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授業風景 ~1年1組の場合~
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はい、じゃあまずは……
先生が獲物、もとい発表者を探し出した瞬間、
骨削 瓢
は何やら嫌な予感が胸をよぎった。
そして悪い予感というのは、どうしてか往々にして外れることは少ないのだ。
「骨削くん。前に立って英文を書いてください」
こっちを見て相変わらずほわほわ笑う島岡に、あちゃー、と骨削は内心で頭を抱えた。
(せ、先生もなかなか人が悪いねぇ。さっき確かに、通りがかりざまにあっしの白紙のノートをちらっと見てたはずだよぃ)
あの眼鏡の奥の瞳は、柔和に見えてなかなかのスナイパーっぷりである。
こうなれば仕方ない。骨削は立ち上がると、白紙のノートはそのままにへらと人の良さそうな笑顔を見せた。
「あっしの連休なんて聞いてもなーんにも楽しくないでさ。惰眠に惰眠を重ねてただけですからねぃ」
そう言って教壇へと歩みを進めると、チョークを取って黒板に文字を書く。
――I slept and slept in this week.
ひょとひょろとしたやる気のない文字とその内容に、クラスメイトの何人かがくすくすと笑いを漏らす。一方であらあらと島岡はいくぶん不安げだ。
「骨削くん、寝すぎては逆に体を壊しますよ?」
「とはよく言いますけどね先生、中にはあっしみたいに寝ても寝足りないヤツもいるもんさね」
「そうなんですか? たまにはお散歩でも……あっ、趣味とかないのかしら?」
これ以上深く言及されるのはまずかった。うっかり趣味など答えようものなら、「じゃあそのことを英語にしてください。今」などとほわほわ迫られ兼ねない。
あーっと……と教壇の上で目を泳がせていた骨削は、ぼんやりと黒板を眺めていたらしい
跡野 茉莉
と目があった。普段物静かで何を考えているか分からない彼女は、視線がかち合っても顔色一つ変えない。かといってあちらから視線を外す訳でもなく、その黒曜石のごとく黒々した瞳で骨削を見つめ返している。
彼女のノートを、骨削は壇上からこっそり確認する(そう、彼はそこでようやく思い知ったのだ。教壇の上というのは生徒が思っている以上に生徒のことを見渡せるということを)。そのノートにはしっかり英文が書かれてある。
よし、彼女には悪いけどここは……
「それより先生、あっしはあちらの彼女、跡野さんの休日が気になるさねぇ」
唐突に名前を指名され、そこでようやく彼女はかすかに眉根を寄せた。そんな跡野に胸中で詫びながら骨削は言葉を続ける。
「ほら、彼女いつもあまり自分のことしゃべらないんですよぃ。前からお人形さんみたいできれいだなーって気になってて」
骨削がはにかみながらそう言うと、島岡はあら、と彼の思惑通り何かに思い当たったような表情を見せた。そうだったのあらあらうふふ、となぜだか島岡の方が嬉しそうだ。
「ですって、跡野さん。そういうことだから、次書いてくれますか?」
島岡にそう言われると、跡野はほとんど音を立てずに静かに立ち上がった。
「分かりました」
黒板の前まで歩いてきた跡野に、骨削は先生に気づかれないほどの声音で悪いねぇと告げる。
「私はべつに。英文も完成してるし」
淡白な応対だが、決して自分を指名させた骨削に腹を立てている訳ではない。あまり愛想を込めないしゃべり方は、彼女の地の性格によるものであった。
跡野はノートを片手に、黙々と黒板に英文を書き綴っていく。
――連休中、私はたまに寝子ヶ浜の海岸を裸足で歩いたりしていました。
――この時期はまだ泳ぐには冷たいけれど、歩くのにはちょうどいい季節でした。
――真夏よりも人が少ないため、水はとても透明で小さな魚たちをたくさん見ることができました。
――あるとき私はヤドカリの赤ちゃんを見ました。それはとても可愛らしかったです。
彼女のその透き通るような白い肌はあまり海遊びには似つかわしくない印象であったが、静謐な跡野の空気と誰もいない砂浜は不思議と近しいものがあった。
「ヤドカリの赤ちゃんってどういう感じなんでしょう。殻も小さいんですか?」
島岡の興味深そうな言葉に、跡野はチョークを持ったまま答える。
「私が見たのは、貝殻も小さかったですね。自分の体にあった殻を探すみたいなので」
「みなさんの制服みたいなものですね」
ほほえんでそう言う島岡の例えは絶妙に分かりにくい。
「先生。もう一文あるんですけど」
「あらほんと! この短い時間にすごいわ。ぜひ教えてください」
最初の文章も長く完成度の高いものだったのに、更にストックがあるとは。クラスメイトたちは驚いたような眼差しで跡野を見る。骨削だけでなく、普段教室の隅でぼーっとしている物静かな彼女に、みんな少なからず興味を持っていたのだ。
――雨の日、私はホラー映画を見ました。
――首のないゾンビの騎士の話で、彼のはかつて人間だった頃の記憶が残っているのです。
――涙なしには見ることができませんでした。
