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【星幽塔】第三階層 星降る農場物語
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【とこしえの谷】
開口一番。みんなの発した言葉は、やっぱりいっしょでした。
「「「寒ッ!!」」」
氷結谷、というだけあり、周囲の風景は農場近辺の穏やかさとは一変して、一面真っ白! はらはらと雪が降り、あちこちには水晶めいて透き通った巨大な氷塊がそびえていて、まるでここだけ別の階層に来てしまったかのようです。
なんてことを誰かがぽろりと漏らしますと、モグラ妖精たちが、寒さもどこ吹く風といった元気な様子で、
「人間は不便だなぁ、このくらいの寒さで参っちまうなんて。このあたりは、雪とか氷が好きな妖精たちが暮らしてるから、いつもこうなんだ」
小さな手で示したほうを見てみますと、真っ白くて綺麗な毛を持つシカ、大きなユキヒョウ、アザラシにペンギンも。寒さを好む妖精たちがずらりと並んでいて、こちらを興味深く眺めておりました。
桜庭 円
は、ぷるると身体を震わせた子猫のにゃーくんをすっぽり、胸元に収めてやりながら、
「そっかー、寒くてもあの子たちには住みやすいところなんだね。おーい、ちょっと畑使わせてもらうねー?」
「構わんよ。その畑が再び色鮮やかになるのなら、私たちも嬉しいからね」
妖精たちに向かって言うと、のんびりと氷に寝そべっているユキヒョウの妖精が、優しい目つきでそう言ってくれました。
これで、目下の問題はつまるところ、ひとつだけ。畑をぴったり、かちかちに覆っている、この氷の層を何とかするだけです。
「それで……永久凍土で、どうやって作物を育てるの? モグラさんたち」
もこもこの防寒具姿で寒さをしのぎつつ、
水上 桜
が尋ねると、彼らはうむっとうなずいて、
「まずは、畑を覆ってる氷を溶かさなきゃな! こればっかりは、オイラたちにはちょっと難しいんだけどな……あんたたちなら、良いものがあるだろー?」
「ああ。魔火の光の出番、というわけだね」
魔導書をぱらりとめくり、手のひらに小さな炎を灯して見せた
鴻上 彰尋
は、もはやいっぱしの魔術師といった風格です。
星の力を使って火を起こすのは、もっとも手頃かつ効果が見込める方法でしょう。彰尋のほかに、今回は円も魔火の光を宿していて、大いに役立ちそうです。
「ううっ、さっむ……!」
来島 アカリ
は、しきりに腕やら肩やらをさすりさすりしながら、
「俺は、魔水の光だけど……前に氷は出せたし、お湯も出たりすんじゃねーの? っていうか鴻上、俺も暖めさせてくれ、手が冷たい……っ、くしゅんっ」
「大丈夫か? 適度に暖をとりながら作業しないとな……」
確かに、妖精たちには心地よい環境ではありながら、冒険者たちはあくまで人間ですもので、長く留まっていては凍えてしまいそうです。
そんな中、
八神 修
は畑を見回して、ううむと腕組み。
「しかし、思ったより広い畑だな。手分けして効率良く作業するべきだろう」
「そうだなー。なーに、心配すんなよ! オイラたちも手伝うからさ!」
「うんうん! まかせてよ~」
「このくらい、軽い軽い!」
揃って、ぴ! と腕を振り上げたモグラ妖精たちに、修は優しく微笑みます。
「まぁ……そうね。異世界転生スローライフものでは定番だし。それに、あなたたちの助けがあるなら、何とかなる……かな?」
畑仕事、それにこんな寒いところでなんて、桜には新鮮な経験です。どきどきしてしまいます……けれど、そんなふうに高鳴っている胸の鼓動が、どこか心地よく感じてられてしまうのが、何だか不思議です。
「さあ、頑張らなきゃ。ね!」
ぐ、と拳を握り込んで気合を入れたら。
いよいよ、作業開始です!
