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ねこ温泉郷の三日間
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画面の中、煌々と照っていた電気がふつりと消える。
「キャッ」
うっかり小さな悲鳴を零した美咲紀が慌てて口を押え、周囲を見回す。
「こ、怖くなんて、ないわ、こわくなんてないわ」
真っ白な顔を強張らせ、それでも平静に見える顔つきで、クレオが呪文のように呟いている。
「うぅ……今にもなんか出てきそうですよぉ……」
クレオの腕にしがみつき、因が震えた声を出している。
「だ、大丈夫よ」
「ホントに大丈夫なんですかぁ……?」
大きな桃色の瞳に涙さえ溜めた因と抱き合うクレオの傍では、琥珀の目をまん丸くしたメリィと空色の瞳をまん丸くしたリリエルが画面を凝視している。
「なんだか怖いですね……」
「うん、怖い……」
かと思えば、円はわくわくとした目で映画を鑑賞しながらポテトやクッキーを美味しそうにつまんでいる。怯える智瑜の膝にちょこんと座ったこんもとても楽しそうだ。
「……声出してもいいですにゃ?」
隣の修にそっと尋ねつつ、美咲紀は画面から視線を外す。迷惑になりそうなら我慢しなくてはと思うものの、一緒に驚いたり怖がったりして見るのはそれはそれで楽しいもの。
「シュー君?」
そっと見上げた修は、怖がりもせず驚きもせず、ほとんど真顔で画面を見つめていた。
「怖くないです?」
問うた瞬間、画面いっぱいに血塗れの白装束の女が現れた。
「ぎゃぁあああーー! いやぁぁあああーーー!」
「にゃー!」
クレオの絶叫につられて智瑜が悲鳴を上げ、瞑った目を両手で覆う。
「来た来た来たっ!」
「きゃー!」
円とこんがアイドルを見たかのような歓声を上げ、
「はわわわ」
美咲紀が隣の修の胴に咄嗟にギュッと縋りつく。修は瞬きひとつ、縋りついてきた美咲紀の背中を、大丈夫だと言いたげに軽くぽんぽんと叩いた。
「こ、怖くないです? シュー君?」
「怖いというより驚く映画だな」
「驚いてないのです」
恐怖のあまり詰る調子になる美咲紀に、修は首を横に振る。
「いや、これでも十分に驚いているんだよ」
テレビ画面に映し出されたブラウン管テレビが、誰も触らないうちに明滅する。砂嵐が流れたかと思えば、その音に混ざって聞こえ始める女のうめき声。
「はわはわ」
「作品に没入するせいかもしれないな」
心底から怯えてしがみついてくる美咲紀の背中をあやすように叩き続けてやりながら、修は穏やかに唇を笑ませてみる。
――恐怖、憤怒、悲哀。本音は顔に出すな
恐怖映画を瞳に映しながらも、修の胸にあるのはいつか父から聞かされた言葉。政治家であり企業人である父は、その後継である修に、そう教育を施した。
幼い頃に叩き込まれた父の教えは、今も強固に心を縛りつけている。
「キャー! こっちにきましたー!?」
「こっ、怖い……こわいこわいっ」
リリエルがメリィと抱き合いながら布団の上に尻をついたまま後退る。
画面では、井戸の中から這い上がってきたニャー子が顔を覆うほつれ汚れた黒髪を揺らして地面を四つん這いで進んでいる。
「おっ、そうそう、ここなんだよねー」
恐怖のあまり泣き疲れて眠ってしまったクレオを右に、素知らぬ顔で画面を眺めるにゃーくんを左に、円は訳知り顔に頷く。
「うー、……ううー……」
怖さのあまり閉ざした瞼を時々開けて現状確認する智瑜の手は、近くに居た因の手をぎゅっと握りしめている。
「そう、ここ」
こんがぽつり、呟いた、その瞬間。
画面いっぱいに貼りついたニャー子がぼそり、と音立てて画面の外へ上半身を落とした。
「……っ?!」
円が腰を浮かせる。膝から落ちたクレオが寝ぼけ眼を擦って身を起こし、テレビ画面から上半身だけ這い出させたニャー子と目が合って絶句する。ついでに気絶する。
同じく膝から落ちたにゃーくんはびっくりしたあまり転がるように廊下へと駆けて行ってしまった。
「ほわわわ?!」
