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寝子島高校
授業風景 ~1年1組の場合~
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先日から、なんとなく落ち着かない。
課題が発表されてもぼうっと黒板の方を向いていた
大田原 いいな
は、「あと五分ですよ~」という先生の声にはっと我に返る。書いては消してを繰り返したノートには、結局まだ文章らしいものは完成していない。
「いい加減、まじめに考えるかのう」
置いていたペンを握りなおすと、書きかけの英文の続きに視線をやる。
ゴールデンウィークの思い出……まず思い出すのは、やはり水族館での出来事だった。
あのときのことを書こうとすると、思い出そうとすると、もやもやとした変な気分になってしまう。
――私はこの連休に水族館へ行きました。
寝子島にある水族館「マリンパラダイス」は、ゴールデンウィークということもあり、大きな盛況を見せていた。寝子島高校の生徒たちの姿も少なくなく、見知った顔もちらほらといた。
――そして、そこでクラスメイトと会いました。
そこで大田原はある席へと顔を向けた。
黙々と英作文を続けるその後ろ姿。
草薙 龍八
だ。
(あやつはまりんぱーくにおった……大怪我しとったくせに、水槽を見て笑いながら……)
ぼんやりと青く暗い室内。まるで海底のようなその場所は、連休だというのにちょうどそのとき草薙しかいなかった。思い出すのは水槽を泳いでいた川魚の腹の白さより、彼の体に巻かれた包帯とギプスの白。
その白が、ずっと大田原の調子を狂わせるのだ。
胸に去来する言い様のない感情を、彼女は「怒り」であると感じた。感じることにした。
(そうじゃ、儂は腹が立っとるんじゃ。フツウじゃない草薙に腹立って仕方ないんじゃ!)
「怒り」はそのまま大田原の気持ちを攻撃的にさせる。このこの、と沸き立つ感情の犠牲となったのは白い消しゴムだった。小さなかけらとなったそれを、大田原は三つ編みの揺れるその背中に向かって投げつけた。
(この……この! あ奴が普段通りなら儂も調子を崩さんで済むんじゃ……!)
調子が狂うのも英作文が進まぬのも、ぜんぶあ奴のせいじゃ!
無関係な八つ当たりも含めて消しゴムを投げ続ける大田原。怒りを発散することに夢中だった彼女は、しかしそのためまったくの無防備であるとも言えた。
それまで大田原の猛攻にもものともせず課題を進めていた草薙であったが、急に振り返ってきたかと思うと彼女めがけて何かを投げてきた。
しゅっ、とまるで弦か何かで放たれたようにまっすぐ飛んできたのは、シャーペンの芯であった。
狙いは的確であった。消しゴムのかけらを投げようと振りかぶった手にちくりと当たる。
勢いがついているとはいえ所詮はシャーペンの芯。大した痛みではなかったが、それでも大田原の怒りを増幅させるのには十分すぎる反撃であった。
応戦かや!? と血気だった大田原は攻撃を続けようとする、が。
ちぎろうとした消しゴムは既に跡形もなく消え去っていた。
(ぐぬぬ、もうぜんぶちぎってしまったんか。こうなったら……)
待っておれよ草薙! と彼女は更なる報復に向けて鞄を漁りだすのであった。
そんな二人の攻防を眺めながら、
畑生 言嗣
は黙々と手を動かしていた。
(……はて、草薙君はこのクラスだったのか。知らなかったな)
反撃する草薙の動きはどこかぎこちない。きっとどこぞで何かをやらかしたのだろうということは、なんとなく分かる。その推察は想像の域を出ないものだが、だからどうということもない。
それよりも今は自分の作業である。
観察しながらも畑生の手は止まらない。コツをつかんでしまえば、手元を見なくともさほど困らないのだ。
編み物という作業は。
(糸はやはりこの色にして正解だったな。実際に編んでみると色味も変わってくるしな)
何事もそつなくこなす変わり者の天才肌にとっては、編み物もお手の物だった。的確な指捌きで編まれていく糸は、動物の四肢と思しきラインを形作っている。
なお、授業中に編み物をしている理由は謎のままである。きっと彼の中にも特にないのだろう。
残すところ頭部だけとなった。犬にしようか猫にしようか悩んでいると、とんとん、と遠慮がちに肩を叩かれた。
「ねえねえ……」
「ところで君」
肩を叩かれた畑生は、逆に呼びかけの言葉を口にした。
まったく予想していなかった言葉に「え」と硬直したのは
千鳥 雅人
であった。
悩んでも英作文が分からなかったため、思い切って(なにせ隣で黙々と編み物をしているのだ。思い切りだって必要だ)声をかけたのだが……君って俺のこと、と自分を指さして首を傾げる。
