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【星幽塔】第三階層 星降る農場物語
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【お掃除革命】
「なるほど、これは便利だなぁ」
彼女の手腕に、リアも感嘆の声を上げました。
農場の近く、物置として使われていたという小屋の雑然とした有様は、今はすっからかん。積もったホコリが目に付くばかりで、あれほどにあふれていた物たちが、今は影も形もありません。
では、運び出したはずのそれらは一体、どこにあるのか? と言いますと……うっすらと微笑む、
旅鴉 月詠
の手の中!
彼女が持っているのは、スケッチブックの束。一枚ずつそれぞれに、何やら絵が描かれています。それは、年季が入って傷だらけの机の上で踊るモグラ妖精だったり、錆びついたクワを武器めいて勇ましく掲げるモグラ妖精だったり、ひび割れた瓶のなかからひょっこりと顔を出しているモグラ妖精の絵だったりしました。
「言ったろう。秘策があるとね」
つまり月詠は、物置に収められている全ての品々を、ろっこんで絵の中に封印してしまったのでした。一枚一枚の絵は、それそのものがいわば『中の物カタログ』となり、必要なものといらないものを仕分けた上でぴりりと絵を破れば、たちまち品物はもとどおり。重たい物やかさばる物を運ぶ手間を一気に省いてしまった、月詠のお手柄アイディアでありました。
「というわけで、リアさん。あなたには、この中から『いるもの』『いらないもの』を選り分けてほしい」
「うん、分かったよ。そうだね、これはもう必要のないものかな。これもいらない、これも……おっと、この椅子は取っておこうかな」
「ああ、そこのそれ。その蒸留器とか濾過器は必要だから、取っておいてくれ」
嬉々として品物の選別に参加しているのは、
天神平 庵
です。彼女はそのものズバリなお薬屋さんでありまして、小屋の本来の用途である加工場としての体裁を整えるにあたって、これ以上になく的確なアドバイスをしてくれます。
「それに、材料をすり潰す薬研に、煮詰めるための大鍋、かまどもあればいいな」
「これとこれ、これかい?」
「おお、あるじゃないか! って、ちょっと壊れてるな。それ、先に絵から出しちゃっておくれ、あたしが直しとくから」
「はいはい。了解」
月詠がぺりぺりと絵を破ると、どしゃっと現れた器具たちが広げたビニールシートの上に転がって、庵はさっそく張り切ってそれらの修理を始めます。
メガネに宿した、手先の器用さやカンの良さを高める盗人の光もまた、大いに役に立ってはいたことでしょう……けれど一番頼りになるのは、庵自身の薬物に関する知識と技量でありました。何しろ、寝子島にて営む『天神平薬局』を本店とするなら、こちらでは『
天神平薬局・星幽塔支店
』とでも呼ぶべきお店まで開いてしまった、こと薬に関してはエキスパートな彼女のこと。器具の扱いだって慣れたものでして、流れるようにテキパキと修理していく、その手際といったら目を見張るばかりなのです。
おまけに彼女の恰好は、牛頭を持つ古代中国の医薬と農業の神、『神農』がモチーフのコスプレです。
「薬のことなら、あたしにお任せあれ!」
何とも、筋金入りでありました!
