this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
【バレンタイン】フェアリィテイルとチョコレート!
<< もどる
1
…
8
9
10
11
12
…
40
つぎへ >>
好きな人なら沢山いる。友達や、憧れの人も広い意味では好きな人だ。けれど、『特別』な意味で好きだと意識する人は1人だけ。
結城 日和
はその特別な意味での好きな人、とちゃんと意識する事となった相手をバレンタインのイベントに誘った。特別に好きだと意識する前も誘ったりはしていたから、いつも通りに声を掛ければ大丈夫だと、けれどいつもの数倍も勇気を出して。
「バレンタインで素敵なイベントをやってるから一緒に行こう!」
と、伝えたのだ。バレンタインに誘う意味を、もしかしたら少しでもわかってくれているだろうかとドキドキしたけれど、誘った相手である
神嶋 征一郎
の返事はいつもと特に変わらなかった。
「自分でよければ構わねぇ」
「うん、お願いね! あ、あとコス……ドレスコードがあるからね」
「……スーツでいいか」
勿論、と返して当日を楽しみにしていると伝えたのが、つい先日の事。そして本日バレンタイン、学校が終わって星ヶ丘寮へ戻り、日和はその美女と野獣のベルを意識したシフォン素材のティアードフリルが可愛いイエローのドレスワンピースを纏っていた。上には白いファーコート、足元は歩き易いように少し低めの真新しいパンプス、髪に結んだアンティーク風の赤いリボンには薔薇模様。最後に鏡の前で艶やかなオレンジピンクのリップを塗れば、あっと言う間に部屋を出る予定時間のちょっと前。
「急がなくちゃ……!」
待ち合わせはどうせ同じ星ヶ丘寮なのだからとエントランスでの待ち合わせだ。とは言っても、エントランスまでは時間も掛かる為、もう一度玄関前で鏡を覗き込み大事な物を入れた鞄を手にして日和は慌しく部屋を出た。
エントランス前では既に黒と深みのある青い色のスーツを着た征一郎が立っていて、イソラ・ガレッジャンテまでの車の手配までしてくれていた。
「ご、ごめんね! 待たせちゃった?」
「いや、時間通りだ。行こう」
歩けばそこそこ時間の掛かる場所でも、車ならあっと言う間。最近聞いた音楽の話をしていたら、気が付けばイソラ・ガレッジャンテの近くで車が止まった。エスコートするように征一郎が先に降りて、その横を日和が歩く。
「……なるほど、期間限定とは言え美女と野獣がモチーフなだけあって外装と内装もいつもとは違うのか」
「本当だね、ちょっとわくわくしちゃうかも!」
受付けてくれた従業員もいつものスーツスタイルではなく、野獣の城に住む姿を変えられた住人達を思わせる姿だ。もちろん、高級レストランと言うこともあって、動き難いようなゴテゴテしたコスプレの様なものではなく中世っぽさを取り入れたスマートな衣装で、日和は目を輝かせている。
席に案内される際に、もしよろしければと征一郎に獣耳のカチューシャとパンツのベルトループに挟んで付けれる獣の尻尾が渡された。渋々付けて椅子に座ると、目の前の日和が楽しそうに笑っている。
「神嶋くん、似合ってるよ」
「笑いながら言われてもな……自分は似合わねぇ。結城はだからその色のドレスか」
「うん、美女と野獣の美女を意識してちょっとがんばっておめかししてみたんだけど、どうかな?」
緊張したように見えるのは、大人っぽいお店だからだろうか。
「似合ってる」
さらりと言われた言葉に深い意味なんてないのだろうけれど、それでも日和の心は嬉しくなったし征一郎を意識して硬くなっていた表情もふわりと華やいだ。
ノンアルコールの甘めのシャンパンで乾杯し、イソラ・ガレッジャンテの誇る美味しいランチを2人で楽しむ。料理も美女と野獣の世界を意識しているのだろう、ふわふわのチーズオムレツはベルのドレスのように見えたし、ビーフシチューも具材が少し大きめで食べ応えも十分だ。
「美味しいね、でもちょっとテーブルマナーが心配になっちゃう」
きちんと躾けられているけれど、緊張してしまうと変に力が入ってしまうもの。
「力抜け、自分ぐらいしか見てねぇだろ」
どうせ周りのほとんどはカップルばかりなのだ。……裏を返せば、自分達もそう見えるのだろうけれど。
「そ、そうだね! あ、このテーブルのガラスケースの薔薇って野獣の魔法の薔薇なのかな」
その征一郎しか見ていないのも緊張する要素の1つなのだとは言えず、日和は食べ終わったお皿にナイフとフォークを置いてガラスケースをちょん、と突くのだった。
注文した料理を片付けると、小さめのケーキが運ばれてくる。それはレストランのサービスのようで、本を開いたような形のチョコレートケーキに小さな砂糖細工の薔薇が飾られていた。
「わぁ、可愛い……!」
「本好きのベルと野獣の薔薇か」
その細工と可愛らしさに目を和ませながら、ケーキを口へと運んでいく。小振りな物だったので、この後に行くと言うスイーツビュッフェを考え、控え目にしたランチの後でもお腹の余裕はまだ大丈夫。
