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きままにアルク 前編~二十四の轍
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【子どもたちの世界(2)】
子どもたちだって、何もただ遊んでばかりというわけではないのです。
彼らのコミュニティは実に正しく機能していて、役割分担もきっちりと決められているようです。それでいて、遊ぶときは大いに遊ぶし、お仕事だって一生懸命にこなします……それも、楽しみながら!
彼らはこの世界で、誰からも、何からも強いられることなく前向きに、有意義に日々を暮らしているのでした。
「いートコだよなぁ……」
空を見上げた
楢木 春彦
の明るい髪や、羽織ったコートの裾を、ほんのりとあたたかい風が、ふわり。撫でていきました。
ふと足元を横切る、のんびりとあたりを探検中らしい白黒猫のおなかを、春彦はひょいっと持ち上げます。
「アールークーぅ? オマエはいっつも、ヘンなトコ連れてくるよなぁ?」
アルクはふにふに、ご機嫌な様子で春彦のほっぺたをぺろりと舐めて、にゃあと鳴きました。
「ニャーじゃねぇよ、ニャーじゃ……ったくよー」
「けど、春彦君もオレも、なんだかんだでけっこー慣れっこだよねぃ……よいしょっと!」
お隣の
呉井 陽太
は、足元の柔らかい土に両手を突っ込んで、ずぼっ! と大きな葉物野菜を掘り出すと、快活に笑います。広い畑で、収穫を担当する子どもたちに混ざり、ふたりもそのお手伝いに精を出しているところです。
春彦も陽太も、アルクと一緒にいくつもの異世界を旅して、確かに、そう。慣れっこではありました。旅先で何か困っている人がいたなら、もちろん、手を差し伸べることも苦では無いのです。
「っかし、俺もオマエも、こういうのにマジ縁あるよなー」
「ほんとだねぃ……おっ?」
「うわあ、これはおおものだー!! にーちゃんたち、ちょっとてつだってくれよー!!」
子どもたちが、気づくと一か所に集まって、何やら足元を見下ろしています。陽太と春彦も横から顔を覗かせてみると、
「……なんだこれでけぇ!?」
地面からひょっこりと飛び出しているのは……巨大な、おイモ! いかにも食べ甲斐がありそうな、まさしく大物です。
「なるほどねぃ、これは子どもだけじゃ大変だなぁ。春彦君、手伝ってあげよっか」
「よぉし、任せろ!」
春彦はアルクを地面に下ろすと、子どもたちと一緒に、大きなイモをがっしとつかみ、
「それじゃ、いくよぅ~? いち、にの、さ~ん♪」
「オマエら気張れよー、おりゃあーーーっ!!」
「「「うりゃあーーー!!」」」
全員で思いっきり引っ張ると。巨大イモはしばし抵抗した後に、ずずずずず…………ずぼっ!! すっぽ抜けて、春彦も陽太も子どもたちも勢い余って、ばったーんっと後ろに倒れこんでしまいました。
みゃあん、とのんびり、白黒猫の鳴き声。気の抜けた響きに、彼らは思わず顔を見合わせて、大笑いです。
「あははは、やっぱりオトナはすごいや!」
「大人ってほどじゃないけどねぃ。でも、お役に立ててよかったよぅ」
「ありがと、にいちゃんたち! おれいに、おれたちのオヤツをわけてあげるよ。はいっ」
「おっ、うまそーな果物! サンキュなー、いただくぜ!」
おすそ分けしてもらった赤い実をさっそくかじると、甘酸っぱくて爽快な味がじゅわっと弾けて、口いっぱいに広がります。
「たくさんあるから、たくさんたべなよ!」
なんてどんどん勧められて、ちょっと食べすぎ? なくらい、美味しい果物を堪能したふたりでした。
「やーっ、君タチー☆ ちょっといいカナー?」
いつものごとくのフレンドリーさで、
志波 武道
はいとも簡単に、子どもたちの一団へするりと入り込んでしまいます。
けれど探し人について尋ねてみると、返ってきたのは、怪訝そうな顔。
「べーた?」
「そう、『ロスリスΒ』、って子を探してるんだケド。君たち、何か知らナーイ?」
「ロスリスってやつなら、いるよ。今は何人かであそびにいってるけど、そのうち戻ってくるんじゃないかなぁ。で、べーたってなに?」
探し人は確かに、彼らのコミュニティに属している子どものひとりであるようです……けれど名前の後にくっついている、何やら不思議なギリシャ文字については、首をかしげられてしまいました。武道は、後ろの
薄野 五月
を振り返って、
「どー思う? 五月ちゃん」
「お名前はあっていらっしゃいますしねー。一度、お会いしてみるしかないのでは……やあ、アルクさんもいらっしゃいましたねー」
とてとてやってきたアルクを、五月はひょいと抱っこ。とりあえずそうされていればご機嫌な白黒猫は、ごろにゃんと喉を鳴らして満足げ。五月も、ふっふ!
