this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
【星幽塔】第五階層 福音の王国と揺れる天秤
<< もどる
1
…
11
12
13
14
15
…
16
つぎへ >>
【人の深淵】
轟音。衝撃。
左肩と右の腿に、激烈な痛み。
「うっ、ぐ、ううう……ッ」
水上 桜
は、身を隠した太い樹の幹ごと貫いた粘液の槍から、徐々に身体を引き抜く。触れているだけで、力が奪われ朦朧としていくのがはっきりと分かる。焦らず、しかし急いで、引き抜いた。
「っく、う……やっとで、前足一本とは……ね……!」
右足を引きずりながらも別の幹の陰へと飛び込み、荒く熱い息を吐き戦場を覗き見る。飛行部隊の騎竜やグリフォンが触手に絡め取られて樹々へ叩きつけられ、地上では冷気の直撃を受けた数人が、身動き取れないままに槍に貫かれる様が目に入った。味方はもはや、満身創痍だ。
敵は未だ、動き続けている。足の一本、骨格を破壊することには成功した……特に、あの恐ろしい前足による殴打を封じることはできた。が、粘液の活動が鈍った様子は無い。勝利には程遠いように思える。
「罠の準備は……青の狼煙は、まだ上がらないの……!?」
左肩が上がらないが、武器が片手で扱えるクロスボウであることが幸いした。身を乗り出し、震える右手で支え、放つ。矢は直線を描いて飛翔し、スカルドラゴンの頭部の粘液をかすかに削り、注意をこちらへ惹きつけた。樹々に身を潜めながら攻撃をしかけ、できる限りに敵の注意を散漫にさせるのが、桜の役割だ。
直接的な打撃でも粘液を穿つことはできると、彼女ら自身が先ほどに証明しては見せたものの、全ての骨格を破壊する頃には、味方はとうに全滅しているだろう……鍵は後方で準備中であるはずの、油樽による罠だ。油と炎が有効であるのは、先ほどに
常闇 月
が確認済み。青い狼煙さえ上がれば、スカルドラゴンをそこへと誘い込み、一気に攻勢をかけられるはずだ。
「……そう。まだまだ、へたり込んではいられないのよね……!」
歯を食いしばり、痺れるような鈍痛へ変わった傷口は見ないようにして、桜は立ち上がる。彼女が後方から敵の意識を引けば引くほど、前線に余裕が生まれ、傷の治療を行う隙を見出し、仲間たちが反攻へ転じる余力も生み出せるだろう。
矢を番え、もつれそうな足で駆け出しながら狙いを付け、
「もう少し、付き合ってもらうわよ……スカルドラゴンッ!!」
引き金を引く。矢は真っ直ぐに飛び、粘液の鎧へ突き立った。
森の奥からかすかに遠く、樹々のざわめきが聞こえてくる。冒険者たちの戦闘の音だろうか。
大天使 天吏
はふと、聖なる森に棲む鳥たちを想う。彼らは無事だろうか。巻き込まれてはいないだろうか。
目線を、目の前の建物へと戻す。街中から馬車の轍をたどり、やがて聖なる森へ少しばかり踏み込んだところで見つけ出したのが、目の前に建つぼろぼろの小屋だった。
「……ふぅん」
天吏は首を傾げる。小屋は木造の簡素な作りで、隙間風は吹き抜け放題。街を彩る美しい建物の数々とは比べるまでもなく、ひどくおざなりでありながらも、入り口に掲げられている薄汚れて赤錆びたプレートを見ると、そこには『聖水酒原料貯蔵庫』と書かれていた。
鍵のかかった扉を盗人の光で解錠し、中を伺うと、人の気配がある。天吏は足音を殺し、慎重に中へと足を踏み入れる。
「一体俺たちに、どうしろっていうんだ?」
声は入り口付近の小部屋の、半ば開いた扉の向こうから聞こえてくるようだ。
「醸造所の連中がいくらせっついてきたって、無いものは無いんだ……」
「そろそろ、ストックしてる分も尽きるぞ。一体全体、聖竜はどこへ行っちまったんだ?」
「聖竜の野郎がいなきゃ、聖水酒は作れねぇ。聖水酒が無きゃ、この国は……」
独善的かつ悲観的な響きの会話の脇を通り過ぎ、建物の奥へ。
廊下に明かりの類はひとつも無く、ひどく薄暗い。荒い板張りの壁から差し込む光が無ければ、歩くこともままならなかっただろう。
外れかけの扉を潜ると、その向こうに、倉庫のような空間が広がっていた。部屋の片隅には、先ほど見た馬車に積まれていたあの大瓶が並んでおり、天吏が中を覗き込むと、白い燐光を孕む無色透明な液体に、彼女の顔が映り込む。恐らくはこれが、聖水酒の原材料とやらなのだろう。