「私と君以外、他に誰がいるというのだ……。まあいい、それより尋ねたいことがあるんだが」
そう言うと、畑生は編みかけのあみぐるみを千鳥に見せた。
「犬にしようか猫にしようか悩んでいるんだ。どちらがいいと思う?」
これまた唐突な質問であったが、千鳥も千鳥であった。見せられたあみぐるみを「わあ可愛い」とまじまじ見つめる。
しばし考えるように眺めたのち、あ、と彼は声を上げた。
「なんかこーいう柄した猫、前に見たよ。野良猫かな」
「……ふむ。言われてみれば」
千鳥の言葉に、畑生は改めてあみぐるみを見た。
灰色に白が混ざったその柄は、確かに猫の方が相応しいかもしれない。
「じゃあ猫にするかな。ありがとう千鳥君」
「いやいやそんな。……あ! ねえ、それより英語、教えてほしいところがあるんだけど……」
あやうく本題を忘れるところだった。いいかな、と遠慮がちに尋ねると畑生は軽く頷いた。
「いいとも。君には犬か猫かという重要な選択を迫ってしまったからね」
え、あれそんな重要だったの、と素直に真に受ける千鳥をよそに、畑生は腕を伸ばして勝手に彼のノートを取り上げる。
ノートにはほとんど未完成の英作文しか書いていない。
――ゴールデンウィーク中に、実家に帰りました。
――僕の実家は、
文章はそこで終わっている。
「実にミステリアスだ」
的外れなことを言う畑生に、千鳥が補足するように言う。
「続きが分かんなくてさぁ。僕の実家、神社なんだけど英語でなんていうの?」
千鳥の問いかけに、畑生はノートの隅にさらっと単語を書く。Ginger と。
「ジンジャーだ」
「へえ、そうだったんだぁ。ありがとう!」
「……嘘に決まっているだろう」
まったく君の先行きが不安になるよ、と畑生はわざとらしく息をつきながら単語を書き直した。
「shrine だ。神社は神道だから、Shinto をつける場合もあるな」
「へーえ、これは本当っぽいね。shrine か、神道……ふむふむ……」
千鳥は畑生の書いた単語を書き写す。
でも俺は畑生くんの先行きもだいぶ不安だなぁ……などと内心で思いつつ。
僕の実家は神社です。ようやく自らの出自を名乗れた千鳥は、次の文章を示した。
――実家では掃除や雑用のお手伝いをしました。
――働いている巫女さんに舞を見せてもらいました。とてもきれいだったです。
「一文目くらい自分で考えたまえ。辞書があるんだからさほど難しくないだろう」
畑生はそう言いながら、千鳥の机の上の辞書を指さした。
「ええー! 分かったら聞いてないよぉ……うう」
しかし畑生の言葉ももっともだ。彼にばかり頼っていてはいけない。
机の上でお飾りになっていた辞書を開くと、まずは分からない単語を調べていった。掃除は clean。雑用は chore。
(ふーん。知らないことがいっぱいだな。忘れないようにしなきゃ)
これまでの教科書を振り返りながら諦めずに文法も当てはめていくと、どうにか文章らしきものを完成させることができた。
できた! 俺でもやればできるんだ! と千鳥は達成感に満ちた顔で畑生の方を振り返った。
「ありがとう畑生くん! おかげで自分で解くことができたよー!」
「いやいや、こちらこそ」
おかげで猫が完成した。なかなかの出来だ。
千鳥が問題を考えるわずかな時間で頭を編み上げた畑生は、いつもの仏頂面のまま、心なしか満足げに礼を告げた。
「はーい、みなさんこっちを向いてください」
教室を一通り見て回った島岡は、ぱんぱんと手を叩いて声を上げた。
「みなさんだいぶ完成したようなので、そろそろ発表したいと思いまーす」
島岡のぽややんとしたその声は、しかしクラスのみんなにとっては処刑執行の合図に似た響きを持っていた。
――発表!
その言葉の重みに、みんなの視線は自然と下へとさがってゆく。
授業もいよいよ終盤だ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
花村翠
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
学校生活
定員
30人
参加キャラクター数
23人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年05月20日
参加申し込みの期限
2013年05月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年05月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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