「よっし! そんじゃ君タチ、しばらく待たせてもらってもいいカナ? その間、ついでにお仕事も手伝っちゃうゼイ!」
「はい、何でもお任せあれー」
「ほんと? おにいちゃん、おねえちゃん。それじゃあ、それじゃあねー……こっち!」
きらきらと綺麗な瞳のおしゃまな女の子は、武道と五月の手を両方に握って、くいくいとカラフルな家の中へ連れていきます。
ショッキングピンクの玄関扉を開くと、中は簡素な作りながら、子どもらしいお手製の飾りつけがあちらこちらに掲げられていて、やっぱりカラフルで賑やか。なんとも楽しい住まいです。
「やあ、これはかわいらしいお家ですねー」
女の子は、階段下の小さな倉庫からほうきやちりとり、モップに雑巾などなど、いろいろな用具を引っ張り出すと、
「これからね、おそうじするところだったの。てつだってくれる?」
「まっかせなサーイ☆」
「ぴっかぴかにしてしまいますよー。ふっふ!」
というわけでふたりも手伝って、お掃除開始! ちょこまかと軽快に動き回る子どもたちと一緒に、はたきでぽんぽん、雑巾がけずざざーっ。
あっという間に噴き出る気持ちの良い汗を手の甲で拭いながら、五月はふと、あたりを見回します。家の中には多くの子どもたちが暮らしていて、ひと回りもふた回りも大きな五月や武道を見かけては、驚いたような顔を浮かべています。
どうやら本当に、ここには保護者たるオトナたちの姿は、まったくもって見当たらないようです。
「子どもばかりの世界とは、何だか不思議なものですねー。小学校にだって、先生や職員さんたちという大人がいるものですし」
「そうだよネー。なあ、君たちは、どうして子どもだけなんだい?」
武道が尋ねてみると、みんなのお掃除を指揮しているあのおしゃまな女の子が、やっぱり首をかしげながら教えてくれました。
「むかしは、ここにもオトナがいたんだって。でも、テンテキ? っていうのがいなくなったり、ビョウキ? とかジュミョウっていうのがなくなった頃から、いなくなっちゃったんだって」
子どもたちの間に、今もおぼろげながらに伝わっているという話を、もう少し詳しく聞いてみると。
彼らはずいぶんと昔に、外からこの場所へと移り住んできた、移民の末裔であるようです。彼らの先祖は植物や家畜を持ち込み、少しずつ環境を住みよいものに作り変えて、素晴らしい楽園を築き上げよう! と気合を入れまくった末に……どうやらそれは、少々、やりすぎてしまったようなのです。
どういう手段を用いてかは、はっきりと分かりません。ともかく彼らは、人を襲う害獣、恐ろしい病気の全てを駆逐し、果ては寿命でさえも克服し、この場所をまさしく彼らにとって何の憂いもない、楽園へとすっかり変えてしまったのだそうです。
「つまり……君らは病気もしないし、年も取らないし、死なない。ってことか?」
「よくわかんないけど、たぶんそういうことだよ」
もはや、オトナは必要ありません。成長する必要すらないのです。永遠の子どもたち……武道と五月は、ちょっぴり複雑な気持ちを胸に抱きながらも、そんな子どもたちのため、せっせとお掃除に励みました。
考えごとにふけりながらも手を止めることがないのが、
鴻上 彰尋
のすごいところです。
(『ウォーカー』……歩行者? 散歩する人?)
茹でたさつまいものようなほくほくの野菜をボウルの中でつぶしながら、彰尋は考えます。
ウォーカー。あの少女と老婆は、自分たちをそう呼びました。一体、何のことでしょうか?
(あのふたりの言うことを信じるなら……俺たちはいずれ、そう呼ばれることになるのか?)
良い匂いにつられてふらふら、すんすんと小鼻を鳴らすアルクに、彰尋はふっと笑みを浮かべます。
「あはは。俺たちも、『アルク』になるってことかな」
バターに砂糖、ハチミツのようなシロップをボウルへ投入しながら、彼女たちの名乗った名前を思い出します。
(ユークリアンナ・アルファ、オメガ。始まりと終わり……彼女たちは、生まれた頃と亡くなる頃の姿なのか?)
そういえば、頼まれた探し人。ロスリスΒなる人物は、どうやら子どもであるようです。
(ギリシャ文字が大きくなるにつれて、年を重ねているのか。とはいえ、彼女たちも『便宜上』と言っていたし、そもそもギリシャ文字がローシルティウムの中で通じるはずがない。きっと、アルクの首輪の翻訳機能のせいなんだろうな。本来はたぶん彼女たちの言葉でいう、分類的な記号で……)
「おおー!! にいちゃん、すっげー!!」
「うわぁ、おいしそう……!!」
わらわらとキッチンへやってきた子どもたちが、彰尋の手元を覗き込み、きらきら! 一斉に、瞳を輝かせます。
「ねえねえ、これ、なんていう料理!?」
「ああ、スイートポテトだよ。これを適当な大きさに切り分けて、卵黄を塗って、オーブンで焼けば完成」
わあああ! と、甘いお菓子に期待の眼差しを向ける子どもたち……のひとりの腕の中にちゃっかりアルクが収まり、作業を眺めているのが何だか、おかしくて。彰尋は思わず、吹き出しそうになってしまいました。
「そろそろ、昼食の時間だろう? 食後のデザートにしよう」
「うんっ! それじゃ、みんな呼んでくるねー!」
ぱたぱた、せわしなく駆けていく子どもたち。
その小さな、小さな背中を見つめて……彰尋はふと、思います。
「……この世界も、また……滅びゆく運命にあるんだろうか?」
こんな楽しい世界のどこかにも、やっぱり、あの茜色の宝石は存在しているのかもしれません。息づいているのかもしれません。
彰尋は少しだけ、胸が詰まるような感覚を覚えながら、手を動かし続けました。
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さまよいアルク 最終章~茜色に揺れる魔導帝国ローシルテ
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3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年11月02日
参加申し込みの期限
2016年11月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年11月09日 11時00分
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