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夜とお菓子と、あとひとつ。
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夜の空に白い息を吐き上げる。
「……寒いな、ルヴィア」
春も間近とは言え、まだまだ夜は凍える。腕に座らせるように抱えた黒髪緋眼の人形ルヴィアを上着の胸元に抱え込むようにしながら、
御剣 刀
は呟いた。
とある神魂絡みの事件で縁を得て引き取った人形は、今はもう動きも話もしない。それでも、刀はルヴィアには魂が宿っていると信じて疑わない。心を尽くし、様々なものをそのルビーの瞳に映し続ければ、きっといつか、ルヴィアの固く閉ざした心は解ける。そう信じている。
だからこそ、暇があれば毎夜のようにルヴィアを連れ、神魂による異変が起こっていないかの見回りを兼ねて散歩をする。
微塵も感情を表さぬ人形の白い頬を見下ろす。氷のような頬を壊れ物を扱うような優しい掌で触れ、ポケットから携帯電話を取り出す。道に落ちる外灯の光を頼りに画面に呼び出すのは、ねこったー。寝子島の人々も多く愛用しているという短文投稿型のネットワークコミュニケーションツールは、その性質ゆえか神魂が絡んでいると思われる事件を示唆する妙な噂もよく出回る。
神魂に関する投稿を探してねこったーをチェックしていて、気づいた。
「……何だ?」
塩そばと唐揚げ、豆腐お好み焼き、おにぎりとお味噌汁、焼き鳥乗っけポテトサラダ、おでん出汁うどん唐揚げ盛り。不思議なほど、美味しそうな画像とコメントが並んでいる。
画面を眺めているうち、お腹が鳴った。
「……うん」
腹の虫が鳴いたことを誤魔化すように携帯電話を上着のポケットに仕舞う。
「今夜は冷えるし、ちょっと温かい物でも食べようか?」
抱えたルヴィアに言い訳じみて零し、感情を映さぬはずのルヴィアの瞳から気まずげに視線を逸らしたところで、刀は道向かいの公園に灯る屋台ラーメン屋の提灯に気付いた。
白い息を吐きつつ、屋台まで駆け寄る。
「おじさーん、ラーメンひとつ」
暖簾をくぐるなり目の合った無口な店主に会釈するなり、刀は勢い込んで注文した。席につき、ルヴィアを膝に乗せて、
「後木」
「刀ちゃん」
端の席で炒飯盛チャーシューメンなるジャンクな一杯にがっつく同学年の少女を見つけた。どうやら自作らしい怪しいラーメンを素晴らしい勢いで平らげる様子を横目に眺めれば、また腹が情けなく鳴いた。
「ごちそうさまなのだっ! 刀ちゃん、また明日なのだっ」
米の一粒汁の一滴も残さず胃に納め、腹の底からの温かさに頬を赤くしつつ、真央は立ち上がる。
「気をつけて帰れよ」
「神への道はまだまだ遠いのだ! 次こそは牛丼屋にゴーなのだっ!」
時々思いがけぬ奇行に走る少女は、今日は夜食食い尽し行脚でもしているのか、無闇に気合を入れて夜の街へと駆けて行く。
見る間に小さくなる背中を振り返り見送って、前を向けば、お待ちかねのラーメンが待っていた。早速箸を割る。
チャーシューに白髪葱、煮卵が半分。シンプルだからこそ滋味深いラーメンの熱が、優しく小腹を満たし寒さを癒してくれる。
「美味い」
率直な賛辞に笑う店主の背後、『海鮮ラーメン』の貼り紙を見つけ、思わずそれもと追加注文をする。
塩が烏賊や海老や白身魚の味を引き立たせるラーメンも迷わず残さず食べて、刀はこれでしばらくは不満を言わないだろう腹を擦る。
(いや~、食った食った)
「ご馳走様でした」
膝の上のルヴィアを抱え、店を出たところで、刀は見てしまった。
ラーメン屋の隣、いつの間にかおでんの屋台が出ている。
「むっ……!?」
一瞬、ほんの一瞬だけ迷ってから、出汁の香に引き寄せられるようにおでん屋台の暖簾を潜る。
「卵と大根とこんにゃくだけ! それだけ下さい!」
ラーメン二杯分で満たした胃袋を気遣って少なめに注文するも、
「美味い! 牛すじとはんぺんと巾着下さい!」
噛めばじゅわっと旨味の強い出汁を噴き出す大根を口にしてしまえば、他のものも頼まざるを得なくなってしまった。
(あー……)
ラーメンとおでんとで膨らんだ腹を見下ろしつつ、ふたつの屋台が軒を並べる公園を出る。今日に限って美味い店に二軒も出会ってしまった。こんな日は、もしかするとまた別の美味しいものにも出会えるかもしれない。
(これは夜食食べ歩きか!?)
うっかりとほくそ笑んだ食いしん坊な剣客は、けれど腕に抱えた人形と目が合った途端、黒い瞳をぎくりと瞬かせる。
「あっ、はい、ちゃんと見回りします……」
ルヴィアに文句を言われた気がして、真面目にいつもの夜回りを再開させるも、
「あ」
月明かりに眩しいコンビニの出入り口、高々と掲げられた『ホットスナックとコーヒーセットで三十円引き!』の幟を目にすれば、買うしかないとコンビニに立ち寄り、チキンにフランクフルト、ポテトにホットコーヒー、ついでに何故かレジ前に並んでいた焼き魚も購入する。
「あー染みる」
コンビニ前のベンチに腰掛け、ホットスナックとコーヒーで身体を温めていて、ふと足元に体温を感じた。見下ろせば、足元に人懐こい猫がすり寄ってきている。
「お前寒くて大変だろう」
焼き魚をお裾分けする。嬉しそうに魚を齧る猫の頭を撫でたところで、傍らで黙ってじっと座るルヴィアの視線を浴びた。
――猫にだけ?
人形が頬を膨らませたような気がして、刀は頬を掻く。
「ルヴィア。甘いもの食べるか?」
ラーメンにおでんにホットスナック、そう言えばしょっぱいものばかり食べていたと立ち上がり、刀は背後のコンビニに再入店する。今度買うのは甘いもの。いちご大福にシュークリーム、それからチーズケーキに苺ショートを模した贅沢アイス。
もう一杯めの熱いコーヒーをお供に冬空の下でアイスを食べ、甘味を口にする。そうなればもう、お腹はいっぱい。
「明日は稽古倍だな」
さあ帰ろう、とルヴィアを腕に立ち上がって、刀はルヴィアの不満の声を聞いた気がした。ちらりと微笑み、彼女をコートの胸に優しく包み込む。
「大丈夫、こんな夜はきっと何にも起きないよ」
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あとがき
担当マスター:
阿瀬春
ファンレターはマスターページから!
明けましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
お待たせいたしました。夜食のお話、お届けにあがりました。
リアクションを書きながら、何度「お腹空いたー!」とめそめそしたことか……。
読んでくださいました方が、「お腹空いたー!」と少しでも思って頂けますよう、心をこめて書かせて頂きました。
どうぞお腹を空かせてください。そして私と一緒に夜食を食べましょう……!
ご参加くださいまして、読んでくださいまして、ありがとうございました。
またいつか、お会いできましたら嬉しいです。
それでは、重ねてになりますが、今年もどうぞよろしくお願いいたしますー!
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
16人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年12月08日
参加申し込みの期限
2016年12月15日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年12月15日 11時00分
参加キャラクター一覧
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