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バレンタインデーなんて知んねーし!
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冬の寝子島にソワフワの風が吹く。
そわそわそわそわ……。
ふわふわふわふわ……。
キンキンに寒い冬の夕方なのに、
伊賀 解理
のハートはほかほかだ。こたつの中のにゃんこより、きっとずっと夢見心地。なぜって解理は恋する乙女、明日のV-DAYに渡す本命チョコ、またの名をマジチョコのため、雲の上ゆくような足取りで奔走している最中なのだから。
といっても解理は危機的状況に置かれてはいた。
前日なのに本命のチョコが上手く完成しないのだ。
正確に言えば解理とて、ちょっと前にイベントでチョコ自体は作ったのだ。ところが昨日、何を思ったのか「もうちょっと凝った感じにしちゃおう」と調子に乗って手を加えたのが悪かった!
そんなわけで急遽材料を買いに来た彼女だったが、商店街に足を踏み入れたところで、む、と足を止めた。
なんだかピンク色のオーラに包まれているような?
気のせいではない。解理はきょろきょろと周囲を見渡して気がついた。
バレンタイン!
本来地味な旧市街参道商店街のどこもかしこも、
バレンタイン!
の文字が躍っているのだ。ピンクのハートとともに。
お菓子屋やスーパーマーケットがそうしているのはわからないでもないが、漬け物や魚屋まで、堂々としかもたくさん、ハート飾りをほどこしているのはどういうことだろう。だから老若男女、とりわけ女性、それこそ女子小学生くらいから女子中高生はもちろん、主婦っぽいみなさん、おばあちゃんまでが、このピンク色した錦の御旗の下、そわそわ&ふわふわしているように見えた。
――どこもかしこもバレンタイン一色……一部の人間にとっては地獄だなこれは。
ここで我に返るまでは自分も、そのハートマーク一派に与していたことにはあえて気付かないふりをしておく。
とりあえず、そそくさと買い物を済ませて帰ろう。
しかし商店街をゆくうちに、またもは解理は頬が緩み始めていた。
だってしょうがないではないか。解理にもとうとう、本命チョコを渡す相手ができたのだから!
しかも、気になっていた彼のほうから告白を受けるという、コペルニクス的転回もかくやの
劇的王道乙女ちっくシチュエーションで!
その彼に渡すチョコを作るのだ。その材料を買いに来たのだ。幸せ気分全開、ああ、そんなベタでどうするという心の声も聞こえないではないものの、ゼリーのプールみたいな心地よいピンク色のオーラに、解理の心はずぶずぶと包まれてしまう……。
「あれ!?」
ところが直後、あんまりセクシーではない声を解理は上げていた。
目の前のケーキ屋、ガラスケースをのぞいて何やら思案顔なのは、
北風 貴子
先輩ではないか。
あいかわらず、ぞくぞくするくらいの美女だ。眼鏡女子の理想形みたく凜とした表情、寒気がするほど白い肌もたまらない。眉間にしわをよせている様子すら、西施の顰(ひそ)みという感じで悩ましい。
それにしても、あの人がああいう場所にいるのは珍しい……あそこにいるということは……。
思わず解理は自分の用件も忘れ、立ち尽くすのだった。
――まさか、あの人にも春が!?
チョコレートケーキでも買おうというのか! 可愛い箱に入れてリボンをかけて、ミミズが社交ダンスに挑戦したような物凄い手書き文字で『好きです』なんて書いたメッセージカードまで添えてしまったりして!!
これはどうしても、真相を確かめねばなるまい。
謎の使命感に萌え、もとい、燃えて解理は、生命保険会社が看板代わりに設置しているマスコットキャラ(可愛くないイタチのぬいぐるみ)の陰に隠れて貴子を観察する。
やはり読みは間違っていないようだ。貴子はホールケーキとおぼしき大きさのものを購入し、紙袋を受け取っていた。そこそこ大きい。4号サイズから5号サイズといったところだろう。
とすれば貴子の『彼』は結構な甘党なのだろうか。いやいや、明日彼女は『彼』の部屋を訪ねて、二人でお茶しつつ一緒に食べるというのか……? そんなとき貴子は『彼』とどんな会話を交わすのだろう。まさかまさか、そのまま「いやんばか~ん」な展開にもつれこんだりもつれこまなかったり……!?(その具体的な内容まではさすがに想像できない。解理はまだ、16だから)
ごく当たり前のように紙袋をさげ、貴子は歩き出した。
解理は追う。忍者のように背をかがめて。
しかし、さほどもいかぬうちに、
「……ちょっと」
足を止め、くるりと貴子は振り向いていた。
冷ややかな視線で告げる。
「なにしてるの、伊賀さん?」
慌ててイタチの陰に駆け戻ろうとした解理だが、「伊賀さん」とまで気付かれてしまった今では無意味だと悟って、
「いいんちょ……じゃなくて先輩、どうしてお気づきになったので?」
頭をかきながらエッヘッヘと笑った。
「あのね伊賀さん、あなた、独り言が多すぎるんだけど」
「うお! 自覚してなかった!」
「あと、『いやんばか~ん』って何?」
「そんなとこまでダダ漏れとは!」
ふぅ、と貴子は溜息をついて、
「で、なにしてたの?」
「えーと、ストーキング……です。偶然こんなところでお見かけして、気になったから追跡したというわけで」
「ああ、そう」
ストーキングだとか耳にしても、いささかも動じないあたりが貴子らしかった。まあ、それくらい解理の突拍子もない言動をわかってくれているとも言えそうだが。
解理は貴子の荷を指す。
「ずばりそれ、チョコレートケーキですね!?」
そう、と貴子はこともなげに言った。
「明日、母が訪ねてくるものでね。といっても何時に来るかわからないし、ひょっとしたら今夜来訪しかねないから先に用意しておくの。あの人……甘いものが好きだから」
なんだか溜息交じりの口調だった。自分の母親を『あの人』と呼ぶ冷めた言葉使いからしても、なにか事情がありそうだ。
しかし解理が今知りたいのはそれより別のことだ。だから訊く! あえて訊く!
「で、実際のところ先輩には、バレンタインデーにチョコレートを贈るような相手はいらっしゃるのでしょうか-?」
「教える必要があって?」
突き放すように告げた貴子だが、すぐに語調を緩めて続ける。
「……と言いたいけど」
そうして、ふっと貴子は笑った。
なんとなく、寂しげな笑みだった。
「予定なし。そもそも、こういうイベントって、個人的に好きじゃないし……」
伊賀さんは? と貴子は訊いてくれた。単なる社交辞令かもしれないが、興味を持たれたことが解理には嬉しい。
だから彼女は声を弾ませたのだ。
「僕はまあ……ふふ!」
またまた頬が緩んでくる。
「先輩! 恋人はいいですぞ!」
そうして、解理としてはキャラにそぐわないかもしれないが、キャー、なんて気分で、跳ねるようにしてその場を離れるのである。
でもいつかきっと、と解理は思う。
北風先輩にも運命の人が訪れてほしい。
どんな人になるだろう? ナンパ野郎だけは解理も許さないが、それ以外だったらどんなパターンの相手でも応援したいと思う。
やっぱり似たような性格でキッチリした人だろうか。それとも世話焼きの彼女のことだから、ぐっと年下と結ばれて、憧れの(?)おねショタ展開という熱いパターンになるかもしれない。
……なんて妄想してたらもうもうこんな時間だ。
明日に間に合わせるためにもちゃっちゃと材料を調達して作らなければ!
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
オールジャンル
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年09月17日
参加申し込みの期限
2016年09月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年09月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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