そう読み上げる跡野の顔は、言うまでもなく無表情である。
「いや、その映画たぶん泣ける系じゃなさそうな気がするさね……」
可能な限りボケに徹したい骨削であったが、さすがにその内容にはツッコまざるを得なかった。
その言葉に跡野はぼんやりと骨削に視線を向けると、かすかに首を縦に振った。
「あー……そうかもしれない」
「どっちだよぃ」
「以上が私のゴールデンウィークです」
完全に噛み合っていない二人の会話に、クラスから笑いが起きる。しかし周囲の空気などまるで意に介した様子のない跡野は、マイペースに席へと戻っていった。
「素晴らしかったわ。跡野さん。ゾンビの気持ちになって涙を流せるだなんて、とても心優しいのね」
教壇の隅では、島岡が感慨深げな面持ちで頷いている。
その様子を、これが天然か……と尻目に眺めつつ、骨削はふとあることを思いついた。
(せっかく教壇にあがったのだから、このままあっしが指名していけば面白いさね)
そして何より、自分が当てられずに済む。
そうと決まれば……と、未だ感動したようにほわほわ頷いている島岡に変わって、次に指名する生徒を探す骨削であった。
どうにか嘘の思い出をでっちあげた
御風 不二夫
は、ふうと一息ついてシャーペンを置いた。
しかし、完成したとはいえ嘘は嘘。おまけに御風は残念なことにあまり嘘が得意ではなかったのだ。これってもしかして不自然な内容になってないよな、と一抹の不安を感じながら彼は完成した英作文に目を通そうとしたとき、
「はい、じゃあ次は~、御風くん!」
名前を呼ばれた。反射的にびくっと肩を震わせたが、その声音は明らかに先生のものではない。顔を上げると、さも教師がやるように教卓に手をついた骨削の姿が見えた。
「は? 何やってるんだあんた」
「いやー、先生の代わりに指名することになって」
ね、先生! 骨削がそう言うと、仕方ないですねー今回だけですよー、と島岡は微笑む。
「知らねーよ! なんで俺が当てられないといけねーんだよ!」
ただでさえ当てられたくなかった御風だ。そんな気まぐれで指名されてたまるかといきり立つ、が、そのいきり立ち方にいささか問題があった。
がたん、と椅子を蹴り飛ばすような立ち方に、隣に座っていた
深民 実々
はびくっと小さく肩を震わせた。幼げな彼女の怯えた様子に、御風ははっと我に返る。
(いけねえ……! 指名されてキレる優等生がどこにいるんだよ!)
落ち着け落ち着け俺、と御風はごほんとひとつ咳払いする。その音は静まり返った教室にやけに大きく響いた。
「……大声出してわりいな」
「た、立つんなら静かに立ってよー!」
驚いたように目を見開いていた深民は、御風の言葉に口を尖らせて訴えた。そんな彼女にもう一度謝ると、彼はノートを持って黒板の前に歩み寄る。
「おたく、マジメそーに見えてキレると怖いタイプ?」
「は? 俺のどこが怖いんだよどー見ても勤勉だろ?」
骨削にメンチをきりながら言う御風。説得力は無論ゼロである。
あーもう、と苛立ちながら御風は黒板にでっちあげの英文を書いた。
――今年のゴールデンウィークは、公園でゴミ拾いをしました。
――そして、連休中は雨が降らなかったので、学校の花壇に水をあげました。
――とても有意義な休日でした。
完璧だろ、完璧な勤勉さだろ……!
恐る恐る振り返ると、堪えきれずと言った様子でふっと笑い声を漏らす
屋敷野 梢
と目があった。
「な、何がおかしいんだよ」
「いや、見かけによらずボランティア精神あるんですねー、御風くんって」
「見かけによらず……」
そんな彼女もまた、見かけによらず案外はっきり言うタイプなのであった。
投げかけられた言葉にずーんと沈む御風であったが、そんな彼に島岡が声をかける。
「いいえ、落ち込むことはないですよ御風くん。とっても素敵な休日を過ごしたんですね」
そう言うと、黒板の英文に赤いチョークで花マルをつけた。いい年してつけられる花マルは、硬派な御風にとってやや気恥ずかしいものであったが仕方ない。ありがとうございます、と早口に頭を下げる。
「英文も完璧! 予習復習もきちんとしているんですね」
島岡は笑顔のまま御風に歩み寄ると、彼にしか聞こえない声でそっと告げた。
でもいつか、本当の思い出も聞いてみたいです、と。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
花村翠
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
学校生活
定員
30人
参加キャラクター数
23人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年05月20日
参加申し込みの期限
2013年05月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年05月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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