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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
【星幽塔】第六階層 彷徨い星と動かぬオルゴール
＊ ＊ ＊ ＊
――第四階層。
その港町のような光景の中に、商店はあった。ステラが言っていた黒い螺子巻きの持ち主がいる場所だ。
（がんばらないと……）
（これも、第六階層のため）
来島 アカリとプリムローズ・ブライトはその店の前で頷きあい、「ごめんください」と中へ声をかけた。すると、奥から少々ガタイの良いおじさんが姿をあらわした。よく見ると、頭が虎である。おまけにしっぽもちゃんとあった。
「おやおや、ずいぶんかわいらしいお嬢さん方じゃないか。なにかご入用かな？」
愛らしい外見の２人に、早速頬が緩むおじさん。アカリは「本当は嫌だけど……！ お嬢さんじゃなくて男なんだけど……！」と必死に勇気とやる気（意味深）を振り絞ってお嬢さんを演じる。
「こんにちは、商人さん。私はアカリ、こちらは、プリムローズと言います。よかったらお名前を伺っても良いでしょうか？」
アカリがそういうと、傍らのプリムローズがぺこっ、と頭を下げる。商人はほっほっ、と笑うと「私はスィフー、しがない商人さ」と言った。
「プリムは、この剣のパーツを探しているのです。修理をするのに必要なのです。それと……」
「１、２着ほど白いお洋服をいただけませんか？ かわいい物があると嬉しいです」
プリムローズは努めてちょっと幼い口調を心がけ、アカリは《かわいいお嬢さん》を演じる。スィフーはうーん、と考えてから２人に待つように言い、しばらくして奥からいくつかの螺子などを見せてくれた。そして、数着ほどの白やパステルカラーのお洋服も……。
「私は色々な物を扱っているんだ。その剣のパーツに使えそうな物はどれでも好きな物を持っていきなさい。お洋服もさ」
とタダでプレゼントしてくれるといいだした。商人はいたく２人を気に入ったようだ。アカリが「そんな、悪いです……」と申し訳なさそうにすれば、スィフーは「君たちがかわいいからさ」と楽しそうに笑う。
（これなら、いけそう？）
プリムローズは期待に胸を鳴らしながら、そっとスィフーの腕に触れた。
「おじさまはなんでももっていらっしゃるんですねー、プリム、すごいなぁって思います！」
「私でも手に入らない物はあるさ」
プリムローズの言葉にスィフーはヒゲを震わせ、まんざらでもない様子。アカリとプリムローズはさりげなく目を合わせると、アカリがスィフーの手をとる。
「実は私達、『黒い螺子巻き』を探しているのです。なにか、知りませんか？」
「プリムたちは、オルゴールを集めているのです。それで……」
プロムローズもさりげない仕草でスィフーを見つめ、うるうる。かわいい女の子２人に迫られ、スィフーはしばらく考えた。
「そうさなぁ。これの事かい？」
そう言いながら、彼は懐から『黒い螺子巻き』を取り出した。鳥の翼を模した飾りが綺麗な螺子巻きに、２人も息を飲む。
スィフーは２人にそれを見せながら意味深な瞳を向ける。掌で螺子巻きを転がしながら、スィフーの口が動く。
「こいつは、名のある職人が作った物でね。入手するのに色々と手間と暇と金をかけた。君たちは、私に一体何をくれる？」
その言葉に、２人は息を飲む。だが、ややあってアカリが口を開いた。
「その黒い螺子巻きが、私達にはどうしても必要なのです。だから……」
プリムローズが何か言おうとするのを遮り、アカリが真正面から言った。
「私、何でもしますから……！」
そこまで言うアカリの後、プリムローズの機械の翼から密かに黒い光がこぼれた。呪術の光を使おうと思ったのだ。
だが、スィフーはくすくす笑った。急に笑い出した彼に面食らう２人だが、スィフーはアカリの手に黒い螺子巻きを握らせた。
「いや、実にいい演技を見せてもらったよ。君のような愛らしい子が本当の乙女なら後妻になって欲しいぐらいだ。そちらのお嬢さんも娘にしたいぐらいだね」
「……え？」
アカリの口からそんな声が漏れる。スィフーは２人にウィンクを１つし、楽しそうに顔を綻ばせた。
「私はここが人様より利くんでね。……試すような真似をしてすまない。君たちにも事情があるんだろう。持っていきなさい。ただ……」
スィフーはアカリとプリムローズにパステルカラーのワンピースや愛らしい靴、プリムローズの剣に使えそうなパーツなどを持たせる。だが、彼は耳を伏せてこんな事を頼んだ。
「少しの間だけ、私とお茶をしてほしい。君たちは冒険者なのだろう？ 聞かせておくれ、君たちの旅を」
「「！！」」
アカリとプリムローズは、心から感謝をこめて礼を述べ、スィフーは楽しげに笑った。
こうして、スィフーとしばしお茶の時間をすごした２人は、黒い螺子巻きなどを持って隠し階層へと向かうのだった。
――第四階層。
その港町のような光景の中に、商店はあった。ステラが言っていた黒い螺子巻きの持ち主がいる場所だ。
