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【星幽塔】第五階層 福音の王国と揺れる天秤
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【因習】
「いっ……けぇっ!!」
強烈な水流が
来島 アカリ
の構えたロッドから迸り、黒い影で形作られた猛犬を弾き飛ばす。
「これは……
あの時
の、黒影か!」
鴻上 彰尋
は、星幽塔がその姿を現した時、同時に出現したこの影たちと一戦を交えた一人だ。すかさず淀みない動きで魔導書を開き、癒しの魔力を発動する準備を整える。
アカリもまた、この未知なる敵について、いくらか話には聞いていた。が、
「い、いくらなんでも……多すぎる、だろ……!」
ずるずる、ずるりと、影は人の形を取り、犬や花、さらには黒い樹などの形を模り、次から次へと現れる。そのたびアカリが圧縮した水弾をぶち当て、水流で押し流すが、数は減らず増えていくばかりだ。
『ねぇねぇ、おふたりサン。アタシたちと、あそんでいかなァイ? キヒヒ♪』
「……しかも、しゃべるのかよー!?」
「そういうヤツもいるんだ。けど、あの時とは少し、感じが違うな」
影たちとの初めての邂逅のさなかには、確かに言葉を解する個体も存在していた。きりきりと不快なノイズ混じりの声は、しかし前回の粗野な男のようなそれとは響きが異なり、まるで少女のように軽やかだ。
とはいえ、根本的には同質のものではあるのだろう。少女のような影が手を振り上げると、数匹の黒い犬が一斉にアカリへ飛びかかり、
「っ、ぐう……!?」
「来島さん!」
右の二の腕、肩口に、左の足首へ一瞬にして、深い噛み痕が刻まれる。
「……回復は、任せてくれ!」
もっともその程度の傷は、癒しの光を宿した彰尋ならば、治療するのも訳はない。魔導書が燐光を放ちながら輝き、アカリの傷を塞ぎ、痛みを和らげていく。
「……サンキュ、鴻上!」
「ああ。回復は俺が、攻撃は任せる! 相手をしている暇は無い、一気に駆け抜けよう!」
「分かった、ぞ! お前は俺が、守ってやる……!」
共に後衛役のコンビではあったが、彰尋のバックアップを背に、アカリが道を切り開くことはできた。立ち塞がる影たちへ、アカリは杖の先から水流を放射。犬と人影を吹き飛ばす……直後に黒樹が不気味な枝を伸ばし、アカリの脇腹をかすめて引き裂くも、即座に彰尋の癒しの力が迸り、傷を治癒して体勢を崩させない。
『キヒヒ……ツレナクしないでよ、オニイサン。キズついちゃうワァ』
水弾を連続発射、人型の影もまとめてつるべ打ちに弾き飛ばしつつ、走りながら。アカリはふと首を傾げ、
「むー……こいつらって」
「どうした、来島さん?」
「最初っから、森にいたわけじゃねー、よな……? 侵入した魔物ってのは、こいつらのことで……」
「……聖竜は、黒影の影響でスカルドラゴンに。か?」
どうやら彰尋も、同じことを考えていたらしい。
思えばかの第三階層でも、似たようなことが起こっていた。農場の主、みずがめ座のアステリズムを慕う黒猫の妖精をたぶらかしたのは、丸っこくてニヤニヤしている何か、であったという。事によっては、第四階層における蟹の暴走もまた、原因は同じであったのかもしれない。
彰尋は脳裏へ、再びあのヴィジョンを思い浮かべる。
扉の上。影たちと共に現れ、ニヤニヤと笑いを浮かべながら飛び跳ねていた……二本の角を持つ、謎の生物。
「……通称、『
ゴンザレス太郎
』か。もしかしてあれも、この階層に……ぶわっ!?」
戦いながらに、別のことを考えてしまったのが良くなかったのだろう。
「わ、悪い鴻上! 考え事してたら、水がそっちに……!」
「いや……お互い様だよ。今はとにかく、この影から逃げ切ろう!」
ぐっしょりと、白いローブを濡れ透け状態にしながらも叫んだ彰尋に、アカリはなぜだかほんのりと頬を赤くしながら、こくりとうなずいた。
『あーぁら、ドコに行っちゃったノォ? キヒヒ、お待ちになってェーン♪ ねーェ、オニイサンタチ…………』
きりきり、ノイズ混じりの声が遠ざかっていく。ざわざわと黒い影たちが這い回る音もいつしか鳴りを潜め、どうやらひとまず、逃げおおせることができたようだ。アカリと彰尋はともに、ほう、と深い息を吐く。
「そんで、ここが……『聖竜の座』、ってやつなのか?」
「どうやら、そのようだね。……? 誰か、先に来ているな」
清浄な空気が流れる森の中にあって、そこは、異質な何かが漂っているように思えた。
少しばかり小高く盛り上がった土を平らに慣らした上に、真円形の、巨大な金属板が横たわっている。祠や祭壇があるという話だったが、金属板はのっぺりとしていて、見たところ雨露をしのげそうな屋根や洞のようなものも無いらしい。
不遜にそこへ立ち、何かを探しているようなそぶりは、
骨削 瓢
だった。
「……何してるんだ?」
「! おーや、これはこれは。ご苦労さんだねぇ。なーに、あっしはちょいと探し物を、ね」
混沌を好み、時として破壊を目論む彼の存在を、声をかけた彰尋も、訝しげなアカリも、耳にしてはいただろう。少しばかりの警戒が、彼らの胸をよぎる。が、
「おたくらも、この聖竜の座を調べに来たんだろう? なら見てみると良いよぃ、じーっくりとね……さあて! 果たしてこれは、聖なる竜どのが座する場として、ふさわしいもんかねぃ?」