「じゃ、ボクたちはこのへんやるねー」
彼らは畑を大まかに区切って、分担して作業を行うことにしました。円と桜が、協力してその一角を担当します。
「桜庭さんは火が使えるから良いとして、私は何をしたらいいかしら……?」
「火で氷を溶かしたら、水になるだろ? その水を放っといたら、また凍っちまう。同時に、水もはけていかないとな」
「あ……そっか」
モグラ妖精のアドバイスに、桜はきょろきょろ。ちょうど作業に取り掛かろうとしている修が持ち込んできた荷車の上、ある道具が目に付きました。用意周到な彼は、さまざまな状況に備えて、多様な準備をしてきていたようです。
「ねえ、八神さん。これ、借りてもいいかしら?」
「ん? ああ、スノーダンプか。構わないよ、使ってくれ。本当は、ブルドーザや除雪車でもあれば良かったんだがな」
冗談めかして言う彼に苦笑いしつつお礼を言って、両手で使う大きなスコップのような形の、スノーダンプを借り受けます。
自分の担当区域に戻ると、さっそく円が氷を溶かしにかかります。
「よーし、魔火の光で火炎放射だ! いっくぞーーー」
美味しいお菓子のため、という何とも気合の入る目的のため、円は張り切って両手を掲げ、スケートリンクのような氷の平原めがけて、ぼわわーっと炎を噴射!
途端に、かちかちの氷はしゅわしゅわと湯気を上げながら、瞬く間に溶け始めました。
「す、すごい、桜庭さん……! あっという間に氷が溶けてく!」
「ふっふっふ。どんどんいくぞぉーーー」
「ほらほら、見とれてないで水、水!」
「あ、そ、そうね」
しゅごごごー! っとどんどん氷を溶かしていく円。その後ろで、桜はたまった水をスノーダンプでがぽがぽすくい、畑の外へばしゃんと流していきます。寒風が吹き、あっという間に地面にできた真新しい氷の上で、ちょこちょこやってきたペンギンの妖精たちがつるつる、つるりんと遊び始めたのを見て、桜は思わずほっこり。
と、作業を続けながら、円がふと桜へ、
「そういえば、桜ちゃんは畑に何植えるか、決めたー?」
「……ええ。私、もう決めてるの」
その問いに、桜はす、とそびえる氷塊の上を指差します。円が見上げると、そこにはまるで、水晶のように青く透き通った花弁を持つ、幻想的で美しい花が一輪だけ、ぽつりと咲いていました。
「おお。綺麗だー」
「サファイア・リリー、って言うそうよ。綺麗だし……それに、星の力を回復する薬の材料にもなるんだって」
「なるほど、見て楽しめるし、冒険のお役にも立つんだね」
「ええ。桜庭さんは? 何を植えるの?」
「ボクは、甘ーいシュガーメロンっていうのと。それに、お菓子作りに使えそうなのをいくつか植えるつもり。いつか収穫できたら、とっておきのデザートをごちそうするからね」
「うわぁ、楽しみ……!」
過酷な環境ではありますけれど、その先に待っているお楽しみを思うと自然、心も身体もぽかぽか。じんわり、熱くなってくるかのようです。
同じく魔火の力を使って作業をしているのは、彰尋、アカリのふたり。
と言いつつ、今彼らが火を起こしているのは、畑の外だったりします。
「来島さん、水をくれ。お湯を沸かそう」
「よし、任せろー。っていうか水をやるから火をくれ、等価交換ってやつだ。寒い」
彰尋が用意してきたのは、お鍋や薪、石のブロックといった、簡単なキャンプ用具でした。この寒さの中、長時間作業を続けるのは危険と判断して、一時的にでも暖まれる場所を構築しておこう、という作戦です。これが実に素晴らしい提案でして、円や桜、修も作業の合間合間に、身体が冷えすぎないよう暖を取ることができました。ナイスアイディア!
