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夜とお菓子と、あとひとつ。
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(お腹が空いた)
あったかい布団の中、
澪乃 澄佳
はぼんやりと瞼を上げた。
真っ暗闇な部屋の天井と、窓のカーテン越しにも分かる真っ暗闇な夜が目に映る。朝はまだ遠い。朝ごはんまではまだまだ遠い。
(……あんなに晩御飯も、食べたのに)
お腹いっぱいになるまで食べた晩御飯を思い出して、布団の中でお腹をさする。今日は北海道に住む姉が送ってくれた低温殺菌牛乳と鮭をたっぷり使った牛乳鍋だった。甘いキャベツと玉葱にほくほくの馬鈴薯、脂まで甘い豚肉、隠し味にはお味噌とバター。シメにはもっちもちのじゃが芋餅とラーメン。
あんなに食べたのに、と自分を戒めるつもりが、晩御飯を思い出した途端、逆にますますお腹が空いた。あんまりお腹が空いて目まで覚めてしまった。
寝ている間に空っぽになった胃が悲しい声できゅうと鳴いて、思わずもう一度お腹を擦る。すっかり冴えてしまった雪雲色の目も擦ってしまえば、もうだめだった。我慢できない空腹に追い立てられ、布団から抜け出す。布団の上に置いていた綿入れ半纏を羽織り、冷たい床を裸足の爪先で探り、冬用もこもこスリッパを履いて立ち上がる。
(冷蔵庫に、たしかヨーグルトさあったような……)
こっそりと部屋を出る。兄や両親を起こさぬよう、足音をひそめて廊下を渡り、暗いキッチンに忍び込む。そうっと台所の戸を締めたところで一息吐いて、ぱちり、電灯のスイッチを入れる。
電気の眩しさに瞬きしながら、出来るだけ音を立てないように冷蔵庫のドアを開ける。
「……あ、」
途端、目の前に飛び込んできたのは昨日焼いた林檎のパイだった。
知らず口から出た自分の声の大きさに自分でびっくりして、咄嗟に口を掌で押さえる。
「珍しいねえ」
声を落とし、ぽつり呟く。いつもなら、作った端から父か兄が食べ尽してくれて残っていないはずのお菓子。一口サイズに分けて作った林檎パイを何気なく手に取り、ぱくり、口にする。
(んむ、そんなに乾いてない)
しっとりとしたパイ生地が舌の上でバターと蜂蜜の香を広げ、パイの中にいっぱいに詰めた林檎の爽やかな歯触りと甘酸っぱさがカスタードクリームの柔らかさを纏って解ける。
(よかったあ、美味しく食べれて)
生地に蜂蜜を入れたのは正解だった。
(次も蜂蜜で生地さ作ろうかなあ)
ふんわり思ってから、
「……じゃない!」
澄佳は弾かれたように顔を上げた。半纏の背中に広がる黒髪をぱたぱたと揺らし、首を横に振る。
「あ、あたしはなんてことを……」
夜中に甘いものなんて!
ほとんど無意識に頬張ってしまった林檎パイをもぐもぐ味わいつつ、受けた衝撃の重さに思わずよろめく。
お菓子は作るのも食べるのもとてもとても好きだけれど、満腹になるのはとてもとても幸せなことだけれど、そうは言っても色んなものを美味しく頂きすぎている気がする。
(お腹回りが……)
最近気になるお腹に触れる。分厚い半纏越しには分からないけれど、最近はちょっぴり、ほんのちょっぴり、厚みが増した気がする。だってふにふにつまめてしまう。
(と、ともかく、残りは明日にしないと)
あまりの美味しさに、恐ろしいことに知らない間にもう一個手にしていたパイを皿に戻す。ラップを被せて封印する。
(美味しかったけど、我慢しなきゃ)
「ええと、ヨーグルトは……」
林檎パイでお腹を膨らませたい気持ちを必死に堪え、声にしながら冷蔵庫を探る。今食べるべきは低カロリーなもの。家にある低カロリーなものと言えばヨーグルト、のはず。
「あったあった!」
冷蔵庫の上の段で見つけたヨーグルトのパックを取り出し、冷蔵庫を締める。食器棚からカレースプーンを取り、食卓に着く。パックの蓋を外し、内蓋のフィルムも剥がす。
(これなら大丈夫だよねえ)
ヨーグルトの乳白色な塊をスプーンですくい、ぱくり、口に含む。まったりと広がる優しい酸味とミルクの甘みは、
(う、)
美味しい林檎パイのあとだとどうにも味気ない。
(砂糖、)
砂糖が足りない。圧倒的に足りない。
(……でもでもっ)
懊悩しつつもう一匙ヨーグルトを口に入れる。もう一匙。もう一匙。
「て、食べすぎたらダメでしょや!」
もう一匙、口の前に運んだところで気が付いた。でも掬ってしまったものはしょうがない。ぱくり、食べる。食べてからまた気付いた。大きいパックにまるごと口をつけてしまっている。
(どうするべなあ、これ……)
三分の一ほど減ったヨーグルト(大パック)を前に、食いしん坊は途方に暮れる。
(家族だし、気にしないでくれるべか)
悩んで悩んで、
(……ケーキの材料にしたら、バレないし美味しいかなあ)
思いついた深夜一時。
そう言えばしばらく前に開けたジャムがあった、と澄佳は買い溜めしたお菓子の材料入れをがさごそ探す。見つけ出した苺ジャムの大瓶を手に、思わず柔らかな頬がふんわり緩んだ。
(よしっ)
ヨーグルトとジャムを混ぜて、ホットケーキミックスの生地に入れて焼いてしまおう。そうすれば、ほんのりチーズ風味な甘いケーキができあがる。
(お手軽レシピがあると、こういうときに便利だよねえ)
ほっかほかでふわっふわなケーキは、冷やして落ち着かせればしっとりする。一味違った美味さも楽しめる。
(残ったら学校にも持って行こうかなっ)
わくわくと上機嫌で材料を出し、道具を用意する。手際よく準備しつつ、真夜中のキッチンでジャムの大瓶とヨーグルトのパックを片手ずつに持ってから、澄佳は真剣に首を傾げた。
(……あれえ?)
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
16人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年12月08日
参加申し込みの期限
2016年12月15日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年12月15日 11時00分
参加キャラクター一覧
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