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夜とお菓子と、あとひとつ。
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駆けていたときのそのまま、心臓が跳ねている気がする。
手足の筋肉に負荷を掛けていたそのときのまま、身体に力が籠っている気がする。
夕の刻から身体を動かし続けてすっかり疲れているはずなのに、出来得るなら横になって朝まで眠りこけてしまいたいのに、跳ね続ける心臓がそれを許さない。鼓動に突かれて巡り続ける血がどうにも騒ぐ。
窓を塞ぐカーテンを静かに開く。身体に滾る熱を少しでも鎮めようと窓を開ければ、冬の匂いの北風が部屋に雪崩れ込んできた。
切り裂くように頬を掠める冬の終わりの風に黒髪を乱されながら、
七峯 亨
は火照った心身を冷やす風の心地よさに唇の端を小さく笑ませた。
凍てついた空に白い息を吐き出す。
夜陰に高々と昇って澄んだ光を放つ月の光も、静まり返った町並みも、深夜の様相。
冷たい床に踏ん張った裸足が、それでも未だ熱を帯びている。
独り暮らしの部屋に戻ってもいつまでも部屋着になりきれず、そわそわと騒ぐ心と体を持て余す。眠りに落ちる気にもなれず、かといってこの時間では、騒めく気持ちを発散できるような手合わせの相手もない。
夜風に当たるうち、僅かに熱を奪われた指先を掌に握り込む。空気を入れ替えた部屋の窓を閉ざし、カーテンも閉ざす。
どれだけ心と体が外に出てもう一走りくらいしたがっていても、今から外に出る気はない。体調管理は実家のある鹿児島の祖父母に叩き込まれている。
(……さて、)
となれば、することはひとつ。
(疲労回復と安眠を狙った夜食づくりといこう)
幸い独り暮らし、夜中に調理場に立って困るような同居人はいない。
台所に立ち、儀式のように冷たい水で手を洗う。そうしながら考える。
(あくまで夜食だから、)
あまり重くはすまい。
独居用の小さな冷蔵庫を開く。パック詰めの刻み葱を手に取りつつ、ちらりと首を傾げ、次に冷凍庫を開く。取り出したのは、故郷から時折送られてくる食料品満載のダンボール箱に詰められていた真空パックの馬肉。
小分けの馬肉をパックごと流水で溶かす間に、炊飯器に残っていた白飯を耐熱ボウルに入れ、電子レンジで温める。
馬肉の切り落としはフライパンで炒め、補給物資に含まれていた九州醤油にお酢を落としたタレで味を付ける。甘い九州醤油は酢を混ぜれば甘酢のような味になる。焦げて香ばしいタレは馬肉によく合う。
そのまま味見の勢いで食べ尽してしまいたいところを我慢して、ボウルの中の白飯に刻み葱と共に混ぜる。満遍なく混ぜ、ラップに包んで二つ三つとお握りを作る。
(揚げ玉はないが)
今度買っておこうと思いつつ、馬肉を炒めたフライパンにお握りを並べる。焼き色がついてくると同時、台所に温かく満ちてくる九州醤油の香に思わず頬が緩む。腹が急速に空腹を訴え始める。
(九州風たぬきおにぎりというか、鶏めしならぬ馬めしおにぎりというか……)
焼き上がったお握りを皿に並べ、
(完成!)
出来上がりに満足して、その途端に思いついた。
(名前付けるなら『さくらだぬき』、そんなところだぜ)
馬肉も酢も、摂れば疲れが和らぐ。故郷である鹿児島で、祖父母に一通りの武術を厳しく仕込まれていた頃から、それは身に染みて知っている。
厳しく鍛錬してくれたお陰で頑強な心身の基礎を手に入れられたとは思うものの、祖父母は未だに怖い。正直なところ超怖い。だから帰省は緊急時以外ほとんどしていない。
修行とも言える故郷での日々を思い出して、またうっかり身体を動かしたい衝動に駆られるも、そこは何とか堪える。今動けば、ますます寝付けなくなってしまう。
鍛錬したい欲を抑えつけて、息をひとつ吐き出す。
(ついでに飲み物も作るか)
暖まるものがいい。疼いて逸る心を落ち着かせるような。
冷蔵庫をもう一度覗き込む。取り出した牛乳をシンクの水切りに伏せていたカップに注ぎ、砂糖とチューブ入りの練り生姜をスプーン一杯分ずつ。よく混ぜてからレンジに放り込む。
真夜中の台所に響く電子レンジの駆動音は、何だか少し心が和む。扉が開けば温かい物が出来ている安心感のせいだろうか。
『さくらだぬき』の皿を独り暮らしの食卓に置く。出来上がりを知らせるレンジから出したジンジャーミルクを並べて、ふと苦笑が湧いた。
(牛乳とご飯もの)
一緒に摂りにくい、と取り沙汰されているのを見たのはいつかどこかで見たテレビニュースでだったか。
出来立ての夜食を前、ちらりと反駁する。
(けど、こうすればちょっとしたデザート付きの夜食になってリッチ感も出る、だろ?)
食卓につく。祈るように丁寧に手を合わせる。
「いただきます」
じっくりと味わいつつ体を温めよう。そうすればきっと、休息を取るための体が出来上がる。そうなればしめたもの。凪いだ心と体を横に休め、静かに、穏やかに眠りに就こう。
明日に備える、そのために。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
16人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年12月08日
参加申し込みの期限
2016年12月15日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年12月15日 11時00分
参加キャラクター一覧
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