と、
「……ふう。井戸から水を汲んできたわ」
「ああ、ご苦労様。重かったろう?」
お掃除用にと、綺麗な水を満載した桶や瓶を運んできた
大天使 天吏
は、ごとりとそれらを地面へ置くと。額ににじんだ汗をぐいと拭って、道すがらに思いついたというアイディアを、リアへと語りました。
「水路を引いてはどうかしら?」
「水路?」
薬をこの加工場で扱うなら、当然、清潔な水が大量に必要になることでしょう。農場でも使っている井戸の水質は、必要十分な清潔さではありました……けれどこれが、どうにも距離が遠くて不便なのです。細身ながら山歩きで鍛えている天吏の健脚であっても、たっぷり汲んだ水を井戸からここまで運んでくるのは、なかなかに重労働です。
「今すぐにというわけじゃないわ。畑に植えた作物が育つ頃までに整備できたらいいわね……どうかしら? 少しだけ、農場の景観を変えてしまうことになるかもしれないけど」
「もちろん、良いとも! 君たちの役に立つだけじゃなく、僕らにとっても助かるからね」
天吏の問いに、リアはあっさりとそう言ってくれました。確かに、水路が農場のあちこちへと伸びたなら、農場に暮らす彼や多くの妖精たちにとっても、とても役に立つはずです。
「そう、ありがとう。それじゃ、そっちの作業も追々取り掛かるとして……とりあえず、今はもう一往復ね」
「何度もすまないね」
月詠が声をかけると、天吏はそっけなく肩をすくめて、しっかりとして軽やかな足取りで、再び井戸へ向かいました。
「さて、こちらも作業を続けようか……」
「おっ、これは頑固な汚れじゃないか。ふっふっふ、ここは天神平薬局謹製、『
サッキンセッケン
』の出番だね。悪い菌は消毒だーヒャッハー♪」
天吏が汲んできてくれた水と、特製石鹸のキョーレツ殺菌効果で器具を洗浄していく庵を横目に、月詠はリアとともに、小屋の中身の品々を仕分ける作業を続けます。
花厳 望春
と
恵御納 夏朝
は、小屋の中を掃除する役回り。
夏朝は今回の作業のためにいくつかのお掃除グッズを持ち込んでいて、表に広げたビニールシートは、その中のひとつです。おかげで庵は、土の上で作業をすることなく済みました。
おなじみのねこシールも大量に用意してあって、彼女の便利なろっこんは後ほど、必要な器具やら家具やらを小屋の中へ再度持ち込む際に、大いに役立ってくれる予定です。
「電子レンジとか、あれば良かったんだけどなぁ」
「デンシレンジ、って何?」
夏朝が振り返ると、そんな会話をかわしているのは望春と、ちょこまかと動き回ってお掃除を手伝っている、モグラ妖精たちの中の一匹です。
「ええと、いろんな食べ物を温めて、美味しくしてくれる機械……? かな。俺、農場の作物で、お菓子が作りたいんだ。だから、あったら便利だなって……けど電気も来てないし、無理だよな」
苦笑いしつつ、はたはたとハタキをかける望春。彼の一番の目的は、特別な作物を使った、お菓子作り! そのために必要な道具は、先ほど小屋の中で見つけてピックアップしておきました。
とはいえさすがに、電子レンジまでは見つかりません。
「食べ物を温めるの? なあんだ。それなら、あんたたち、良いもの持ってるじゃない!」
モグラ妖精はからからと笑って、望春が腰に下げている、ひと振りのナイフを指差します。
「星の力があるじゃない。ぼわーって火を起こせばいいのよ!」
「ああ……うん、そうだね。その手があった」
望春のナイフには確かに、魔火の光が宿っています。星の力を駆使して工夫すれば、どうやら料理やお菓子作りも何とかなりそうです。
「でもまずは、美味いお菓子を作るためにも、掃除を頑張らないとね……あれ」
と。望春は、夏朝が用意したお掃除グッズの中に、何だか不思議なものを見つけて、尋ねました。
「恵御納さん、これは?」
「あ。それ……」
言われて夏朝が取り上げたのは、細長い、
不思議な形の棒のようなもの
。上から下へ、表面にたくさんの溝が刻まれているものの、それが何であるのかは良く分かりません。持ち込んだ当の夏朝も分からないようで、彼女は首を傾げます。
「第一階層の城下町で、物々交換で
仕入れてきた
んだけどね……掃除道具らしいんだけど、どうやって使うのか、全然わからないんだ」
「へえ、何だろう?」
いつか夏朝もそうしたように、手渡された望春が触れたり撫でたり、ぶんぶんと軽く振ったりしてみるものの、一向に何かが起こる気配はありません。
