お昼前の授業は、みんな心なしかそわそわしている。
黒板に文字を書きながら、
島岡 雪乃は背中越しにその浮ついた空気を感じていた。授業中の教室にはチョークの鳴る音だけが鳴り響く、はずなのだが。
がさごそ鞄を漁ったり、声を潜めておしゃべりしたり、問題は進んでいないのにパラパラと本をめくる音がしたり。
そしてすやすや聞こえてくるのは寝息かしら?
(教壇からは、よーく見渡せるんですからねっ)
島岡が振り返ると、生徒たちはサッと素早い動きで姿勢を正す。いつもはみんな好き放題なのに、こういうところだけ妙に統率がとれているのだ。それがなんだかおかしくてほほえましくて笑いそうになってしまう。
大学を出たばかりの島岡は、どうしてもまだ生徒たちに学生めいた親近感を抱いてしまう。だめだめ、私は先生なんだから。心に訪れた小さなおかしさをきゅっと引き締めると、島岡はみんなに向きなおって口を開いた。
「はい、みなさんこっちを見てください」
そう言うと、みんなに見えるよう黒板に書いた文章を示してみせた。
それは英文、ではなくて日本語の文章だった。
「じゃあ、えっと……桜井くん、これ読んでくれますか?」
「え? あっ、はいはーい!」
立てた教科書の裏で携帯をいじっていた
桜井 ラッセルは、突然の指名に慌てて立ち上がる。
ヤバい難しい問題? と恐る恐る黒板を見てみると、そこには見慣れた日本語の文字。
「えーと……『ゴールデンウィークの思い出』」
若干棒読みになりながら答えると、よくできましたぁ、と島岡はほわわんとした笑顔を浮かべる。
「いや俺日本語読めますって! ハーフだけど日本語完璧ですって!」
的外れな賞賛をもらってしまった桜井がすかさずつっこむと、クラスでくすくすと笑いが起きた。
「ふふ、それくらいちゃんと知ってますよ。担任なんですから」
生徒のつっこみにもおっとりまじめに答えるのが、良くも悪くも彼女の持ち味である。
桜井が着席すると、島岡は改めて教室のみんなの方を見渡した。
(みんな、お昼が待ち遠しいのね。購買の焼きそばパン、早く行かないと売り切れちゃうものね……)
昼休み前の最後のひとコマ。
落ち着かない生徒たちの心中を察しながらも、しかし島岡は笑顔で本日の課題を提示した。
「今日はみんなに、ゴールデンウィークの思い出を書いてもらいたいと思います」
あっ、もちろん英語でね。島岡が付け足すと、ぎえー、と教室のあちこちからつぶれたような悲鳴があがる。
「15分経ったら発表してもらいますので、先生にみんなの連休を教えてくださいね」
ほわわんとした笑顔とは裏腹に、島岡先生の授業は意外とハードなのである。
こんにちは、花村翠です。
1組の皆さん、お待たせいたしました!
今回は授業風景シリーズ、1組のシナリオです。
授業はお昼休み前の4限目となります。
◆課題について
島岡先生から出された課題は「ゴールデンウィークの思い出」です。
このキャラはこんな風に過ごしただろうな~という内容はもちろん、もしくはみなさんが過ごした連休を寝子島の生徒に託して書かせみても楽しいのではないでしょうか?
字数の都合もあるかと思いますので、短い一文となっても構いません。
英語力が怪しい……という方も、学生時代を振り返る気持ちでぜひチャレンジしてみてくださいね。
もちろん「ぎえー」の人は書かなくても大丈夫!
私自身、そちらの部類の人間ですし……
よって、厳密な採点はしない方向です(すみません)
※なお、間違いを指摘されるスタイルを考えてらっしゃる方は、大変お手数ですが「ここが間違ってます」というツッコミどころを書いていただけると、適切に表現できると思います(すみません)
※解答に字数を割かれるかと思います。その際は短くその他の行動を指定いただければ、それをもとにアドリブ致します。
◆その他アクションについて
問題解答以外の行動ももちろん大歓迎です。
お構いなしに居眠りしたり、お昼まで待ちきれなくて早弁したり、分からなくて友達に聞いたり、むしろ友達と思い出話に花を咲かせちゃったり…
でも先生に怒られてしまわないように気を付けてくださいね!
◆他のクラスの方について
運営より表示されている特別ルールには、充分ご注意ください。
記載のルールに違反しない限りは、他クラスのみなさまもお待ちしております!
お昼休み前なので、お弁当持って待ち合わせするのもちょうど良さそうですね。
それでは、今回もよろしくお願い致します。