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寝子島高校
【卒業式】春爛漫。寝子島高校の卒業風景
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【これからも、いつまでも】
悲しい時、鼻の奥がつーんとするあの感覚。目は潤んで、ずずずと鼻が鳴りました。
それでも
卯木 衛
は、走ります。卒業生や在校生たちの人波をするする通り抜けて、桜吹雪と紙吹雪の舞い散る中を、彼は一生懸命に駆け抜けます。
足を一歩踏み出すたび、寂しさがつのっていくようです。彼女ともう、学校の中でばったり出会うなんてことは無くなるでしょう。制服姿の彼女を見ることだって、きっともう無くなってしまうのでしょう。
でも、
(今日は……今日なら、まだ)
少しでも長く、寝子島高校の制服を着た彼女を見ていたい。もう少しだけ、この学校の先輩後輩という繋がりに浸っていたい。
ふたりを繋げた、それはとても大切な関係だから。
「っ、由貴奈さん……」
ちょっぴりにじんで揺れる瞳が、今、その姿をとらえます。待っていてくれました。彼女は、衛を。咲き誇る桜の樹の下で。
目元をぎゅっと拭って、衛は彼女を呼びました。
「由貴奈さん!!」
「あ、うーちゃんだ。ふふ……どーしたの、そんなに急いじゃって」
うちはここにいるよぉ。そう言って
壬生 由貴奈
がふにゃっと笑った瞬間に、衛の中へこびりついていた小さな不安は、ぽわっとどこかへ溶けていきました。
少し前。
屋敷野 梢
もまた、由貴奈のもとを訪れていました。
「壬生先輩とはー……もーいろいろあったなぁ、ありすぎてどれ! って絞り切れないくらいに」
「あははー。ほんとだよねぇ」
梢にとって、由貴奈は特別な先輩です。数え切れないほどの時間を、ふたりで一緒に過ごしてきました。
「一緒に買い物行ったりー、一緒にチーム組んでゲームしたりー。一緒に死んだこともありましたっけ」
「あったねぇ。フルコースだねぇ」
フツウな体験、奇妙な体験も、何だって一緒にこなしてきたものです。
それでいて、不思議なことはふたりの間に、ひとつの涙も見られないことであったかもしれません。
「あらためましてー、壬生先輩。ご卒業おめでとーございまーす!」
「ありがとー、こずえちゃん」
「もうすぐ大学生ですねー。アレですよ、大学デビューッ☆ とかしないでくださいね、ウェーイッて感じの近寄りがたき雰囲気にならないでくださいね? お願いしますよー! まー、壬生先輩ならそんなことないでしょーけど」
「うーん、それは大丈夫だよぉ。たぶん」
「たぶん!!」
「だってさ。うちらがどこかに行ったって、どんなに変わったって」
そう。卒業式だからといって、必ずしもそれらしい態度を取る必要はないのです。
特に、梢と由貴奈の間では。
「なかよしだもんねぇ」
「……そーですね!」
彼女たちには、彼女たちのやり方があるのですから。
その証とも言えるでしょうか? そんなふたりへ、
「おっ、いたいた。壬生先輩、卒業おめでとうございます! お疲れ様でした」
「あ、かたなんだ。ありがとー……ん、これくれるの?」
ふらりと通りすがり、
御剣 刀
は由貴奈を見つけると、当たり前のようにニャンタオレンジの缶を手渡します。
「差し入れ。ま、多分またすぐに会うことになるでしょうけど……神魂絡みやら星幽塔やらで」
だから、別れの言葉はいりません。これからも彼らはずうっと、繋がっていくのですから。
「何かあれば声かけてください。出来るなら、穏やかなことで」
「それは、その時になってみないとねぇ。わかんないかな? ありがとねー、かたなん」
一日の終わりに挨拶をするような、いつもと変わらない調子で、刀は去っていきました。
そして、梢も。
「じゃっ、私もいきますかねー」
「あれ、もう帰っちゃうの、こずえちゃん」
「これからだって、いくらでもお話しできますからねー」
「ん。それもそーだねぇ。うちもマタ大だし、またいつでも会えるもんね」
それに、こちらへやってくる、彼を見つけたので。小柄な身体で人ごみをかき分けながら由貴奈を探す、彼の姿を。
「それじゃ、壬生先輩。またあそびましょー!」
「うん。またねぇ、こずえちゃん」
別れを特別なものにする必要はありません。これから何度だって、こうして出会い、別れて、また出会うのですから。
梢はふと振り返り、由貴奈がぱあっと笑顔で彼を出迎えるのを、どこか良い気分で眺めました。
「由貴奈さん!!」
「あ、うーちゃんだ。ふふ……どーしたの、そんなに急いじゃって」
彼はここまで、ずっと走ってやってきたようです。
「だって……その制服着てる由貴奈さんには、今日しか会えねえんだなって思ったら。早く会わなきゃって……」
ふいっと照れくさそうに視線をそらした衛に、由貴奈はくすりと笑います。何とも、可愛らしく見えてしまって。
それでも衛はすぐに笑みを浮かべて、
「卒業、おめでとうございます。由貴奈さん」
