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【星幽塔】第三階層 竜の肚には土の都
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「鴻上!」
背後を気にしながら、亮は癒しの光を宿す彰尋のもとへ走る。動けぬ少女を抱えて動きの鈍る亮と月詠を絶好の獲物と見て取ったか、竜の口内にそびえる牙の影から現れた『竜の尖兵』が咆哮あげて近づいてくる。
「先に行け」
亮に夏朝を託し、月詠が向かい来る尖兵と対峙した。
「――って、一度言ってみたかったんだよね」
唇に不敵な笑みをひとつ刻み、月詠は片手にアンテナアスパラ、もう片手に炸裂イモを取り出した。少しばかり芝居じみた動きで、けれど手早くアンテナアスパラを炸裂イモに突き刺す。振りかぶり、堂に入った動きでアンテナアスパラ炸裂イモを尖兵に目がけ投げつける。
背後に響く爆裂音を耳にしながら、亮はベルトに結わえ付けた袋から雲形の薬草を取り出す。彰尋のもとへと急ぎながら、夏朝の口に解毒効果のある薬草を含ませようとして、
「恵御納、しっかりしろ」
麻痺毒に侵され強張った夏朝の唇に薬草を押し込むことが出来なかった。砂に落ちる薬草を拾う余裕もなく、迎えに駆けつけてくれた彰尋に夏朝の身をゆだねる。
「夏朝ちゃん!」
彰尋と行動を共にしていたまほろが傷ついて動けぬ友人の名を必死に呼んだ。彰尋に抱きかかえられた夏朝の腹の傷に掌を触れさせ、癒しの光で以て傷口から溢れる血を止めにかかる。
「うん、そのまま治してあげて」
まほろに頷き、彰尋は夏朝を抱えてその場に膝をついた。鞄からミルクティー入りの水筒を取り出し、飲み口を唇に触れさせる。
「大丈夫、ゆっくりでいい」
「頼む」
短く言い、亮はその場を離れた。アンテナ炸裂イモを尖兵に連続して叩き付け、どうにか足止めをしている月詠のもとに駆ける。砂に足を取られながら走り、月詠の脇を駆け抜ける。月詠が投げた炸裂イモの爆風が巻き起こす砂煙をその身に纏い、
「おおぉッらア!」
裂帛の気合いと共、魔風を握りこんで固めた拳を尖兵の岩塊じみた額に叩き込む。砂をまき散らしつつ踏み込めば、十五にしては小柄な身を巌じみて鎧う筋肉がぎしりと軋んだ。
「ッ、ぁああァ!」
拳に纏わせた風が唸る。砂に這う尖兵の巨躯がじり、と動いた。亮が拳を振り切ると同時、尖兵の身が横倒しに倒れる。毒持つ腹鰭で宙を掻き、起き上がらぬ術持たぬ尖兵は砂にもがいた。
本体である土の竜と同じに耐えきれぬ空腹に苛まれ続ける竜の尖兵たちが、倒されてもがく仲間目掛けて集まろうとする。
「おいおい、共食いすんのか?」
戸惑った声を漏らして、けれど亮は眉を顰めた。倒れた仲間にたかろうとしていた数体の尖兵たちが急に別の方角に首を巡らせ――我先にと仲間を押しのけ向かおうとする先には、少し離れた砂の上、力なく伏せる悠月。
「獅子目?!」
慌てて駆けだそうとした亮の目前、ふわり、アカリが降り立った。片手を横に上げ、亮を止める。もう片手に持った杖に魔水の光がゆらり、漣の如く揺らめく。
「大丈夫」
低く言い放つアカリの言葉を、けれど亮はアカリが己自身に言い聞かせている言葉のように聞いた。
「大丈夫だ」
熱砂の空気を胸に満たして吐き出した時、亮が殴り倒して起き上がろうともがいていた尖兵が情けない声で唸った。
「うるさい」
苛立ち帯びた桜色の瞳が尖兵を睨みつける。杖が横殴りに振るわれ、魔水の光が凶暴に閃いた次の瞬間、もがく尖兵の胸鰭と尾鰭が青く凍り付いた。動けなくなる尖兵にはもう見向きもせず、アカリは離れた位置で地に伏せて動かぬ悠月と、悠月に群がり喰らおうとする尖兵を見据える。
「手加減なんてしてやんねーからな」
知らず食いしばっていた歯の隙間から、唸り声にも似た呟きが漏れた。
「へばるんじゃねーぞ」
