪で焼くのは焼き鳥かねぇ……」
「そうだな、鳥だな」
重々しく頷こうとしているらしいサンマさんの首の動きを見、瑠樹は首をひねる。
(サンマさんは焼かれたい派なのかねぇ)
それとも、焼かれないサンマさんでありたい派なのだろうか。
小学三年生男子は大真面目に考える。
(確か、焦げてたサンマさんグッズもあった気がするけど……)
ほどよく焼かれるというのはサンマさんでも難しかったりするのだろうか。いつだったか、お父さんは秋刀魚のお刺身を美味しい美味しいと食べていたけれど。
「今回のお祭り、サンマさんのお勧めは何かなぁ?」
「お勧めか、……お、ちょい待てボウズ!」
考えかけたサンマさんは、七輪の中でばちんと爆ぜた炭の音になんだか真剣な声を上げた。
サンマさんと一緒にお祭りを回りたい小学生男子は、素直にサンマさんの指示に従う。もし一緒に回るのが無理でも、勧められた物は買ってみたかった。
「うん、オレ待つよサンマさん!」
「お姉ちゃん!」
境内を賑やかに彩る桜と屋台を背景に、パーカーにゲームキャラロゴ入りTシャツ姿の妹が元気いっぱい手を振っている。
「今行くわ」
境内に至る石段の最後の一段を登り切り、
仙藤 紫
は小さく一息吐いた。少し先に立っていた妹、
仙藤 蒼
が黒髪を春風になびかせ駆け寄ってくる。
「お花見日和のいい天気。こういう日はデートにもってこいだよね」
屈託なく腕に抱き着かれ無邪気に笑いかけられ、紫は曖昧な笑みを返した。彼氏とかはいないの、と言いかけた口をつぐむ。四歳年下、この春に中学三年生になる妹が言うには、『今日はお姉ちゃんとデートする日』。
(まあ、大学に入ったら当面は色々と忙しくなるし)
そうなってしまえば、あまり妹ことをかまっていられなくなる。大人しいと評されがちな姉と、天真爛漫な妹、好対照というか正反対な姉妹とはいえ、仲は悪くない。こうして一緒に出歩けることはこの先しばらくなくなるかもしれないと思えば、桜まつりの機会に遊んでおくのも悪くない。
(でも)
もっとも、妹は妹でどちらかといえば割合好き勝手に生きるタイプ。姉にかまわれなくともさほど心配はいらないのかもしれない。
「こっちこっち、本当に桜が綺麗だよ!」
「蒼、そんなに慌てなくても桜の花は逃げないわ」
スキップするように参道を辿りながら、妹は今もひとりで歩いていく。かと思えばいつの間にか買った花見団子と缶入りお茶を手に戻って来て姉の手に一セット押し付ける。
「お団子もおいしー!」
「花より団子?」
「いいじゃない、花も食べ物もどっちも楽しみたいし」
花見も団子も同時進行で楽しむ妹のそれをたくましさと言っていいのか、貪欲さと言っていいのか、紫は迷う。どちらにせよ妹のそれは、日々を淡々と過ごす自分が持たぬもの。そうであるがゆえに、紫は妹を可愛く思う。
(実際に見た目はかわいいし)
それなのに、妹が着ているのはいわゆる女子力とは縁遠い服装。もう少し気を遣えばもっと可愛くなるのに、
(ラフなスタイルが好みだから仕方ないわよね)
妹の意思を尊重する姉はそこには口出しをしない。
(お姉ちゃんは女子力高めな優等生よね)
齢よりも大人びて見える姉の横顔を盗み見ながら、女子力低めで劣等生ではないが優等生でもない妹はくすりと笑う。ゲームキャラのロゴ入りTシャツなんて着ない。シンプルなのに清楚でお洒落な服やアクセサリーを上手に選ぶ。
(これがまた似合うんだ)
羨むでもなく、蒼は逆に胸を張る。大人でお洒落な、タイプの違う友人同士に見えるかもしれない隣の美人は、自分の姉なのだ。
そんなことを思いながら姉妹並んで桜の参道を歩いていて、
「あ、サンマさん」
蒼はパッと顔を輝かせた。好奇心旺盛な小猫のようにサンマさんのもとへと駆け寄り、七輪を凝視するサンマさんの足元にしゃがみこむ。サンマさんの胴にしがみついていた黒髪の少年に人懐っこく笑いかけてから、蒼は真剣な顔つきでサンマさんを見つめた。サンマさんとにらみ合ったかと思うと、今度は七輪を見つめる。
サンマさんと美少女と男子小学生に凝視され、七輪の前に座って炭を熾していた焼き鳥屋の店員が困った顔をする。とうとう熊じみた顔を大きな両手で覆ってしまった店員を見かね、紫はとりあえず蒼に声を掛けた。
「やめなさい、蒼」
姉に軽くたしなめられ、真剣な顔つきでサンマさんと七輪を交互に見つめていた蒼は黒い眼をぱちぱちと瞬かせた。子猫のような行動を止め、サンマさんと男の子に手を振って立ち上がる。
「お姉ちゃん、お守り買お! おみくじもしようよ!」
まさに天真爛漫、自由な行動を取る妹に笑みをもらし、姉はサンマさんたちに大人びた会釈をして妹の後を追った。
「わあ、大吉ー!」
早速おみくじを引いて大騒ぎをする女子中学生を眺め、瑠樹はサンマさんに屈託のない笑みを向ける。