「何、それほどでもないさ」
加えて、お湯を沸かすのは、作業の効率化にもつながります。
「魔水の力でもお湯を出せるのは分かったけど、熱湯とまではいかなかったもんなー……」
「少し時間がかかりそうだったからな。でも、こうやって魔火の光と組み合わせて使うなら、十分だ」
アカリの実験では、確かにある程度水温を調節して、お湯を出すことには成功したものの、あくまでその温度はぬるま湯止まりといったところで、さすがに熱を発する力は魔火の光に及ばないようです。とはいえこの寒さの中、ただの水からお湯が沸くのを待つのも厳しいもので、いくらかでもあたたかいお湯が出てくれることは時間短縮につながり、これが案外ありがたいのでした。
「おーい! 撒いてきたぞー」
「ああ、ありがとう、モグラさんたち」
加えて彰尋が試みたのは、モグラ妖精たちに頼んだこの作業。
見ると、氷の上には一面、粉末状の黒いものがぱらぱらと振りかけられています。
「なー鴻上、あれって何なんだ?」
「うん、あれは木炭だよ。黒いほうが、太陽熱を吸収して早く溶けるからな。寒いけど日は出てて天気がいいし、時折風は吹くけど、木炭粉がところかまわず飛び散るほどじゃない。使えると思ったんだ」
「おー、なるほど……!」
そうして様々に施した作戦によって、ふたりの担当する区域は、全体が緩やかに溶け始めているようです。あとは、沸いたお湯を適度にかけたり、柔らかくなった氷を持ってきたツルハシで砕いたり……といった作業を続けていけば、何とか氷を溶かし切ることもできそうです。
「……ん、あったまってきた! そろそろ作業再開だ、な」
「よし、いこうか」
さて。三者三様の方法で氷に対処していく中で、もっとも大胆かつ豪快な手段を用いているのが、意外にも修でした。
「氷よ、砕けろ……!!」
特に大きくて厄介な氷塊へ狙いを定めると、すう、と息を吸い込み、精神集中。目視した無機物を分解してしまう得意のろっこん能力で、がらがらと氷を砕いていきます。呼吸が続く限り、という縛りはあるものの、自分の担当する区域についてはすっかり見通すことができ、彼は難物である大きな氷から順に分解していくことにしました。
「……っと、このあたりはこんなものか」
ある程度の大きさの氷を砕いてしまった後、困ってしまうのは、細かくなった大量の氷の破片です。溶かしやすく、また運びやすくはなったものの、さすがに量が多く、このままではいささか処理が大変です。
もちろん! 彼に、抜かりはありません。
「では、頼んだぞ。牛さん」
「ええ、アタシに任せてちょうだい!」
……牛! 彼が助っ人として呼んだのは、農場で時折農耕牛としてバイトをしてたりもするという、パワフルな牛妖精さんでありました。
先ほど、ブルドーザーや重機があれば……と彼が漏らしたのは半ば冗談ではなく、リアにも実際に相談してみたりしたのですけれど、さすがにそういった文明の利器は、少なくともこの階層には無いようでして。代わりにリアから紹介されたのが、気立ての良い牛妖精の彼女だったのでした。
牛妖精さんは、農耕用の大きな鋤を背中に取り付けて、畑の上を悠々と歩きます……すると、がりがりごりごり。氷を削り取りながら、散らばった小さな氷片までも、まとめてかき集めていきます。何たるパワー!
「さすがだな。貴女に頼んで良かった」
「いいのよ、農場に平和を取り戻してくれた恩人のためだもの。アタシ、何だってやっちゃうわ! んも~~~っ!!」
どどどどど! 爽やかな修の言葉に奮い立ち、スゴイ勢いで畑を往復する牛妖精さん。後ほど、氷が全て無くなったあとで畑を耕す作業にも、彼女の力は大いに役立ってくれそうです。
こんなにも冷たく寒いところだというのに、作業を続けているうち、じんわりと額ににじむ汗。修は、心地良い労働の楽しみを感じながら、袖口でぐいと額を拭って空を見上げ、思わず、ぽつり。
「ああ……今日は、絶好の農作業日和だな」
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冒険
SF・ファンタジー
動物・自然
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年11月29日
参加申し込みの期限
2016年12月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年12月06日 11時00分
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