不敵に笑いながら告げられた言葉に、ふたりもまた金属の台座の上へと登りそれらを見ると、瓢への不信など、一度に吹き飛んでしまった。
「…………何だよ……これ?」
彼らは絶句し、アカリは辛うじて、一言をつぶやく。
半ば予想した通り、国民の守護者たる神々しい聖竜などという、ありがたいドラゴンの姿はどこにも見当たらない。
代わりに目に入るのは、中央にべったりと染み付いた……おびただしく、どす黒い血痕。一見して、一昼夜の内に付いたような代物ではない。長い年月をかけ、この場へ幾度となく流され、やがてすっかりこびりついてしまった。少なくとも、彼らの目にはそのように見えた。
金属板の四隅から伸びた、太く頑強そうな鎖が四本。いずれも、ここへ捕らえられていたのだろう何者かによって、凄まじい力で中ほどから引き千切られており、よく見れば周囲の樹々の合間に、そのばらばらに砕けてひしゃげた破片がちらほらと見て取れた。
金属板の表面には、数えきれないほど、無数の深い爪あとが残されている。まるで巨大な獣が苦悶に暴れ、かきむしったかのようだ。
極めつけは、周囲へ濃密に漂う、この血臭。
瓢はにんまり、可笑しそうにへらりへらりと揺れながら、
「どうだい、お二人さん。こいつをどう見るかねぃ?」
「……少なくとも、分かることは」
苦々しく、彰尋は重たげに口を開く。あまりそれを、あえて言葉にしたくは無かったが。
「聖竜にとって、ここは決して、居心地の良い場所では無かった……ということだね。逃げ出したくなるほどに」
アカリはそっと、まぶたを伏せる。この場で行われていた何かを想像し思いを馳せれば、長い睫毛は悲痛に揺れた。
しばし彰尋は、金属板に広がる乾き切った血だまりと、街で入手した聖水酒の小瓶を並べて見比べたり、思考を深めた。先ほど以上に不愉快な事実は見当たらなかったものの、考えれば考えるほどに、胸の奥へ聖竜への憐情と、ここで何がしかの非道を行っていた者たちへの怒りがふつふつと湧いてくる。
瓢はそうしたものにはさして興味が無いのか、何か別の探し物があるようだ。周囲を歩き回ったり、金属板をがっちりと食い込んだ土から引き剥がそうと試みたりしているが、成果は芳しくないらしい。
「……うん?」
ぬう……と、頭上を覆うように差した巨大な影に気付いたのは、警戒しながらあたりへ油断なく杖を向けていた、アカリだった。
ぼた。ぼた。びしゃ、と目の前の地面へ落ちたそれが、真っ黒に蠢く粘液の片鱗であることに思い至るまで、数秒がかかった。それが隙であり、仇となった。
「!! 鴻が」
ぼきん、と耳に張り付くような、不快な音。
「…………来島さん!?」
振り返った彰尋、瓢が目にしたのは、真横に吹き飛ぶアカリ。
闇のように真っ黒などろどろの粘液を纏う、巨竜の骨格。樹々の幹へ、棘のように伸ばした粘液の触手を突き刺し中空へと留まり、首をもたげて覗き込む、
「……スカル……ドラゴン!!」
くうううん、と低いうめき。絶えず聞こえる、ごぼごぼと泡立つような音。そいつは物言わぬまま、奇妙なほど静かに、そこへ佇んでいた。
弾かれたように飛び出した彰尋の行動は早かったが、スカルドラゴンの前足から伸びる粘液の槍もまた、並の速さでは無かった。
「ッ、!!」
彰尋は肩口を前後へ貫通した一撃の激痛に、体力も精神力も、全てそこから流れ出ていくような絶望的な感覚に叩きのめされながらも、咄嗟に自身へ癒しの光を施して持ちこたえつつ、もつれながらアカリの元へと駆け寄る。視界の端をちらりと、瓢が何かを拾い、どこかへ逃げ去っていくのが見えたが、構っている余裕は無かった。
「う……うっ。ぐ、う」
「来島さん……、!! これ、腕……折れてっ」
「鴻、上!」
アカリを抱きかかえた彰尋の腕の下を通して、突き出されたロッドの先端から、瞬間、鋭く怜悧な氷晶がいくつも放たれる。ずん、と空気を震わせた衝撃に彰尋が振り向くと、地へ降り立ったスカルドラゴンの足元を覆う粘液が、にわかに凍り付いている。わずかな時間稼ぎながら、追撃を防いでくれたらしい。
「……ふたりじゃ……無理、だ。逃げよう、鴻上……」
脂汗を浮かべ、青い顔で途切れ途切れに言ったアカリの提案を、彰尋とて拒む理由も、その余裕も無かった。
「ッ……すぐに治療する。でも、今は逃げよう……立てるか?」
力なくうなずいたアカリの肩を抱え、彰尋は地へへばりついてしまったように重たい足を引きずりながら、背中に感じる強烈な圧迫感から逃れ、その場を後にした。
くおおおおおおん……と、遠く。泡立つ粘液の音に混じり、どこか儚げで、軋むような咆哮が、森へと響き渡っていった。
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30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年09月25日
参加申し込みの期限
2016年10月02日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年10月02日 11時00分
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