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夢の通い路の先で
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血の臭いが、した。
新緑の森を微かに漂う胸を突くその臭いに、
ペルラ・サナーレ
は空色の瞳をぎくりと瞠る。細いうなじを彩る薄紅の髪と、ひとならば貝殻のかたちした耳があるあたりから覗く白翼のかたちした小さな羽耳を揺らし、周囲を見回す。
(この辺りは、確か……)
小柄な見た目よりも更に軽く感じられる足取りで、血の臭いを辿って駆けだす。
少し離れたところに短命族の人々の暮らす小さな村があった。村の入口でひどく騒ぐ人々を目にしたため、立ち寄らず森の小道を辿っていたのだけれど、
(……事情を聞いた方が良かったでしょうか)
空色の瞳を伏せた途端、ふと故郷の友人の言葉が耳を掠めた。
――ペルはお人好しすぎる
困っている人なら誰彼なしに助けてしまうあなたは、そのうち助けた人に裏切られるよ、と。そのひとは悲しい表情をした。
(でも)
ペルラは足を早める。
数が少ない長命族たちは、血を濃くせぬため成長すると故郷を離れる。世界を流浪し、二度と故郷には戻らない。その習わしを持つがため、長命族は文明を築き上げられなかった。
けれど数が多いがため血の重なる心配の要らぬ短命族は一所に留まることに躊躇いがない。世代を重ねひとつの土地を耕し続けた短命族は、いつしか優れた文明を築き上げた。
――長命族の生き肉を食せば神通力を得られる
そう初めに言い出したのは誰だったのだろう。短命族の権力者か。土地を治める神職か。
その迷信は、長命族が持つ不老不死の肉体と、その肉体に宿る不思議の力に対する憧れと妬みによるものが大きかったのかもしれない。
それでも、その迷信は瞬く間に世界に流布した。
短命族における長命族への迫害は、少しずつ、確実に進行していた。
(それでも、私は)
ペルラが幼少期を過ごしたのは、長命族たちのかくれ郷。そこでさえも、今はもう存在しているのかどうか分からない。
長命族は一生涯を旅に生きる。それはいつ終わるとも知れぬ、果てなき旅路。その中で、彼らは時に隠れて小さな安息の地を作り、時に番を作る。数が少ないがゆえにその機会は極めて少なく、そうであるがゆえに長命族は減少の一途。加えて、短命族による迫害。
遠からず私たちは滅ぶのかもしれない、とペルラは思う。思いながらも、ここまでを流されるままに生きて来た。惜しみない愛を注いでくれた故郷の人々に、習わしのままに別れを告げ、ここまで歩いて来ていた。
他の長命族のように旅を続けるか、番となる相手を探すか、――考えながら歩き続けていて、森の中、血の臭いを嗅いだ。
繁みを分ける。獣に害されたのか、血にまみれて倒れ伏した短命族の若い狩人の姿がそこにはあった。
「っ、……だ、大丈夫ですかっ……?」
勇気を振り絞って声を掛け、初めて見た長命族の姿に驚く狩人の傷を癒したその結果、ペルラは短命族の村に招かれ歓待を受けた。
村の人々は純朴で優しく、――癒しの力持つ少女を、精霊の御使いと崇めた。ペルラのために社にも似た家を建て、ペルラと共に笑いあって生きることを願った。
こそばゆかった。
うれしかった。
だからこそ、十数年をその地に過ごした。長命族からすれば僅かな年月に過ぎぬ十数年のうちにも老いてゆく短命族の人々を愛おしくさえ、思った。
その村での暮らしを、ペルラは愛した。
「ペル」
だから、壮年の狩人が来訪のノックもせずに血相を変えて飛び込んできたときも、村の誰かが怪我をしたのか、程度にしか考えていなかった。
「どうかしましたか」
穏やかに尋ねれば、いつか森でペルラに傷を癒された狩人は、固い表情で低く言い放った。
「お前は村の疫病神だ、この村を出て行け」
斬りつけられるように言われて、ペルラは瞳を伏せる。
「……わかり、ました」
長命族の己は、やはり争いの種になるのかもしれない。
そう思った。大人しく村を出ようと十数年を暮らした家の扉を開けた、その瞬間、
「ッ……?!」
一瞬前まで穏やかな日差しに包まれていた愛しい村が、赤い炎に包まれていた。武装した短命族に隣家の老翁と孫が切り伏せられる。昨日挨拶を交わした少女が炎に巻かれて悲鳴を上げる。背後の狩人に助けを求めようと振り返って、見たのは腹に剣を突き立てられ、血塗れで悲しく笑う彼の姿。
本当は、と彼は血を吐く。本当は、強い権力を持つ村の長から長命族を差し出すように迫られていたのだと告げる。ペルラを逃がした後、隠したと疑われ村を焼き討たれたのだと。
「ごめんな、ペル……ごめんなあ……」
「いや、……」
小さく掠れた己の声に目を覚ます。
夢なのだと知る。果てない流離の旅に出る、その切っ掛けとなった哀しい出来事の、夢。
重い息と共に身を起こす。頬を濡らす涙を冷たい指先で拭う。
二度三度と瞬くうち、空色の瞳に凛とした色が宿る。
(謝らないで)
だって今ここに己が居られるのは、愛した村のひとたちが嘘をついてまで前に進めてくれたおかげ。彼らの心が選んだこの道を進むことに、
(後悔は、ありません)
それに、
(涙は、乾くものですから)
今はまだ、思い出す度に辛く悲しくても。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年03月17日
参加申し込みの期限
2017年03月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年03月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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