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「……ふむ」
茜空を彩る七色の虹を見上げ、
旅鴉 月詠
は白銀の長い髪を雨上がりの風に揺らす。
シーサイドタウンのあちこちに灯り始める光を真紅の瞳に捕らえつつ、街を気紛れに彷徨い歩く。
「……ん、見つけた」
裏路地に入り込んだ途端、日の差さぬ壁にスプレーで走り書きされた英語とも骸骨ともつかぬ落書きを見つけるなり、月詠は狩るべき鬼を見つけた武者のように唇を歪めて笑んだ。
(どんな芸術センスのない者が描いたのか)
どう見てもグラフィティとも言えない無体な殴り書きを前に仁王立つ。
肩に掛けた鞄を人気のないアスファルトの道に下ろし、絶対の武器のように取り出すは、壁とほぼ同じ色のスプレー缶。無造作に吹き付け元の落書きを消してしまえば、あとは彼女の独壇場。
鞄から取り出した別のスプレー缶で一切の迷いのない動作で素早く描くは、いつかシーサイドタウンの道端に描いたものと同じイルカの絵。
絵心のない無法者の描いた不快感を煽るばかりのものとは違い、見るものの心を慰撫するような柔らかな絵を上書きして後、月詠は人目を憚るようにいくつものスプレー缶を鞄に押し込む。
(警察とかから許可とってやらなきゃいけないんだけどね)
許可を取ればギャラリーを集めてのパフォーマンスにさえできはするものの、実際やったこともあるものの、気紛れの物好きでやっている今のこの行為は、実は無許可。
(無許可の落書きは器物損壊です。ヨイコハマネシナイデネ!)
心の中で誰かさんへの警句を発しつつ、ゲリラ芸術家は次なる獲物を探してその場を去る。残されたのは色鮮やかな、今にも壁から飛び出して来そうなイルカの姿。
(さて)
足取りも軽く雨上がりのシーサイドタウンを歩く。次は何処に向かおうか。
何もない空白を見ていると、何か描き込みたいと思ってしまう。
(まあ、……)
その感情は、言ってしまえば無体な落書きを所構わず描き込んでいる誰かと同じなのだろう。だから、その誰かの気持ちも分からないではない。
分からないではないが、壊滅的なセンスの絵を見たいと思う者は少なかろう。
断じつつ視線をもたげれば、その先にいつか下へ潜り込んだ橋を見つけた。
(浜マンボウ君とか描いたよね)
猫又川に架かるその橋の脚には、いつだったか神魂の影響で生物の絶えた『寝子島』に迷い込んだ折、結構な時間を費やして大きな絵を描いた。
あの時は橋の下を離れて星ヶ丘寮に戻って眠り、目が覚めたときには元の寝子島に戻って来ていた。誰も居ない世界から皆の居る世界に戻る瞬間を見たかった、と思ってしまうのは、
(私が変人だからか)
つらつらと思いつつ、その小さな橋を渡ろうとして思いとどまる。
(残ってるかな?)
残っていたとしても、また誰かの手によって上書きがなされているかもしれない。そもそも、橋の下というのは兎角絵が描かれているもの。
堤防を降り、砂利の転がる橋の下へ入る。
「……うん?」
橋の下に立った途端、周囲から一切の音が消えた。橋の上を渡っていた車の音も、買い物袋を手に足早に帰路を辿っていた誰かの足音も。聞こえるのは風の音と川の音ばかり。
「あー、……」
己を取り巻く世界の一変にも、月詠は動じなかった。先に己が描いた浜マンボウ君や猫やサンマさんを塗りつぶしもせず、中途半端に残した上から描き込まれた無粋な落書きを呆れ果てた瞳に映しつつ、
(ここらへんからこっちに繋がるようになったんだね)
己以外誰の気配もしない夕暮れの街を橋の下から見遣る。
「問題ない」
ぽつり、呟いてみる。
「今のところこの世界に害はない」
逆に不安を煽る気がして無害とは言い切れずに零した言葉は、思っていたよりも橋の天井に反響した。
「……ふむ、ならやることは一つ」
ひとりきりの世界で、月詠は不敵に笑う。
鞄を逆さにする勢いで地面に画材を広げる。スケッチブックにろっこんで封じ込めた幾つもの画材を、紙を破ることで取り出す。
「バレなきゃいいんですよね」
歌うように囁けば、唇に笑みが零れた。
というわけで、まずは橋脚にぶちまけられた無体な落書きを消す作業から始めよう。
白いペンキを丁寧に塗り重ね、己が過去に描いた絵も、その後に誰かが重ねた落書きも、何もかもを消す。
(さて何を描こう)
ペンキが乾くまでに考えるのは、次なる絵。
周囲を埋める静寂に目を巡らせる。いつも賑やかな元の世界とは正反対の、静かな静かな、この世界。
(またここにきたのなら)
ここには、長期的な神魂が留まっているのだろうか。
そう考えた途端、目の前の空白に描く絵は決まった。
『半開きの扉』と『女の子』。
扉の向こうから好奇心に満ちた顔を覗かせる少女を真白な壁に思い描き、月詠は真顔のままにおどけた礼をする。
「ようこそ、アリス」
(あと、初めてきた人へ理解る範囲でこの世界の概要を書いたメッセージカードを貼ろう)
案外世話好きな芸術家はそんなことも考える。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年09月29日
参加申し込みの期限
2016年10月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年10月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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