「ありがとぉ、うーちゃん」
当たり前の言葉ではありながら、それは確かに、由貴奈の胸へとあたたかいものをじんわりともたらしてくれました。
ふと、衛はちらちらと由貴奈を見ながら、どこか言いづらそうに、何やら逡巡していましたけれど。由貴奈がそれを微笑ましく眺めていると、
「……あの! 由貴奈さん」
「ん? うーちゃんどーしたの、改まって」
「だっ、第二ボタン……っつーか、校章! もらえませんか……!?」
ああ、と由貴奈は納得。先ほどから彼がちらちらと見ていたのは、校章だったようです。
「いやー、あの……寝子高の制服で、一番心臓に近いっつったら、校章かなって……あっでも、何か記念に持ってたいカンジなら、いいです! っつーかそれなら、何か交換とかでもいいんで! あの……ダメ、ですか!?」
慌てたようにまくしたてる衛の必死な顔はやっぱり可愛らしくも、そこには彼なりの真剣さがにじみ出ます。真っすぐな気持ちが、由貴奈へもひしひしと伝わります。
由貴奈のまぶたの裏には否応なく、蘇るのです。ホワイトデーの、あの日に見た彼の真摯な眼差しが。耳朶には今も残っているかのようです、あの日に聞いた彼の言葉が。
偽らない、本当の想いが。
(……ああ……そうだよねぇ。うーちゃん)
由貴奈は自分を真っすぐに見つめる彼の顔を、少しばかり堪能した後に。制服の胸から校章を外して、
「はいっ。ちょっと色あせてるけどねぇ」
「あ……ありがとうございます!」
ひょいと身をかがめて、衛の制服へ付けてやりました。
「へへ。似合いますかねー? なんて」
「うん、ばっちりだよぉ。でも、緑色は来年の新入生のカラーだし、気をつけてねぇ? うーちゃん、1年生に間違われてもおかしくないんだから」
「ハッ……!? い、いやでもほら、ちょっとずつでも成長してますんで! 間違えられることはないと思います、きっと……た、たぶん!」
「……ふふ。そうだねぇ」
そうしてしばし、嬉しそうな彼と並んで、ゆっくりと桜の下を歩きます。
手を繋ごうか。ふと、そんなことが頭をよぎって……由貴奈はその考えを、あえて引っ込めました。
「うーちゃん……」
「は、はいっ! なんですか、由貴奈さん」
「ごめんねぇ」
言葉を全て口に出さなくとも、衛には伝わったことでしょう。彼ははっとして、きゅっと口元を結びます。
彼の告白に、由貴奈はまだ、返事を返すことができていません。そのまま卒業してしまうことを、申し訳なくも感じてしまいます。
どうしても……不安になってしまうのです。幸せであることが。いつか、それを手放す日が来るのではないかと。そんなことを考えて、どうしても気軽に言葉を返すことはできませんでした。
けれど、それでも。
「必ず、答えは出すから。だから、今は……このままで。ごめんね」
「全然! 俺、いつまでだって待ちますよー! だってそれだけ、俺のこと考えてくれてるってことなんで!」
彼はいつだって前向きで、真剣で、真っすぐです。由貴奈にはそんな衛の明るい笑顔が、まぶしく思えます。
「学校で由貴奈さんに会えなくなるのは、すっげー寂しいけど……けど、こっから先会う時は偶然じゃなくて、会いたいから会うってことだもんな!」
「あはは、そうだねぇ。本当だ。そういうことになるよねぇ」
「だからこれからも、勉強教えてくださいとか……でっ、デートに、誘うんで! 会ってくれたら、嬉しいなーって……!」
上目遣いはズルイなぁ、とも思ったり。
由貴奈は微笑みながら、
「うん。またデートとかしようね。ふっふっふ~、寂しくなったらいつでもうちに来ていいんだよぉ? あ、そのうちうーちゃんちにも遊びにいこっかなぁ」
「は、はいっ! ぜひ……部屋はその、片付けとくんで! それまでに!」
急ぐことは、ないのかも。由貴奈は心穏やかに、思います。
だってふたりは今だって、こんなにも自然で、あたたかいのです。
「うーちゃん。送ってくれる?」
「もちろんっ、行きましょう!」
どちらともなく手を繋いで、ふたりはやがて桜並木の向こうへと、軽やかな談笑とともに消えていきました。
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3人まで
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日常
学校生活
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定員
1000人
参加キャラクター数
38人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年03月18日
参加申し込みの期限
2017年03月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年03月25日 11時00分
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