ここに貯蔵された原材料は、馬車で醸造所へ運ばれ、聖水酒へと加工される。
「そして、これが。原料を採取するための、道具というわけ」
貯蔵庫の中央、机の上に、異様なものが乗っていた。
それは、巨大な注射器とでも表現するべき代物だ。長い円筒形のタンクに、手回し式のバルブ。先端に伸びる、太く長大な針の中は空洞で、よくよく見れば内側には大瓶の中身と同じ液体がこびりつき、ぼんやりと白く光を帯びている。
目の前の壁一面に貼り付けられている黄ばんだ羊皮紙に、その扱い方を分かりやすく解説する図解が示されていた。
「……。『作業の前に、必ず拘束具を確認すること。作業中の聖竜はひどく暴れるので要注意!』『首の付け根から、背ビレ8枚分が目安。正確に、中心を貫くように突き刺す。針が脊髄へ到達したら、バルブを開け、ゆっくりと髄液を抽出する。目盛り一杯まで抽出したらバルブを閉め、大瓶へ移す』『※未加工の髄液は、人体に有毒です。作業には細心の注意を払い、絶対に手で触れないこと!※』」
天吏の顔が、かすかに歪む。痛ましい憐憫のためではない。
彼女の表情は、あからさまな侮蔑の色を示していた。
「人が……人間ごときが。他の生き物を食い物に? 翼ある生き物を……」
天吏にとっての鳥とは比べるまでもなくとも、竜とて敬意を向けるべき生物であることに変わりない。天吏にとっての価値観は、自身を含め、人を唾棄すべきものとして位置付けているのだ。
「…………不快だわ」
まさしく吐き捨てるかのように、彼女は言った。
天吏が街へ戻ると、聖なる森の入り口に、
鴻上 彰尋
と
来島 アカリ
の顔があった。
「どうだ?」
「うん……良くなってきた、ぞ。ありがとな、鴻上」
二人は傷を負っているらしく、彰尋がアカリの腕へ手を添え、癒しの光による治療を施している。
アカリが天吏に気付き、
「あ……大天使先輩。そっちは何か、分かりましたか?」
「……ええ。まぁ、ね」
協調性には乏しい天吏も、このところは少しずつ、少なくとも見た目には他者との意思疎通を図ることにしている。それぞれに得た情報を交換しようと、口を開きかけたところで、
「おーい!」
ばさりと、やってきた大フクロウの背から降り立ったのは、
日暮 ねむる
だった。
「首尾はどう? こっちはちょっと、聖なる森で戦ってるみんなに、伝えなきゃいけないことがあってね」
聖水酒醸造所、法王庁、聖竜の座……そして、原料貯蔵庫。手短に情報を交換してまとめると、やがて目の前に、この国を陰から支配する、遠大で壮大な仕組みが見えてきた。
「……私も行くわ。詳細を伝えたい」
「オッケーだよ。来島くんと鴻上くんは、どうする?」
天吏にうなずき、ねむるが問うと、アカリは不意に睫毛を揺らし、目を伏せる。
「俺は……もう少し、ここにいる」
分かりかけてきた真実に、彼は胸を痛め、悲哀に満ちた憂いを隠し切れずにいる。
「俺もここで、来島さんの治療をしてるよ。骨を接ぐのは、もう少しかかりそうだ」
「分かった、じゃあ二人の情報も、僕らからみんなへ伝えておくよ」
治療を彰尋に任せて、ねむるは大フクロウへ乗り、天吏もその後ろへ控えめに腰かけると 翼を打って舞い上がる。
彰尋とアカリに見送られて、大フクロウは聖なる森の、生い茂る樹々の中へと飛び込んだ。
<< もどる
1
…
11
12
13
14
15
…
16
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
【星幽塔】第五階層 福音の王国と揺れる天秤
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
バトル
ゲーム
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年09月25日
参加申し込みの期限
2016年10月02日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年10月02日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!