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きままにアルク 前編~二十四の轍
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【子どもの中のオトナ】
昼食後には、
雨寺 凛
がギターを弾き語り。子どもたちは、大盛り上がり! 楽しそうな彼らに誘われるまま、たくさん遊んで、たくさん食べて。少し休憩、また遊んで。
探し人が数人の仲間たちとともに戻ってきたのは、旅人たちが、この豊かな世界をすっかり堪能していた頃のことでした。
「えっと、ロスリスΒくん、かな? こんにちはっ!」
「……べーた? ロスリスは、ぼくだけど……おねえちゃんたち、だれ?」
じゃららん、ギターを鳴らしながらに凛が笑いかけると、異邦人たちをぐるりと見まわして、ロスリスΒは怪訝そうに首をかしげました。
呉井 陽太
は、にか、と人懐っこく笑みを浮かべて、
「オレたち、君のことを探しに来たんだよぅ」
「ユークリアンナΑ、Ωってヤツらに頼まれてなー。オマエ、知ってっか?」
陽太の肩に腕を回して覗きこみ、
楢木 春彦
もまたそう告げると。
「……ユークリ、アンナ……」
幼い少年は、あどけない顔にふと、惑いのような表情をにじませます。
「ユークリアンナさんたちに、君のことお願いされたんだー。望むなら、連れて帰ってきて欲しいって!」
とことこと足元へやってきたアルクがせがむように鳴いて、凛がその白黒毛並みを抱き上げると、彼女はその首元が良く見えるよう、ロスリスへ掲げてみせました。
きらりと輝きを放つ、茜色の宝石。
「! この白黒、どこかでみたおぼえが……それに、このくびわの、これ」
途端。少年の瞳が、懐かしむように揺らぎます。
「ローシルティウム……」
「やっぱり、ご存じなんですねー」
ふわりと微笑んだ
薄野 五月
は、先ほど子どもたちと楽しく遊びに興じながらも、さりげなく、ロスリス少年の印象について尋ねてみました。彼はここに馴染んでいて、仲間たちと仲も良く、明るく活発な少年で……けれどそれでいて、時折どこか大人びたような、寂しげで不思議な表情を浮かべることがあるのだと。子どもたちは彼への親愛の情と、少しばかりの心配を覗かせながら語ってくれました。
五月はまっすぐに、複雑な色をたたえた幼い少年の瞳を覗きこみ、
「無理に連れ戻そう、というわけではないのですよー。君の人生ですから、他人がとやかく言うことではないでしょう。ユークリアンナさんたちも、それは分かっているようでしたし」
「良いとこだし、こんな風に自由に暮らしてたら、帰りたくなくなっちゃうかも?」
苦笑い。楽園はどこまでも子どもたちをやさしく包み込み、彼らをのびのびと育んでいます。
とはいえ陽太には、ひとつ、確信めいた予測がありました。
「でも、名前のギリシャ文字。ユークリアンナさんたちも、そう名乗ってたよね。何か、順番や役割が割り振られてるのかもしれない、って……そんな風に思ってねぃ」
「やくわり……」
彼の顔には今や、隠しようもない、戸惑いと迷いが浮かんでいます。
「オマエは、どうしたい? 帰りてぇか?」
改めて尋ねた春彦も、仲間たちも、最後にはあくまで、彼の意思を尊重するつもりです。たとえ彼がこの素晴らしい世界へ残ることを決めたとしても、少女と老婆へ、その近況や幸福を語って聞かせることはできるでしょう。それもまた、彼女たちの依頼を果たすことにはなるはずです。
少年、ロスリスはしばらく、じぃっと。マーブル模様の空を、目を細めて眺めていましたけれど。
やがて……ふう、とひとつ、大きくため息。
「…………やぁれやれ」
幼い顔に似合わず、大人びた笑みとともに、肩をすくめました。
「気に入ってたんだがな。ここの暮らしが……ま、潮時ってやつかね。そうなんだろう? なぁ、ウォーカーさんよ」
きゃあきゃあと、変わらず賑やかな子どもたちの声をバックに、彼らは食卓を囲みます。
ロスリスΒ、少年の姿をした彼は、甘くて爽やかな木苺のジュースを振る舞ってくれました。彼が管理を担っている森で、今朝方取れたものだそうです。
「Β……Αに、Ω。どういう意味なんだ?」
鴻上 彰尋
が真っ先に尋ねたのは、彼らの名前に付随するギリシャ文字についてです。もちろん他の面々も、旅のさなかにはとりわけ深い考察を巡らせてきた
志波 武道
も、それは大いに気になっていたようで、
「俺、君に会えたら、ちょっと聞いてみたいと思ってたんだ」
「何を?」
「君も、ユークリアンナさんたちも、俺たちを知っていた。俺たちは……以前にどこかで、会っていたんだろうか? ユークリアンナB~Ψ、なんて呼ばれる人物と異世界で、出会っていたんだろうか?」
「ウォーカー。そう呼んでいましたよね」
首を傾げた、
綾辻 綾花
。ちょっぴりお行儀悪く、テーブルの上に乗っかってしまったアルクの毛並みを撫でながら、彼女にもまた、疑問は尽きません。
「私たちが、ウォーカー? ロスリスΒくんも、ウォーカーなのかな?」
「俺が? 違うさ、俺は。ただ、ウォーカーの噂は知っていた……いたずら者のユークリアンナ、あいつは相変わらずみたいだな。ロクな説明もなしに、お前たちをここへ送り込んだんだろう? まったく、なまじ頭が良いもんで、他人をからかって楽しんでやがるのさ。科学者ってのはこれだから」
