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寝子島高校
【卒業式】春爛漫。寝子島高校の卒業風景
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【告白】
「…………好きなの」
ぎくりと、彼の身体が固まりました。
「私、満くんのことが好き」
ああ。言っちゃった。
青龍寺 琴理
は答えを待ちながら、永遠とも思えるような時間の中で、不意に思い返します。
いつからだったでしょう? 彼……
日野 満
のことが、こんなにも気になり始めたのは。
1年生の頃からずっと、一緒に図書委員として活動して。時に助け合い、時に弱気な彼を叱咤して。落ち込む彼を励まして。
作家志望だという満の書いた自作小説を、ちょっと強引に読ませてもらったこともありました。あの時の、彼の慌てた顔……けれどお話は純粋に面白くて、琴理はファンになってしまいました。
いつからだったのでしょう。そんな彼自身に、惹かれてしまっていたのは。
けれど、
「え、と……あの。おれ……」
いつになくおろおろとした満が、きっと良い返事をくれないだろうことは、何となく琴理にも分かってはいました。
胸を締め付ける悲しみと、同じくらいの乾いた諦めが、瞬く間に琴理を絡め取っていきます。
彼がそんな風に自分を見ていないことは、分かっていたのです。なぜなら、
「……ううん。ごめんなさい。無理だって、分かってたけど……伝えなきゃって思ったの」
「せ、青龍寺さん。おれ……その、何て言ったらいいか」
「分かってる。北風さんのこと、好きなのよね」
「へっ?」
琴理は思い出します。何度となく目の前をよぎる、
あの光景
を。
ハロウィンのあの日。琴理とダンスを終えた満を、
北風 貴子
が迎えに来た時のこと。琴理にはふたりが、とても仲睦まじく見えました。本当のところは分からなくとも、琴理にとっては自分の恋心にひとつの区切りを付けようと決意するのに、十分な衝撃であったのです。
「まだ……素直に祝福する、っていう気持ちにはなれないけど。でも私だって、満くんには幸せになってほしいわ。だから、振るなら遠回しの言葉じゃなく、はっきり言ってほしいの。そりゃあ多分落ち込むと思うけど、そのほうがきっとスッキリして……、? 満くん?」
ただ。
それにしては、告げられた満がぽかんとしているのは、琴理にも少し不思議に思えました。
「あ、あの、青龍寺さん? 北風さん……って、どういうこと? えっ?」
「え? だってふたり、付き合ってるんじゃ」
「いっいやいやいや! おれたちそんなんじゃないよ!? あっ、ひょっとしてハロウィンの時のあれ? あの時はごめん、青龍寺さんには悪いことしちゃって……じゃなくて!」
今度は、琴理がちょっぴりぽかんとしてしまう番。
だって……だってとても、近しく見えたのです。確かにあまり接点の見えないふたりでありながら、図書委員長と風紀委員長、同じ委員長同士でもあるし、どこかで繋がりがあって……そんな関係に。そう、思っていたのに。
いえ、そう思い込もうとしていたのかもしれません。
「あの日はたまたま、ちょっと相談に乗ってもらうことになってたんだよ、進路のこととか。北風さんしっかりしてるからさ。委員長会議の時におれがため息ついてるのを見て、声かけてくれてさ。けどお互いなかなか時間の都合がつかなくて、よりによってあの日になっちゃって」
しぼみかけた気持ちが、少しずつ、ふくらみを取り戻してくるのを感じます。
それじゃあ……? ふたりが付き合ってるんじゃ、ないとしたら? 北風さんへ、そういう気持ちは無いんだとしたら?
「あの…………ごめん」
……けれど。
彼の表情がいつものびくびく臆病なそれではなく、真っすぐに琴理を見つめて、男らしいまなざしであったことが、せめて救いであったのかもしれません。
「おれ、青龍寺さんの気持ちにはまだ、答えられない。こんなおれだけど……いちおう、目標があってさ」
「……うん。知ってる。作家に、なるんだものね……」
「言ったかな。マタ大のね、文学部に行くことになってるんだ。そこでちゃんと、真剣に勉強しようと思う。本気で、後悔しないように」
夢を語る彼の瞳には、いつもの弱気ではなく、強い輝きがありました。決して揺るぎないものが。
彼はもう、琴理が叱咤しなければおろおろとして戸惑いがちな、頼りない男の子ではないのかもしれません。
「だから……嬉しいけど、ごめん。青龍寺さん」
そのことが、琴理には寂しくて。
けれど少し、嬉しいような気もして。
「……ね。第二ボタン、くれない?」
「へっ? おれの……?」
「そう、あなたの。未来の大作家先生との思い出に、ね?」
努めて悪戯っぽく言うと、彼はまたいつものわたわたした感じで、上から2番目のボタンを外して、渡してくれました。
「ええと、どうぞ。おれなんかので良かったら……」
「もう、またそんな顔して。私、満くんの書く小説の、ファンなんだから。それは今までだって、これからだって変わらないわ」
始めから、彼の答えは予想していたのです。琴理の誤解は解けて、むしろ晴れやかなくらいかもしれません。
最後はせめて、明るい笑顔で。
「ずっと……応援してるから。頑張って、満くん」
「う、うん……! ありがとう、おれ、やるよ。絶対、作家になってみせる!」
祈りを胸に、琴理は彼を見送りました。
「ちょっとあなた、卒業式だからっていつまでも残ってちゃだめじゃない。早く帰りなさい……あら、青龍寺さん?」
元風紀委員長として、最後の見回りといったところでしょうか。やってきたのが他ならぬ貴子であったことに、琴理はどこか、奇妙な縁を感じてなりません。
「ちょっと、どうしたのよ青龍寺さん、泣いてたの? 何かあったの?」
「……ええ。ちょっとね。私……フラれちゃった。北風さん、慰めてくれない?」
「え、うえっ!? それは、何というか。お気の毒というか、私の手には余るというか……」
貴子があからさまに困った顔をしたので、琴理は目尻を指で拭いながら、可笑しくて笑ってしまいました。ずっと彼女を、勘違いしていたようです。
「もう。彼ったら、最後まで優柔不断なんだもの」
そうして、申し訳なさそうに帰っていった満の顔を思い浮かべて、もう一度笑います。
「まだ、答えられない……だなんて。ずるいと思わない? 北風さん」
「ええと、そ、そうね? うん、そうよね……?」
悲しくて、泣いているところを見られないように、とわざわざ人目に付かないところを選んだというのに。
「あのね、青龍寺さん。良く分からないけど、元気を出して? 清く正しく前向きに、襟を正して生きていれば、きっと良いことがあると思うの。だから何というか、その……」
琴理は、ぷ、と噴き出してしまいました。
「……ええ。そうね。きっとそう」
今は、なんだか……良い気分。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
恋愛
定員
1000人
参加キャラクター数
38人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年03月18日
参加申し込みの期限
2017年03月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年03月25日 11時00分
参加キャラクター一覧
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