（がんばらないと……）
（これも、第六階層のため）
来島 アカリとプリムローズ・ブライトはその店の前で頷きあい、「ごめんください」と中へ声をかけた。すると、奥から少々ガタイの良いおじさんが姿をあらわした。よく見ると、頭が虎である。おまけにしっぽもちゃんとあった。
「おやおや、ずいぶんかわいらしいお嬢さん方じゃないか。なにかご入用かな？」
愛らしい外見の２人に、早速頬が緩むおじさん。アカリは「本当は嫌だけど……！ お嬢さんじゃなくて男なんだけど……！」と必死に勇気とやる気（意味深）を振り絞ってお嬢さんを演じる。
「こんにちは、商人さん。私はアカリ、こちらは、プリムローズと言います。よかったらお名前を伺っても良いでしょうか？」
アカリがそういうと、傍らのプリムローズがぺこっ、と頭を下げる。商人はほっほっ、と笑うと「私はスィフー、しがない商人さ」と言った。
「プリムは、この剣のパーツを探しているのです。修理をするのに必要なのです。それと……」
「１、２着ほど白いお洋服をいただけませんか？ かわいい物があると嬉しいです」
プリムローズは努めてちょっと幼い口調を心がけ、アカリは《かわいいお嬢さん》を演じる。スィフーはうーん、と考えてから２人に待つように言い、しばらくして奥からいくつかの螺子などを見せてくれた。そして、数着ほどの白やパステルカラーのお洋服も……。
「私は色々な物を扱っているんだ。その剣のパーツに使えそうな物はどれでも好きな物を持っていきなさい。お洋服もさ」
とタダでプレゼントしてくれるといいだした。商人はいたく２人を気に入ったようだ。アカリが「そんな、悪いです……」と申し訳なさそうにすれば、スィフーは「君たちがかわいいからさ」と楽しそうに笑う。
（これなら、いけそう？）
プリムローズは期待に胸を鳴らしながら、そっとスィフーの腕に触れた。
「おじさまはなんでももっていらっしゃるんですねー、プリム、すごいなぁって思います！」
「私でも手に入らない物はあるさ」
プリムローズの言葉にスィフーはヒゲを震わせ、まんざらでもない様子。アカリとプリムローズはさりげなく目を合わせると、アカリがスィフーの手をとる。
「実は私達、『黒い螺子巻き』を探しているのです。なにか、知りませんか？」
「プリムたちは、オルゴールを集めているのです。それで……」
プロムローズもさりげない仕草でスィフーを見つめ、うるうる。かわいい女の子２人に迫られ、スィフーはしばらく考えた。
「そうさなぁ。これの事かい？」
そう言いながら、彼は懐から『黒い螺子巻き』を取り出した。鳥の翼を模した飾りが綺麗な螺子巻きに、２人も息を飲む。
スィフーは２人にそれを見せながら意味深な瞳を向ける。掌で螺子巻きを転がしながら、スィフーの口が動く。
「こいつは、名のある職人が作った物でね。入手するのに色々と手間と暇と金をかけた。君たちは、私に一体何をくれる？」
その言葉に、２人は息を飲む。だが、ややあってアカリが口を開いた。
「その黒い螺子巻きが、私達にはどうしても必要なのです。だから……」
プリムローズが何か言おうとするのを遮り、アカリが真正面から言った。
「私、何でもしますから……！」
そこまで言うアカリの後、プリムローズの機械の翼から密かに黒い光がこぼれた。呪術の光を使おうと思ったのだ。
だが、スィフーはくすくす笑った。急に笑い出した彼に面食らう２人だが、スィフーはアカリの手に黒い螺子巻きを握らせた。
「いや、実にいい演技を見せてもらったよ。君のような愛らしい子が本当の乙女なら後妻になって欲しいぐらいだ。そちらのお嬢さんも娘にしたいぐらいだね」
「……え？」
アカリの口からそんな声が漏れる。スィフーは２人にウィンクを１つし、楽しそうに顔を綻ばせた。
「私はここが人様より利くんでね。……試すような真似をしてすまない。君たちにも事情があるんだろう。持っていきなさい。ただ……」
スィフーはアカリとプリムローズにパステルカラーのワンピースや愛らしい靴、プリムローズの剣に使えそうなパーツなどを持たせる。だが、彼は耳を伏せてこんな事を頼んだ。
「少しの間だけ、私とお茶をしてほしい。君たちは冒険者なのだろう？ 聞かせておくれ、君たちの旅を」
「「！！」」
アカリとプリムローズは、心から感謝をこめて礼を述べ、スィフーは楽しげに笑った。
こうして、スィフーとしばしお茶の時間をすごした２人は、黒い螺子巻きなどを持って隠し階層へと向かうのだった。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2017年03月11日
- 参加申し込みの期限
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- 2017年03月18日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2017年03月18日 11時00分