もはや少年の顔を繕うことをやめたロスリスは、ぶつくさと言いながらも笑みを浮かべ、懐かしそうに目を細めて言いました。
「どこかで別の俺と会っていたことがあるのか? という問いには、NOと言っておこう……それには天文学的な確率を引き当てる必要があるだろうし、何より、会えば俺には分かる。今の俺は、観測者だ。あいつもきっと、そう名乗っただろう?」
簡素な木のカップをあおり、喉を潤して、
「Α、Β……Ω。なるほどな。俺は、俺たちは今や、あらゆる時間をまたがって存在しているし、あらゆる場所へ同時に存在しているが、しかし何でも分かるってわけじゃない。世界は広いんだ、とてつもなくな。しかも数えきれないほど、無数に存在するときてる……多すぎる情報なんてものは、何もないのとそう変わりゃしないのさ。大海に落ちた葉の一枚を探すようなもんだ…………だが。それでもあいつは、ユークリアンナは、俺を見つけたんだな。恐らくは、気の遠くなるような時をかけて、果てしないローシルティウム世界の中から、俺を……」
ふと。ロスリスは周囲を見回して、ぽかんとした彼らの顔を眺めると、
「何が何だかわからない、って顔してるな?」
「オマエも、あの女の子もばあちゃんも、話が回りくどいしややこしすぎんだよ! 俺、頭使うのニガテなんだからよーっ」
頭を抱えた春彦に、思わず彼らの中から、笑いが漏れはしたものの。きっと思うところは一緒だったことでしょう……難解な彼の言葉に翻弄されつつも、凛はあらためて、問いかけます。
「あはは、難しいことは、良くわかんないや。それでね……君は、帰りたい? それとも、ここに残りたい?」
「どちらでも良いと思う。全部、君次第だ……君の意思を尊重するよ」
彰尋がやわらかく返事を促すと、ロスリスは再び、天井を見上げて沈黙します。
しばらくじっと、そうしていた後に。やがてこくり、とうなずいて、
「…………ここが、気に入っていたよ。本当に。でも、結局のところ、俺はこの世界にふさわしくない。子どもじゃあないからな。連れて帰ってくれ。そろそろ……目を覚ます時だ」
寂しげに、まぶしそうに。彼は、窓の外を見つめました。
(……できた)
小山内 海
は2枚目のスケッチを描き終えると、そのうちの1枚を、ロスリスへと差し出しました。
「俺に……?」
プレゼント。そうスケッチブックに書き入れて見せると、海の気持ちが伝わったのか、彼はやわらかく微笑みます。
肩口から、武道や陽太が覗きこみ、
「おーっ、さっすが! うまいジャーン☆」
「綺麗な絵だねぃ……良い思い出になるね」
海が描いたのは、美しいこの世界と、そこで遊ぶ子どもたち。生き生きとした彼らの、きらめくようなワンシーンでした。乳白色とピンクの空と、生い茂る緑。たわわに実る木の実や野菜。風の音や、川のせせらぎすら聞こえてきそうです。
きっと、これを見るたびいつだって、思い出すことができるでしょう。この世界に暮らしたこと。年を取らない、永遠の仲間たちのことを。
「おや。こっちの絵も、これまた良い絵ですねー。ふっふ!」
五月が思わず微笑んだのは、もう一枚のスケッチ。話を聞く間、海が描き続けていたのは、他ならぬロスリス自身の似顔絵です。
『ここに、残していけば良いとおもって』
ロスリスは、仲間たちへ、何も言わずに立ち去ることを決めました。どんな顔をして、別れの言葉など告げればいいのだろう、と。
この絵はきっと、その言葉の代わりとなってくれることでしょう。子どもたちの中へ、ずっとずっと、彼の笑顔を刻み続けてくれるでしょう。本当は伝えたかった彼の思いを、ありありと伝えてくれることでしょう。
ふわりと笑う、それはとても素晴らしい、海の会心の一筆でした。
「さて! お名残惜しいところですが、帰るといたしましょうか」
「おい……なんだ、その手は?」
上下 左右
が差し出した手のひらの意味をとらえかねたのか、彼は少年の顔に戻り、きょとん。
そんな彼の手を、左右は優しく、きゅっ! 握ります。
「私、お姉さんですから♪」
「……本当は俺、お嬢ちゃんよりだいぶ年上なんだけどな……ま、いいか」
外から、賑やかな声が届きます。無邪気で気ままな、清らかな声が。
「また、いつか……皆さんと、遊びたいですわね」
「ああ……そうだな。またいつか……」
にゃあ、と白黒猫がひと鳴き。
ぱち、ぱちり。茜色の光が、まぶしく弾けました。
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さまよいアルク 最終章~茜色に揺れる魔導帝国ローシルテ
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3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年11月02日
参加申し込みの期限
2016年11月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年11月09日 11時00分
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