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夢の通い路の先で
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「ぐ……」
褐色の首筋に彫り込まれた刺青が歪んだ。
「やめ、やめろ……」
低く呻くごと、短く刈り込んだ雷雲色の髪が震える。
「やめ……!」
一際高い悲鳴と同時、
グレッグ・グロッグ
はカウンターに突っ伏していた頭を上げた。カウンターの向かいで黙々とグラスを拭いていた髭のマスターが僅かに目を瞠るも、それ以上は何のリアクションも見せずまた元の作業に戻る。
「あ?」
グラスを拭くマスターを見、作り付けの棚を埋めて並ぶ常連客たちの名入りの酒ボトルを見る。誰も座らぬ左右の席を見、壁際に数席設けられただけの今は空のテーブル席を見る。客が自分以外にいないのは、深夜だからか、店が込み入った場所にあるために流行らぬからか。
傍らに置いた空のグラスを横目に、グレッグは太い息を吐いた。グラスに残る氷はほとんど溶けていない。マスターがこちらに声を掛けた様子もない。酒をあおるうちいつしか突っ伏して眠っていたと言えども、時間は然程経っていないようだ。
額にかかる前髪をかきあげ、背もたれに背を押し付ける。
(ヤベェー……)
グラスの脇に置いていた煙管を手に取り、何気なくもてあそびながら肩を落とす。酒場でうっかり夢を見るほど寝入ってしまうとは、
(疲れてんのかねぇ……)
溜息まじりに煙管に煙草を詰めれば、心得たマスターが火を出してくれた。煙を肺に満たす。紫煙を吐き出せば、目は冴えた。
「あー、悪ィ……バタバタ騒いですまんかった……」
頬を掻き、気まずく呟く。素知らぬ顔で静かに首を横に振る馴染みのマスターの額に生えた小さな一本角を見るともなしに眺めながら、グレッグは黒い眼を細める。
「ちーとばかし夢見てよー」
まいったまいった、と零すグレッグの空のグラスに、新しい酒が注がれた。涼やかな金色の酒は、最近再入荷できるようになった蜂蜜酒なのだという。
どんな夢だったのかと問われ、グレッグは褐色の頬を僅かに歪めた。
「笑うなよ? 絶対笑うなよ?」
神妙な顔で念を押され、マスターは負けず劣らずの渋面を作って頷いてみせた。
「まあ、なんつーか……あれだよ……」
それでも言い淀んで後、グレッグはマスターから顔を逸らし声を潜める。
「猫が顔にへばりついて離れなくなる夢を見ちまったんだよ」
長身の背を丸めて頬杖を突いて、グレッグは咥え煙草で不貞腐れ、
「おい、おいコラおっさん……!」
声のひとつももらさず苦笑いするマスターに向けて凄んだ。そうして、すぐに唇の端から煙を吐き出す。
「俺だって見たくて見たわけじゃねぇ」
髭に覆われた唇の端に笑みを残すマスターに拗ねたような顔を見せつつ、グレッグは煙管を一旦置いて蜂蜜酒を含んだ。甘ぇな、とごちる。
猫が顔に張り付く、そんな妙な夢を見た心当たりがないわけではない。
「昔な、猫を助けたことがあんだよ」
鋼のような体躯と鋭い眼光を持つ、二十代後半に見えてその実恐ろしく齢重ねている男の昔語りに、グレッグより年上に見えてずっと年下なマスターは興味深げに頷いた。
「ボンボンの悪ガキが宝箱に猫閉じ込めててよ。たまたま助けちまった」
いぶかし気に首を捻るマスターに、グレッグは破顔する。
「いや別に、本当にたまたまだ」
街はずれの茂みに誂えたような宝箱を見つけ、のこのこと近づいたのが運の尽き。みーみーと聞こえる鳴き声に慌て、うっかりと鍵を壊して蓋を開ければ、出てきたのは猫。
「だったはずなんだがなぁ……」
出てきた猫は命の恩人なグレッグに全幅の信頼を置いた。顔にへばりつき肩に縋りつき、脛にまとわりついた。みーみー鳴く猫をどうするべきかその場で悩んでいるうちに、
――貴様か! 私の屋敷から宝箱を盗み出した泥棒は!
宝箱の持ち主らしき金持ちじみた男に見つかった。男の隣には、おどおどとした態度の少年がひとり。猫が毛を逆立てる様子から見ても、少年が猫を宝箱に閉じ込めて持ち出したのは明らかだった。
「散々だったぜー……」
とは言え、誤解はすぐに解けた。何と言っても宝箱の中には猫の毛、少年のズボンのポケットには宝箱の鍵。誤解に気づいた少年の父はすぐさま少年の頭に拳骨をくれつつ勘違いを詫びてくれた。
「んあ?」
顔にへばりついた猫の感触を思い出し、掌で顔を擦るグレッグに、マスターがぽつりと零す。そうは言ってもグレッグさん。殺されたり死んだりする夢よりはマシでしょうよ。
「あー」
煙管の吸い口に唇をつけ、グレッグは瞳を細める。
「つまらん理由で殺されるのも死ぬのもご免だが、ガチ戦で死ぬのは夢でも現実でも構わんな」
そんなもんですか、と戦経験のないマスターは首を捻る。
「他の奴のことは分かんねぇけどよ」
煙を吸い、吐き出す。酔いにも似た煙の感覚に頬を緩める。
「そういう夢なら、うなされることもなかったろうよ」
それは、本望というもの。
猫はどうなりましたか、とマスターが問う。
「猫好きのお嬢ちゃんに預けてるし、平気だと思うが」
クスリ、堪えきれない笑みが紫煙と共に唇からこぼれて落ちた。
「……お嬢ちゃんの顔にへばりついてねぇといいな」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年03月17日
参加申し込みの期限
2017年03月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年03月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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