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夜とお菓子と、あとひとつ。
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星ヶ丘寮に暮らす
椿 美咲紀
の自室には隠し部屋がある。
本棚の後ろに広がっているのは、美咲紀曰く『文学的なエッセンスを加えた人類の永遠のテーマ』な、『見目麗しい男性が赤裸々に内面と外面を織り成す』薄い本にCDにDVDが四方の壁の本棚を埋める光景。
要は美咲紀が欲望赴くままに蒐集した膨大な量のBL関係品を納めた、できれば男性には、特に好意を抱く男性には決して見られてはならないその隠し部屋を、先日、よりにもよって自宅に呼んで勉強を教えて貰っていた
八神 修
に見られてしまった。
この世の終わりかとも思えたが、案外なことに修は理解を示してくれた。その上、少なからず興味さえ示した。本人は毅然と否定したが、美咲紀はそれを興味を惹かれたがゆえの羞恥と取った。
(あの日は勉強にならなかったな)
頭から煙さえ出そうな難しい顔をして問題集と格闘する美咲紀を眺めながら、修は小さな息を吐く。
結局、先日美咲紀宅で行われた勉強会は早々にしてBL映画鑑賞会に様変わりした。
その先日の遅れを取り戻すべく、ついでに高校一年で習う五教科の総括をすべく、今日は修の家に場所を移し、修と美咲紀は机に向かいあっている。
隠し部屋の存在を恥じる美咲紀に対し、修は己の邸宅にも、そしておそらくは星ヶ丘に居を構える少なくない邸にも隠し部屋の存在があると口にした。今日ふたりが居るのは八神家の『隠し部屋』。
地下に数室設けた『隠し部屋』には、トレーニング用の器具を集めたジム室や、機工学を学ぶついでにロボットを組み立てたりしている工作室までもある。飛んだり跳ねたり、物音の立つ作業をするには何と言っても地下が適している。
「シューくん」
「ん」
「ここがどうしても解けません」
子猫のような黒い瞳を歪めて泣き出しそうな顔で助けを求める美咲紀の手元を覗き込む。
「ああ、ここは――」
丁寧に解説しながら、修は淡く笑む。こうして勉強を教えることは、己の理解度を深めることにも繋がる。昔から家同士の繋がりもある美咲紀とよく勉強会をするのは、美咲紀のためもあるが、ひいては自身のためでもある。
「シュー君は何を調べているのです?」
すぐに集中力が削げて他に目が行くきらいはあるけれど、美咲紀は良い生徒だ。少なくとも、勉強しようという気はある。
「今? 分子標的薬の最新研究状況を調べてたんだ」
「ぶんし……?」
訳のわからぬ顔をする美咲紀に、修は微笑む。
「薬で治せ、予防もできる時代になると良いな」
「学校の勉強は?」
「夕方済んでる。短時間に集中してやるのが俺流だ」
事もなげに笑う修に、美咲紀は感心したように目を瞠った。ポニーテールの髪を揺らし、頑張って問題集と向き合おうとする。
修に教えられた方法で問題を解き、
「……お腹が空いたのです……」
解いたところで集中力とやる気が失せた。
(頭使うとお腹か空きますよね)
八神家のコック特製の晩御飯を食べてからの勉強会ではあるものの、勉強を始めて数時間。日付が変わるまでもう少しの時間に至って、空腹感は半端ない。
「何?」
「お腹空くと勉強の効率が落ちるのです」
資料に落としていた視線を上げ、困ったような呆れたような顔をする修をちらり、上目遣いに見る。
「補給なくして闘いは進められないのです……」
美咲紀から息抜きと食べ物をねだられ、修は小さく肩をすくめた。こうなってしまった美咲紀は何か口にしないことには勉強しない。長い付き合いでそれはよく知っている。
とは言え、簡単につまめるようなジャンクフード的な菓子は家には置いていない。何か作るにしても、この時間にキッチンに立てば、朝早いためにもう就寝しているだろう使用人を起こしてしまいかねない。
嫌な顔ひとつせず何かしら温かいものを作ってはくれるだろうが、わざわざ起こすのは忍びない。
(……そうだな)
修はひとつ頷く。
「近くのファミレスが終日営業だったな。行くか」
悪戯っぽく笑えば、美咲紀は目を輝かせて歓声をあげた。
芝居じみた仕草で唇に人差し指を立てながら、修はまた笑う。使用人の目を盗んでこっそり家を抜け出すのは、きっとスパイみたいで楽しいだろう。
冬の夜の星ヶ丘を歩き、暗がりに眩しい光を放つ二十四時間営業のファミレスに入る。
「意外と人がいますね」
店員に案内されながら店内を見回し、美咲紀は黒い眼を丸くした。席につき、いそいそとメニューを広げる美咲紀を横目に、修はコーヒーのみを注文する。
「頭脳活動にはエネルギーが必要なのですよ?」
そして、と美咲紀は続ける。
「シュー君、なぜ単語帳など持っているですか」
メニューを広げ、どれにしようかと楽し気に迷う美咲紀にここでまで勉強かとたしなめる口調で制止され、修は鞄から取り出して広げようとしていた単語帳を閉じた。鞄に戻し、他のものを取り出そうとしたところで、
「やっぱり修ちゃんなのだ! 美咲紀ちゃんも!」
斜向かいの席から元気いっぱい手を振る
後木 真央