「ボウズもおみくじ引くか? 猫守りつきのおみくじがあるぜ」
「サンマさんもお勧め?」
「もちろん、おススメするぜ」
七輪の鑑定を完了したサンマさんが瑠樹の手を引いた。己が焼かれるほどではないが蹴り割るほどでもない七輪であると判断し、その場を離れる。
「お仕事大丈夫? サンマさんと会いたいって人も他にもいるよね」
サンマさんと手を繋げる嬉しさに顔中で笑いながらも、瑠樹はちょっぴり心配になる。しばらく一緒にお散歩したら、きちんと手を振ってお別れしよう。
(それじゃ、またなぁー! って)
元気にお別れする決意を胸にサンマさんと歩き始める瑠樹に代わり、参道商店街有志連の大宴会場に立つは
アリス・ミーティア
。
缶ビールが大量に入ったビニール袋の持ち手を連れの女性と片方ずつ持ち、アリスは参加自由な桜の下の宴会場の一角に陣取る。
「おっもーい!」
「ここでいいよね?」
「うん、きっとここがいちばん良さそうよ」
狐色した髪をポニーテールにした
フォルカ・ヴィクスン
に問われ、アリスは水色の長い髪を揺らして大きく頷いた。星幽塔から寝子島に来たときに見た『寝子島神社桜まつり』のポスターの写真と、この景色は合致する。頭上でいっぱいに咲く桜から見ても、ここが目的の桜まつり会場であることに間違いない。
「あっ、でもその前にお参りしなくちゃね」
ビール入りの袋を一旦筵の上に置いて場所を確保し、アリスとフォルカは参道の先の拝殿に向かった。
「神殿?」
「みたいなものかな」
首をひねるフォルカの分もお賽銭を入れ、周りの参拝客の動作に倣ってちょっと慣れない柏手を打つ。
(楽しいことがありますように)
水色の眼を伏せ、この土地に祀られた神様に挨拶をする。
それが済めばお待ちかね、桜を見ながらの女子会。
筵に陣取る女子ふたりを歓迎して、参道商店街有志連中から焼き鳥や袋入りのお菓子が貢がれた。礼を言いつつ、アリスは缶ビールを開ける。プルタブに苦戦するフォルカに開封した方の缶を手渡し、交換した缶の封をもう一度開け、
「かんぱーい!」
「かんぱーいっ」
星幽塔から寝子島へ花見に来た女子ふたりは元気よく乾杯する。星幽塔のビールとは味が違うような気もするけれど、こちらのビールの方がよく冷えている。
「うわー、おいしー!」
「焼き鳥も美味しいじゃん!」
ふたり揃って楽しい歓声を上げて顔を見合わせてから、ふたり揃ってちょっとしょんぼりする。
「ステラも来られれば良かったね」
「残念だったね」
アリスから寝子島での女子会を提案されて、けれど
ステラ・ラ・トルレ
は行きたいけど行けないの、と眼から金平糖の涙をぽろぽろ零して、けれどすぐに気を取り直した。
――お土産欲しいのー!
泣いたかと思えば笑う星幽塔の精霊の元気なおねだりを思い出し、ふたりはくすくすと笑い合う。
「お土産、何がいいかな?」
「こっちの缶ビールとか?」
一缶開けるごと、ふたりは陽気になってゆく。
「フォルカもステラも魅力的なんだから恋バナの一つや二つぐらいあるわよね?」
「そういうアリスはー?」
ほろ酔いでくすくす笑うフォルカに紅い瞳で覗き込まれ、アリスは水色の髪をふわふわと揺らして首を横に振る。
「私? 私は特定の好きな人はいないわ」
「ほんとー?」
「ほんとほんと!」
酔っ払い女子ふたりはそんな話をするだけでも楽しくて、また何度目かの乾杯をする。
「桜の木の下には真鯛が埋まってるって噂だよ」
「それじゃ掘ってみないとね!」
「あれ? 屋台だっけ? 寝子島って不思議だね」
「あはは、不思議だね!」
気づくと空っぽになっている缶ビールの缶を片手、アリスは桜の花にほとんどを埋められた空を仰ぐ。ビールを補充したら、今度は神社から続く道を登って九夜山に行ってみよう。山頂にある三夜湖で夜桜見物しながら乾杯しよう。
(また飲むよー!)
えいえいおー、とハイテンションなアリスにつられ、訳もわからないながらフォルカも一緒になって掛け声をあげた。
「えいえいおー!」
「あははは!」
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シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
1000人
参加キャラクター数
110人
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シナリオガイド公開日
2017年05月13日
参加申し込みの期限
2017年05月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年05月20日 11時00分
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