らっかみ桃太郎伝説｜リアクション

らっかみ桃太郎伝説

●世紀末老人伝説・芝刈の翁
　２０ＸＸ年、世界は核の炎に包まれた。
　しかし人類は、絶滅していなかった！
　陽光が枯れ草とひび割れた砂地を焼く荒野。ひとり歩く男の影。
　髭をたくわえた老人（役：新田亮）の影。
「あのじいさんは伝説の……」
「ああ、なんでも北斗の……」
　ヒソヒソと話すモヒカン男たちを横目に見ると、亮は相方の顔面を崩壊させた。
　あべしとかいってくたばるモヒカン。もう一人の男は悲鳴をあげて逃げていった。
「助かりました。私が村長です」
　なんか急に、しかも聞いても居ないプロフィールと共に現われた男（村長）がぺこぺことしながら亮の顔を伺っていた。
「あちらが約束の品でございます」
　ふと見ると、『村娘在中』と書かれた樽がピンクのリボン突きで鎮座していた。
　両親らしき男女が樽にすがりついてわんわん泣いている。
　その後ろでおにぎりをまぐまぐ食べてる遠野まほろ。
　『えー』という顔で村長を見る亮。
　とりあえずといった具合で樽を担ぎ上げてみて、暫くたってからその場に下ろした。
「待て、他の報酬がいい」
「しかし……」
「現金がいい」
　村長と両親は急いで引き返すと、僅かばかりの金貨を袋に詰めて差し出してきた。
　それを掴み取り、背を向ける亮。
「嫌な役だな……」
　小さく呟き、村を後にしたのであった。
　これが後の桃太郎伝説における芝刈りじいさんであることはあまりにも有名である。
　あ、ちょっと尺余ったから後木真央ちゃん言いたいことありますか。
「神奈川県には金太郎伝説もあるけど浦島太郎伝説もあるのだ。ゆえに真央ちゃんは浦島太郎になってみたのだ！　今のうちに言っておくと、桃太郎が鬼と戦っている間に宝物を運べるだけ運んで逃げるのだ！　一人勝ちなのだ！　ネタバレしちゃったのだ！　あと昨日テレビ見てたら――」

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