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バレンタインデーなんて知んねーし!
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そわそわするあまり背中から妖精の羽根が生え、空に飛んでいってしまいそう――。
これが現在の、
ロベルト・エメリヤノフ
の気持ちだ。
だってもうすぐバレンタイン、もういくつ寝るとバレンタイン、いよいよ明日がその当日、ただでさえ心騒ぐこの日だというのに、今年は美少年たちからチョコレートが贈られることが確定しているため、楽しみで仕方がないのである。
でも、ただ浮かれてはいられない。
なぜってつい最近彼は、素敵なふたりの美少年、来島アカリと獅子目悠月から立て続けに、お泊まり禁止令をくらってしまったからなのである。
なんという悲劇! 死刑宣告に等しい言葉!
それを思うと妖精の羽根なんてたちまち、はらはらと抜け落ちてしまいそう。
そうして堕天使よろしく、ロベルトは夢の世界から奈落へ真っ逆さまの心境になるのだ。
誰を恨めばいいのか。
無情な神か。それともアカリか悠月か。
それとも愛の多すぎる我が身をか……!
といっても、ロベルトだって現実を見ていないわけではない。当面の現実、すなわち寝床に関しては、ちゃんと確保はしていた。
――まあ別の家には泊まれるから、住む場所に困るわけではないけど……。
でもやはり『理想の美少年のおうち』は別格なのだ。悠月の匂いが懐かしい。アカリの寝息を聞きたい。できることなら、二人につつまれて眠りたい……!
まあ、それはそれとして。
放課後、学校を出て参道商店街に入ったロベルトの足はぴたりと、老舗のケーキ屋前で停止していた。
ふと見れば、前風紀委員長の北風貴子女史が、なにか買って去るところだった。(その後を尾行する女生徒も……?)
「あれは……さすがといったところかな」
ここが隠れた名店だと知っていて貴子は訪れたのだろう。種類もたくさんある店だから、チョイスとしては適切だ。
「さて、僕はどうしようかな」
ガラスケースの前に立ち、顎に手を当ててロベルトは考える。一人に一つずつ、友チョコとしてカップケーキを贈る計画だった。
獅子目にビター、来島にはイチゴ、と、友人それぞれの嗜好に合わせて何種類か購入した。箱に詰めてもらうと、色とりどりの花畑のような光景となる。
「……うん、よし!」
明日はちゃんと渡さないとね、と、上機嫌でロベルトは店を離れた。
まもなくして再び、ロベルトの足を止めたものがあった。
それは香りだった。麝香に似た甘い香り。
ぽつんと立つ一人の少女の周囲を、甘く濃く妖しい香りが包んでいる。
けれどもそこには幽(かす)かに、べたついたソースの匂いも混じっているような気もした……。
「あれ、胡乱路? 今帰りなのかい?」
ロベルトの声を聞き、少女はくるりと振り返った。機械仕掛けのバレリーナのような、優雅だが正確すぎるほど正確な動きだった。
胡乱路 秘子
はロベルトの姿を認めると、両手でつい、とスカートの裾を持ち上げて一礼した。丁寧なお辞儀なのだけれど、これもどこか、作り物のような違和感があった。そうして彼女は目を細め、蛇のように美しい笑みを浮かべたのである。
「んふふっ、これはエメリヤノフさん、ご機嫌よう」
にちゃり、湿り気のある音がその口腔より聞こえる。
「お買い物ですか?」
すうっと秘子は白い指で、ロベルトの提げている袋を指さした。
「ああ、明日の用意してたんだ。胡乱路にも渡すね」
「明日? ああ、バレンタインですね。それはどうも、お気遣いありがとうございます」
彼女の言葉と同時に、長い桃色の髪がわしゃわしゃと揺れたように見えた。
「胡乱路は?」
「と言いますと」
「誰かにチョコ、あげたりしないの?」
くちゅっと音がした。秘子の唇の間から、濃いピンク色の舌が顔を出したのである。上唇を舐めてから彼女は答える。
「さて、考えたこともありませんでした。これから考えることにいたします」
とぼけているだけなのだろうか、それとも、本心でそう言っているのだろうか。ロベルトには読めない。
「ほほー……そういえば新出府さんには渡さないのかい?」
「どうして?」
「なんでって……血は繋がってないけど君にとってはほとんど家族みたいなものじゃないかな。よく義理で家族に渡す子もいたから、渡すのかなって……」
むっと麝香の匂いが強まった。そしてまた、秘子の髪がわしゃっと揺れたように見えた。今度は気のせいではないだろう。どこかから生暖かい風でも吹いたに違いない。
「んふふ! それは、とおっても興味深い話ですねえ♪ 家族ですか、考えたこともありませんでした」
秘子の瞳は針のように細まり、突き刺さるような黄金の光を放っている。
「お。……煽った手前あれだけどあの人チョコ食べられるのかな……ミニブーケとか見てみるかい?」
「んふふ、その点ならご心配なく。『食べる』方法はひとつではありませんからね……っ」
秘子の語尾が、ひっ、としゃっくりをしたような奇妙な音を立てた。こみあがってきた嗤いを、必死で抑えているようにも、なにか思いだしてはならないことを思いだしてしまったようにも聞こえる。
けれどもそのいずれについても、ロベルトは驚いたり怖れを抱いたりはしない。むしろ彼女らしいと、安心すらしているのだった。
だからロベルトは明るく、笑って手を振るのである。
「じゃまた明日! 休み時間、君のクラスに遊びに行くよ」
「んふふ……ではまた」
秘子はまた、馬鹿丁寧にスカートの裾をつまんでお辞儀した。
秘子に背を向け、数歩もゆかぬうちにロベルトは振り向いてみた。
やっぱり、と思う。
すでに彼女は煙のように消え失せていたのである。
ただ甘い残り香がほんのわずか、そこに漂っているのみだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
オールジャンル
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年09月17日
参加申し込みの期限
2016年09月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年09月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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