「使い方も分からないし、他の種族の人用なのかな? なんて思ってるうちに、ずいぶんと経っちゃって。一応、今回も持ってきたんだけど……」
「気になるなぁ。どうやって使うんだろう? というより、何に使うんだろう?」
今までにさんざん弄りまわしてみて、今はあきらめ半分な夏朝ですけれど、望春が同じことをするのを眺めているうちに、再びふつふつと興味が湧いてきました。
「きっと、この溝に何か秘密が……」
「この曲がった部分に意外な使い方が……」
なんて、少しばかりお掃除そっちのけ、ああでもないこうでもないと試していたところへ。
「おっ。久しぶりに見るなぁ、それ。珍しいものを持ってるね」
様子を覗きに来たリアが、ぽつりと、そんな言葉を漏らしたもので。
夏朝は、がばっ! 勢いよく彼を振り返って、いつもよりちょっぴり興奮した様子で、食い入るように尋ねます。
「……知ってるの!? リアさん、これ、何に使うのか……!」
「ああ、うん。まあね。あまり詳しく知っているわけじゃないけど」
と、リアはおもむろに、ちょっと待ってて。とふたりへ言い置いて、外で器具の仕分けと手入れをしている月詠のところへ行き、何か声をかけました。
やがてリアは、月詠の持っているスケッチブックのページを一枚受け取ると、それを破り、出てきた小さなものを手にして戻ってきて、
「あったあった、これだ。昔のアステリズムが作った道具らしくてね、ずいぶん前に、塔のいくつかの階層で流行ったことがあるんだ。うちにもひとつあったんだけど、本体の棒が折れてしまって……これはね、この宝石とセットで使うんだよ」
「宝石……?」
リアが夏朝に手渡したのは、綺麗な金色の宝石……が真ん中にあしらわれた、円形のキャップのようなものです。その形を目にするなり、はっとして、夏朝と望春は顔を見合わせます。
「恵御納さん、もしかしてこれ……」
「うん……! この棒に、取り付けるんだね!」
宝石のキャップは、不思議な形の棒の先端に、すんなりぴったり、かぽん! とはまりました。
「宝石に、星の力を込めるんだ。やってごらん」
言われるまま、夏朝は意識を集中して、宝石へ星の力を注ぎ込むイメージを描いてみると……ぺかーっ!
「! 溝に沿って、金色の光が……」
途端。いかにも意味ありげだった、棒に刻まれた溝の中を走るように、きらきら、しゅいーん! まばゆい金色の光が輝き始めたではありませんか!
驚きながらも見守るうち、溝の全てを満たした光は、今度は解けるようにするすると、宝石をはめた反対側の先端へ向かって棒から流れ出し、しゅるり、しゅるり。
「あ……分かった。これって……!」
見る間に束ねられていく、金色の光。照らし出された夏朝の顔が、ぱあっと輝きます。
「『星のほうき』というんだ。その宝石は、今日のお礼に進呈するよ。上手く使ってもらえれば、僕も嬉しい」
「あ、ありがとう、リアさん……!」
夏朝が光のほうきを振るってみると、その軌跡に金色の光の川が流れて、床の汚れはあっという間に、ずざざざざーっ!
「……へえ。すごい道具ね」
「あ、お疲れ様、みんな」
望春が振り返ると、感心してつぶやいた天吏や、外の作業をあらかた終えた月詠に庵が、小屋を覗き込んでいます。
夏朝が楽しそうに星のほうきを振るうと、ちょっとした汚れはしゅぱんと消えてなくなって、チリやホコリはざざざっと隅っこへ集まって、見る間に綺麗になっていくのです。
「うん、中の掃除も順調だね。終わったら、さっそく道具を運び込むとしよう。私の『アトリエ』を作らなくては」
「いやぁ、あたしの『調剤所』でもあるんだけどね?」
「お、俺の『キッチン』でもあるよ……!」
三人三様のそんな主張には、天吏が冷静にひと言。
「みんなの加工場、でしょう……?」
「このほうき……お掃除が楽しくなりそう……!」
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冒険
SF・ファンタジー
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定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年11月29日
参加申し込みの期限
2016年12月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年12月06日 11時00分
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