悠月の身に尖兵の一体が重たげな巨躯を歓喜に震わせ飛びかかる。獲物を独り占めされてなるものかと他の数体も動きを早める。鰭に滲む毒の粘液の跡を砂地に残し、尖兵たちが悠月に食らいつこうとしたその刹那。
――歌が、湧いた。
乾いた砂地の底から清冽な水脈が噴き出すように、高く澄んで尽きぬ歌声が砂の世界に溢れて流れる。
その声は悠月の身に宿るろっこん『Holly Knight』を発動させる。悠月が歌を続ける限り、悠月を中心にした半径一メートルの半透明の障壁が円の内側に居るものを護り続ける。
もう少しで獲物を口にできるはずが半透明の壁によって遮られて、尖兵たちが怒り狂う。岩塊じみた固い鱗の巨躯で体当たりされる度、鋭い鰭で牙で引き裂かれようとする度、――己の歌で生み出した障壁が傷つく度、悠月の細身の肩に足に、その全身に耐え難い倦怠が積み重なる。
疲労に震える膝を拳で叩く。圧し掛かる疲弊感に曲がりそうになる背を凛と伸ばす。凛々しく高らかに、少年は歌い続ける。
(自分から言い出したんだ)
結い上げた赤銅色の髪を揺らし、群がる尖兵たちの向こうに立つアカリを見遣る。普段は喧嘩ばかりしているクラスメイトが杖を掲げ、振り下ろす。瞬間、恐ろしいほどの青い水が悠月に向け、悠月に群がる尖兵たちに向け、打ち寄せた。
轟音立てて押し寄せる水に、鮫のかたちした尖兵たちが堪らず押し流される。歌声に気を取られてうっかり近づこうとしていた他の尖兵をもまとめて流し、尖塔のように壁のようにそびえる竜の牙に叩き付ける。
視界を覆う水と尖兵が失せたことを確かめ、悠月は唇を閉ざした。休むことなく振り返り、弓に矢をつがえる。水に打ち据えられ、打ち重なって壁際にもがく尖兵たちの鱗の隙間を狙いすます。
矢を放つよりも先、背後のアカリが放った氷の矢が悠月の脇を掠めて過ぎた。疲れに火照る身を過る氷矢の冷たい心地よさに榛の瞳を細め、悠月は氷の矢に射られた尖兵に更に矢を撃つ。
「く……」
幾許か射たところで、矢を番える指が震えた。未だ蠢く尖兵たちを榛の瞳に捉えながら、悠月は疲弊して言うことを効かぬ己の身に歯噛みする。背後から放たれていたアカリの氷の矢も少しずつ数が減っている。
折り重なって倒れたことで悠月の矢からもアカリの氷の矢からも逃れ得た一体が、仲間の身を押しのけて現れた。吠え立て、悠月に向けて突進する。
「――ッ!」
弦を引く腕にすら力が入らず呻く悠月の隣、砂を蹴立てて黒髪の少女が立った。
「ふたり、すごいね!」
朗らかに言い放つなり、少女はクロスボウを撃つ。星の光に強化された矢は紫の光の尾を乾いた空気に引き、殺到しようとする尖兵の胸鰭を貫いた。勢いが削がれ、動きの鈍る敵を見据え、桜は深呼吸をひとつする。狙うは、尖兵の眼。
いっそ優雅な所作でクロスボウに矢をセットし、静かに構える。放つ。
急所のひとつだろう目を正確に狙撃され、動きを更に鈍らせる尖兵を見つめたまま、アカリは己が身の星の力の枯渇に息を乱す。鞄を探り、星の力を回復させる効能を持つサファイア・リリーで作った薬を取り出した。一息に飲み干し、唇を歪めて呻く。
「……うー、にが……」
苦さのせいで飲み干すことに躊躇いはあるものの、それでも確かに効能はある。身に戻る星の力をかき集め、アカリは最後の一体を仕留める一撃を作り出した。
(これで、仕留めてやる……!)
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
バトル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年02月20日
参加申し込みの期限
2017年02月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年02月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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