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バレンタインデーなんて知んねーし!
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バレンタイン前夜。
だが『前夜』と言えるのもあとわずかだ。
じき日付も変わろうかという、吐く息すら凍りそうな時間帯。
白衣、緋袴という巫女装束にて、
入江 みつび
は静かな海を前にたたずんでいる。
潮風が吹き付け冷気は骨にしみるが、みつびの目には情熱の焔が灯っていた。凍えながらも彼女は、己が決して間違っていないことを確信している。
「夜の海こわー、まっくらだ……」
そのつぶやきは、風に乗って流れていく。
そもそもきっかけは二時間前、長い一日の締めくくりを、彼女がちくわ大明神で過ごしていたときにさかのぼる。
「ふー、なにげにお参りの人多かったなー」
神社が終わったのは夕方なのだが、賽銭箱を開け、お守りにおみくじ等の売り上げも計上して、境内の清掃をしているうちに、気がつけば随分遅い時間となっていた。今だって、最後の仕上げに本殿前の石畳の掃き掃除をしているのだ。
「……恋愛にご利益ありとか宣伝したおかげかな」
竹箒の手を止めて、これに両手をつき顎まで乗せつつ深く息を吐く。
「ほんとに効いたらびっくりよね?」
振り返って彼女は、本殿におさめられているご本尊(ちくわくん)を見上げるのである。やれやれ、と疲れたような笑いが生まれた。
「ってただの石だもんねこれ。間違いなく100パー」
ありがたがっている人は多いし、口コミが口コミを呼び、いつしかご本尊は静かなブームを迎えているのだけれど、ここに務めるみつびがそもそも、この石のありがたさを信じていないのである。
とはいえ、鰯の頭も信心からのたとえもあるではないか。
「……私もお祈りしとこっかな。して損になるわけじゃなし」
箒を片付けると、本尊の前に戻ってきた彼女の手には、ハートマークのアップリケがついた手提げ袋があった。
「よいしょ」
どさどさと、袋の中身を出して置く。
「これは明日のために作ったチョコ」
いずれも、チョコレートの入った包みだ。
「これは家族……といっても親戚だけど……の分、こっちは友達のと、最近ちょっと気になる年下の男のコの分」
ちくわくんに見えるように、ひとつひとつ、説明しながら並べ直した。そうして、
「あ、大丈夫。1枚おそなえしとくから後で味わって?」
ふと気がついたように言い足す。
そして、ぱんぱんと手を鳴らして拝礼するのだ。
「このチョコをあげた人、みーんなが笑って一年くらせますように。大学合格しますように。……あと、かっこいい彼氏が出来ますように!」
それからそれから……みつびにはもうひとつ、おおきな大願がある。
「明日のボビナムトーナメントでいい試合が出来ますように!
よろしくおねがいしまーす」
ぱんぱんともう一度、よく聞こえるように手を打った。まるで、居眠りしているご本尊を起こそうとでもいうかのように。
「ふふふ、チョコ一枚でお願いごとしすぎ? いいよね、いつもここの掃除やお手伝い真面目にしてるんだし」
このときみつびは視線を落として、最後の、やはり特大のチョコレートの包みを拾い上げて首をかしげた。
「うーん……これどうしよ」
それはみつびの守護霊、彼女曰く『ネッシー』(フタバスズキリュウ)の分として作ったチョコレートであった。さてどうやって渡したものだろう。郵送するにしたって、ネッシーの住所はわからない。(やはりネス湖か?)
そうだ、とみつびは手を打った。ここは神社だ。おみくじに訊いてみよう!
そうして引いたおみくじに、あった言葉が『海へ行け』であったというわけだ。
「なるほど一理ある……いや、3万マイルあるかもしれん! ネッシーはそりゃ海よね、うんうん」
マリアナ海溝より深く納得すると彼女は、神様アリガト、と本殿にむかってウインクした。そうして、巫女服の上に黒いロングダウンジャケットを羽織り、チョコ一枚とギターを抱いて出発したのである……海へと!
岩礁に乗って海に対峙したみつびは、ダウンを脱ぎ捨て巫女装束だけとなり、両手をメガホンのようにして海へと呼びかけた。
「ネッシーいるー?」
返事はない。だがみつびはめげない。
「ま、想定内よ」
よいしょ、と座ると、ギターを爪弾き始める。
「では聞いてください。ネッシーの歌」
マイナー調の心震わすようなメロディ、もの悲しく、切なく、だけど愛を込めた歌。
それが彼女のオリジナルソング、ネッシーの歌なのだった。
ひとしきり歌うと、みつびは立ち上がった。
「よし、これで私の愛はネッシーに伝わったはず」
チョコレートの包みを両手で握って、
「じゃいくよ、いつもありがと、これからもよろしくねー」
軽くキスを与えると、えい、とこれをフリスビーでも扱うように、みつびは力いっぱい海に投げ込んだのだ!
チョコは白波に飲まれ、姿を消した。
それではみなさん、素敵なバレンタインデーを……!
――『バレンタインデーなんて知んねーし!』了
3つのバレンタインシナリオのいずれかに、続く。
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あとがき
担当マスター:
桂木京介
ファンレターはマスターページから!
ご参加ありがとうございました! 桂木京介です。
今回……公開してから「タイトルの付け方間違ったかも」と思いました。アンチバレンタインというよりは、バレンタインデーのメイン企画を応援するためのお話だったのですから。
ところが不安は杞憂に終わり、すべての参加者さんがバレンタインデーの準備や、それにまつわるアクションを投稿して下さったことに大変感謝しております。
こうなってくると楽しみなのは、当日の皆さんの行動ですね。
リアクションがどうなっているのか、私も気になります!
さて本作ですが、ほぼ時間の流れにそって展開しておりますが、ところどころ時間が前後している場面があります。
構成上の都合ですので、その点ご了承下さい。……わかりにくかったらすみません……。
それではまた、新たなシナリオでお目にかかりましょう!
桂木京介でした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
オールジャンル
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年09月17日
参加申し込みの期限
2016年09月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年09月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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