思いがけぬニャー子の来襲に、美咲紀は結い上げた黒髪を振り乱して慌てた。膝の上で居眠りしていたスノウを抱きしめ、総毛立たせる美咲紀の視界の中、ニャー子はしばらくがりがりと畳を爪で掻いて、消えた。
後には映画のエンドクレジットと意外と明るいエンディングテーマが画面に流れるばかり。
「こん」
いきなり現れていきなり消えたニャー子に固まる鑑賞会の面々の中、それがこんの悪戯であると思い至ったのは修だった。
修に名を呼ばれ、人から聞いた話をその場に幻影として現すことのできる座敷童はたまらずくすくすと楽しい笑い声をこぼす。
「うわー、油断してた」
円が気の抜けた声をあげる。
内容を知っていただけに、こんの悪戯は嬉しい誤算だった。内心とても驚いた。
「驚かすのはなしですよ!」
手元にあった枕で壁を作り、何も見ないようにしていた智瑜が涙目で声をあげる。ばくばくと跳ねまわる心臓を抑え込むついで、驚き過ぎたのかほとんど無表情になってしまっている因を胸に抱きしめる。
「きゃー」
智瑜に抱きしめられ、因は思い出したような小さな悲鳴を唇に零した。智瑜にぎゅっと抱きつく。
「えーん、怖かったですぅ……」
恐怖映画が終わった後特有のホッと緩んだような空気を味わいながら、修は不思議と温かいような胸のあたりをひと撫でする。
「こういうのって楽しいな」
「怖かった、怖かったのです」
しがみついたままの美咲紀の背を叩きつつ、伸びをする。ふらりと近づいてきたこんの手を取り、笑いかける。
「楽しかったよ、ありがとう」
上映中はずっと真顔だった修から礼を告げられ、
「うん、ありがとう、こんちゃん」
廊下に逃げていたにゃーくんを抱きかかえて連れ戻してきた円にも頭を撫でられ、こんは嬉しそうに頬を紅く染めた。
「そうだ、こんちゃん」
もう寝ようか、でも寝るにはまだもったいないな、おやつもまだあるしな、と智瑜と一緒になって布団の上でころころ転がって遊ぶこんに、円は自分の荷物から取り出したレンタルDVDを取り出す。
こんと一緒にビデオデッキを触っているときに見つけた、古びたデッキの傍に隠れるようにして置かれている再生専用DVDデッキにセットする。
「ぱらのー……のー?」
「パラノーニャルアクティビティ」
首を捻るこんに題名を教え、円は得意げに笑う。
「知ってる人は面白くないかもだけど、静かな序盤から一気にすべてを持っていく終盤は見ごたえあったよ!」
「みる!」
テレビの前に正座するこんに付き合い、智瑜と因、リリエルとメリィが布団の上に座り直したり目隠し代わりの枕を装備したり二人一緒に布団に潜り込んだり、それぞれに準備を整える。ごそごそとする周囲に、布団の上で意識を失っていたクレオももそもそと起き出した。
「あっそれと、竜巻で飛ぶ鮫さんも持ってきたよ! こっちのほうがおすすめ! どっち見るー?」
「鮫……」
ひええ、と布団に潜り込もうとするクレオを因がとてもいい笑顔で捕まえ、語尾にハートマークをつけんばかりに声を弾ませる。
「一緒に見ましょう」
「……い、いいわよ。付き合ってあげる」
そんなこんなで第二上映会に雪崩れ込もうとする鑑賞会の場から少し離れ、修は荷物から数学の問題集を取り出した。寝る前に少し解いておこう。
明るい食堂にでも行こうかと立ったところで、温かいお茶を淹れに立った美咲紀に見つかった。
「シュー君、ここでも問題集です?」
「好きだからな」
苦笑交じりに言われて、けれど修はサラリと返す。
「美咲紀もやるか?」
嬉々として予備を出そうとする修に激しく首を横に振ってみせながら、美咲紀は小さくむくれた。
(シュー君にとっての精神安定剤なのかしら)
本当は、また一緒に次の映画も見たいのだけれど。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年04月03日
参加申し込みの期限
2017年04月10日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年04月10日 11時00分
参加キャラクター一覧
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