突然だが、桃太郎である。
寒い二月の下校中、もしくは居眠りした授業中、はたまたお家でごろごろしてケータイいじっていた夕方のひとときに、突如絵本の世界に迷い込んでしまった。
あなたは桃太郎の配役の一人となり、無事に桃太郎のお話を完結させ――。
「なるほど。鬼と戦える……か。剣術がどこまで通じるか、考えてみる価値はあるかな」
御剣 刀が目をギラリと光らせ、腰の刀に手をかけた。
マトモな桃太郎ストーリーが軽く遠ざかった瞬間である。
一方その頃、同じように絵本の世界に迷い込んだ
後木 真央は悩んでいた。
「桃太郎って……」
日本でトップクラスに有名な童話・桃太郎とはいえ、流石に高校生くらいになると詳しいストーリーを忘れている人も多いものだ。
真央が『桃太郎覚えてるよ畑』の住人なのか、それとも『オトモはネコ、ゴリラ、クラーケンなのだ畑』の住人なのかは定かじゃーないが、どこか間違えていてもおかしくない。
っていうかあえて間違ったハナシにもっていってもおかしくなかった。
「とにかく、絵本の中にまで取材に来られるなんて滅多に無い機会っ! まずは配役から決めるのです!」
きゅうりをしっかり握りしめ
椿 美咲紀は青い空を見上げた。
「決めました。私の役は……!」
ごきげんよう。青空綿飴です。
あなたはひょんなことから(ホントにひょんなことから)絵本桃太郎の世界に迷い込んでしまいました。
最終的に『めでたしめでたし』すれば何もかも元に戻れるのですが、折角ですし状況を楽しんでみるのもアリかもしれませんね!
●配役を決めよう!
桃太郎に登場する何かの役になりましょう。
私が覚えてる限りですと、桃太郎、イヌ、サル、キジ、宇宙大魔王、コンビニ店員、白雪姫、ハリウッド俳優、あとなんでしたっけ?
とにかくなんかの役になってお話を(勝手に)進めましょう!
役かぶりの心配はノープログレム(重複表現)。桃太郎が十人くらいいても別にいいじゃないですか!
どう考えても物語がおかしな方向に転がるとは思いますが、ご安心ください。
私がなんとかする!