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バレンタインデーなんて知んねーし!
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参道商店街の雑貨店、包装紙や飾りが豊富な店で、
常闇 月
はいくつかのリボンを、ためつすがめつして比較している。
ひとつは和風、ひとつは洋風、いずれも赤だがどちらも捨てがたい。
ともに上品なデザインでいたく気に入ったのだが、和風だとチョコレートっぽくない気もするし、逆に洋風だと、意外性がなさすぎるようにも思う。少し前なら、月が頭を悩ませるのは生死に関わる問題ばかりであった。それ以外はとくにこだわることもなく即断していた。
それなのに……変われば変わるものだ。
自分でも、意外だった。
「常闇じゃないか。バレンタインの準備か?」
月は顔を上げた。すぐ棚の向こうから、
八神 修
の顔が見えた。
「ええ……異性にあげるのが日本での風習らしいですが……友チョコ、というのもあると聞きまして」
「俺もなんだ。身近な人に渡す『感謝チョコ』にカードを添えようかと」
最近は、贈り主も女性には限定されていない。
「なるほど。八神さんは、まめですよね……」
「まめというよりは、イベント好きなだけかもしれないな。お世話になった人に、ちゃんとお礼を言う機会でもあるし」
「お礼を言う機会ですか……同感です」
日本のバレンタインデーを、製菓会社の陰謀という人がいることは月も知っている。だがそれならそれでいいではないかとも思うのだ。たとえ発端が不純であれど、参加する目的が人を幸せにするのなら、何の悪いことがあろうか。
黒い瞳で二度まばたきして、ところで、と月はふたつのリボンを修に示した。
「どちらがいいと思いますか……八神さんがもらうとすれば……?」
こうしてリボンも決まり、最初から決めていたチョコ用の袋(水色と桃色の二色)とメッセージカードも購入して月は店を出た。どれもたくさん用意してある。配る相手をそれなりに多く想定しているからだ。
あとは肝心のチョコの材料を、とお菓子屋に目を向けた月は、そこでもまた、見知った顔に出会った。
「おお、常闇氏」
「伊賀さん」
伊賀解理だ。いささか早足で急いでいる様子である。けれど解理は足を止め、
「常闇氏、その買い物はラッピンググッズとお見受けしたが」
きらっと解理の眼鏡が光ったような気がする。
「ええ、そうですが……」
「つまりバレンタイン!」
「そうですね……友チョコ、というものの準備です」
見れば解理も、買い物袋を提げている。聞くのが礼儀という気がして、月は彼女にうなずいてみせた。
「伊賀さんも……?」
すると、よくぞ聞いてくれました、とばかりに解理は顔を輝かせたのである。
「何を隠そう、実は……ふふ! この僕にも本命チョコをあげる人が現れたのでね!」
どういう反応をすべきか月にはわからなかったが、とりあえず、めでたいことだということだけは理解できた。なので、できるだけ失礼に聞こえないよう注意しながら言祝ぐのである。
「それは……おめでとうございます」
「どういたしまして! 恋人はいいですぞ! 常闇氏も是非! 必要とあればいつでも応援するので!」
では! と空翔るような足取りで解理は行ってしまった。
「応援……ですか……?」
月にはいまひとつ意味がつかみかねた。
解理の言う『援』とは、本命チョコをあげるための応援、ということだろうか。それとも、恋人を作るための応援ということだろうか。
そういうものというのは、応援してもらってどうにかなるものなのか……それもまた謎だ。
背後で「フレーフレー月ちゃん!」とかたくさんの声援を浴びて、誰か男性(とは限らないが)にチョコレートを差し出す自分……月にはまったく実感がわかない。
けれども解理は楽しそうだったので、きっと悪い意味ではないだろう。それだけは確かだ。
月は店に入ると、手作りに使用するチョコを選ぶ。
これもなかなかたくさんの種類があるではないか。カカオの香りこそ同じでも、色はそれなりに多様だ。
――男性なら甘さ控えめのビターを……いや、いっそのこと小さいものを甘さを変えて何種類か制作して、混ぜて贈るのもいいかもしれません。
いいアイデアのように思えた。そこで、製氷皿程度の型で小さなサイコロ状のチョコをたくさん作り、詰め合わせにしてしまうことにする。袋に入れて赤いリボンで縛れば、見た目的にも楽しげだろう。
これで、よし。
帰路の道々、メッセージカードに書く文について月は思いを巡らせた。
和歌のひとつでもつければ様になろうが、あいにくとそういったものを考えるのは得意ではなく、かといってセンスのいい言葉も思いつかない。
だから結局、シンプルにひとつひとつ、感謝のメッセージをしたためようと月は決めた。『いつもありがとう』とか、基本はそんなところでいいだろう。たとえば『忘れ物をしたとき貸してくれて助かりました』といった風に、具体的なエピソードのひとつでも書くことができたたら、なおいいと思った。
それにしても――。
彼女は不思議な充足感を覚えるのだ。
こんな私でも、こんなにバレンタインのチョコを渡す相手が出来たことが奇跡みたいな話です――。
この島に来てから、月の人生は明らかに変化した。
自身の世界が広がっていく、そのことは肯定的に評価できよう。 たとえば修や解理のような人物とは、島に来るまで知り合う機会がなかった。友チョコ、謎の応援(?)、いずれも未体験のものばかりだった。
これからも月の世界は、広がり続けるに違いない。
――こんな日常が、いつまでも続けばいいですね。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
オールジャンル
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年09月17日
参加申し込みの期限
2016年09月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年09月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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