と目が合った。
「どうしたんだ、こんなところで」
「ドリンクバー全ミックスジュース! なのだ!」
毒々しい濃紫色して泡立つ液体の入ったコップを高々と掲げ、食キングを目指す真央は堂々と薄い胸を張る。
「すごい色ですねー」
「いけるいける、全然オッケーなのだ!」
怯えた目をする美咲紀にサムズアップをしてから、真央はコップ一杯の謎の液体をスマートフォンのカメラで撮り、ねこったーにアップする。そうして流麗な動作で怪しい飲み物を一気に喉に流し込んだ。
しばらく動きを止める。
「……ッ、ッッ……!」
「……大丈夫か」
「これで朝まで闘えるのだ!」
少々遠巻き気味に心配する修に握り拳を突き上げて見せ、真央は立ち上がった。
「次はラーメン屋に突撃なのだ。朝まで食い続けるのだ! 飯テロし続けるのだ!」
「ラーメンもいいですね」
雄々しく宣言し、冬の空の下へと飛び出していく真央を窓の外に見送って後、美咲紀は通りがかりの店員にカニ雑炊を頼んだ。謎の液体を生み出せるドリンクバーを眺め、猫をも殺す好奇心を封印して視線を修に戻せば、修は無心に英字新聞を読んでいる。
「ほえ、タブレットじゃなくて紙の新聞!?」
「いけないか?」
「いけないことはないのですが」
英字であるのならば尚更、インターネットで記事を追いかけた方が最新情報を得られる。それなのに敢えて紙媒体を選ぶ理由は何なのだろう。
首を傾げている間に注文の蟹雑炊が届いた。
木製の鍋敷に鎮座したひとり用鉄鍋の中、蟹と三つ葉の香含んだ湯気が立ち昇る。まだふつふつと沸き立つ雑炊をレンゲで掬い、別添えの椀に取り分ける。
深夜に近い時間帯に食べるのならば、お腹にも体重にも優しい雑炊がいい。
(ラーメンにはもちろん惹かれますが)
蟹と鰹の出汁をめいっぱい吸った上に卵の衣をうっすら纏った熱々の雑炊をレンゲいっぱいに掬い口で吹いて冷まそうとして、鼻先に雪崩寄せる暴力的なまでの蟹の匂いに負けた。熱々のまま頬張って慌てる。慌てながらもしっかり味わい、思わず笑みを零す。熱い。美味しい。
(ぬくぬくです)
冬空の下を歩くうちに冷え切ったお腹が、あったかいご飯に満たされていく。指先まで爪先まで、あったかい食べ物の熱が行き渡る。
知らず、ああ、と溜息が落ちた。
「なんて幸せー」
温かい頬を押さえて笑ったところで、英字新聞の衝立の向こうからこちらを見る修と目が合った。
「シュー君?」
ほんの僅か、照れたように修は眼を伏せて微笑んだ。新聞に目を落とし、根負けしたように新聞を畳んで鞄に仕舞う。
「見てると欲しくなるから気を紛らわしてた」
「ほえ」
「美咲紀は全力で美味しそうに食べるから」
店員を呼びだし、ノンオイルドレッシングの温野菜サラダを頼む修のついで、美咲紀はデザートのレアチーズケーキも注文する。そうしながらも、気になるのは修が鞄に片づけた英字新聞。
「その新聞、お店のものじゃなくシュー君のだったですか」
「たまたま持ってた」
「たまたま持っているものなのですか」
「鞄に入っていた」
美咲紀の胡乱気な視線を、修は心底不思議そうに受け止める。
「野菜だけで戦えますか」
修の生真面目な顔に負けて、悔し紛れに修が頼んだ温野菜サラダが届くなりケチをつけてみるも、
「ほら、タンパク質」
サラダの上の大豆を指されて再度負けた。大人しくサラダと一緒に供されたレアチーズケーキを口にして、口にした途端そのまったりとした甘さに頬を緩める。
「俺の家にある荷物取って帰るか、それとも泊まるか。どうする?」
美咲紀の機嫌が直ったところを見計らい、尋ねる。レアチーズケーキを味わいながら、美咲紀は当然のように答えた。
「シュー君のトコに泊まるです」
「ああ、それじゃいつもの客間に泊まってけ」
「ありがとです」
だってあと少しで取り掛かっていた問題集が終わる。
それに、問題集しながらの方が息抜きに執筆している妄想BL小説が捗るというもの。
ともすれば執筆の方で夜更かしになってしまいがちなことは、修には黙っておこう。
「シュー君トコの朝ごはん美味しいので楽しみ。焼き立てパンが私を待つのです」
ケーキを食べながらとてもいい笑顔を見せる美咲紀に、修はつられて笑う。
「俺はジム室でひと汗流してから寝るよ。美咲紀もあまり夜更かしせずに、な」
執筆活動を見透かしたかのような修の言葉に、美咲紀は気まずく視線を逸らす。内心冷や汗を垂らす美咲紀に気付いているのかいないのか、修はひょいと手を伸ばしてポニーテールの頭をぽんぽんと軽く叩いた。
「日付が変わる前に寝ないと色々育たないぞ」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
16人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年12月08日
参加申し込みの期限
2016年12月15日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年12月15日 11時00分
参加キャラクター一覧
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