「腹ごなしに歩くか」
ステッラ・デッラ・コリーナまでは遠くはない、会計を済ませた後の征一郎の言葉に頷いて日和達はイソラ・ガレッジャンテを後にした。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
メールを送る手は少し震えていて、だけど送らなければ先には進めない。そう思って
エリューシア・セリアン
は彼へとメールを送った。バレンタインの当日の予定が空いているか確かめ、更に自分と一緒に行って欲しい場所があると約束を取り付けた。
「うん、これでよし……! イソラ・ガレッジャンテ、ランチタイムなら学生でも敷居は高くないって聞いていますし……あ、でも一応正装をしていかなくては」
もうひとつ、と待ち合わせ場所と時間、そしてドレスコードを合わせる事をメールしてエリューシアは息を吐いた。そして目の前の机に置かれた手作りのチョコレートを眺め、上手にできた幾つかを綺麗な箱に大切そうに入れていく。何度も選びに行ったラッピングの為の包装紙で包み菫色のリボンを結んで完成させる。ちゃんと渡せるだろうか、それだけを考えながらエリューシアは当日を迎えた。
2月14日といえば、それは特別な日に他ならないと
五十士 柊斗
は思う。そんな日に会いたいと伝えてくれる彼女の意図に、気が付かないほど鈍感でもないけれど……彼はずっと迷いの中から抜け出せずにいた。
「柊斗様!」
待ち合わせ場所に現れた柊斗を見て、エリューシアが嬉しそうな笑みを浮かべながらその正装の格好良さに頬を染める。高鳴る胸を抑えるように、深く深呼吸をすると柊斗の横に並んで歩き出した。
2人が並んで歩く姿は、柊斗が白いスーツに黄色のネクタイ、エリューシアが白地に黄色のアクセントを効かせたドレスワンピースという事もあって、まるでウェディングを思わせるようだった。それは周囲を歩く人々が綺麗ねと囁きあうほどだったけれど本人達はそんな事は気が付かないまま、イソラ・ガレッジャンテへと辿り着く。
エリューシアが予約した名前を告げると、ウェイターがお待ちしておりましたと2人を個室へと通してくれた。
「個室なんだね」
「はい、その方が落ち着けるかと思ったので……」
音楽家兼役者志望のエリューシアとしては人々の視線を浴びる事には慣れていたけれど、さすがにチョコレートを渡すところを見られたいとは思わなかったというのが本当の理由だ。けれど、2人だけの落ち着いた時間を過ごしたいと思ったのもまた事実であった。
通された個室は落ち着いた雰囲気ながら、美女と野獣のコンセプトも忘れられていない素敵な部屋だった。2人で同じ内容のランチを頼み、料理がくるまでは他愛も無い話を楽しんだ。
「もうすぐ3年生になりますし、進路も考えないとなりません」
「ああ、もうそんな時期か……考えてはいるのかい?」
「そうですね、ある程度は考えています」
そんな風に答えるけれど、エリューシアの心の奥ではやりたい事は決まっている。自分の進路……そう思いながら窓の外へ目をやると、遠くにシーサイドタウンの大観覧車が見えた。
「個室はなんだか、
2人で乗った観覧車
を思い出しますね」
観覧車よりは広い部屋だけれど、向かい合わせに座るその距離はあの時と同じに思えてエリューシアは笑みを浮かべる。
「あの時のジェラートの味……私、まだ覚えています」
「あの日は初夏だったけど暑かったからね……甘くて美味しかった」
柊斗も忘れてはいない。夢のような霧の中で会った女の子に、もう一度出会えた日だから。それから何度も会って、時に運命のようにも思えたし惹かれているという自覚もあるけれど。 心の中を隠して笑う事に慣れ過ぎてしまって、本当の想いを曝け出すことを自分は恐れているのだと思う。
そんな事を考えているのに、今も自分は笑顔で彼女に相槌を打っている。彼女に笑顔でいて欲しいと願いながら、自分は無力で何ができるのかわからないのだ。
「柊斗様、このお料理美味しいですね」
「そうだね、さすがって感じの味だ」
テーブルマナーはそれなりに、今は楽しく食事をしようと柊斗は思考を切り替える。この付け合せも美味しい、このスープもと喜ぶ彼女の笑顔が眩しかった。
食事が終わって、食後のデザートを食べ終えるとエリューシアが横に置いていたバッグを手にして中から綺麗にラッピングした箱を取り出し、おずおずと柊斗へと差し出す。
「あの、バレンタインのチョコレートです……手作りなのですが、手作り苦手でなかったら、受け取ってください……」
最後の方は消え入りそうな程の小さな声。
あの日、見返りは求めないから好きでいる事を許して欲しい
と、そんな事を言った手前、自分から返事が欲しいとか、自分の事をどう思っているのかとかは問う事はできないとエリューシアは頑なに思っている。もしかしたらそれを言ってしまって、今の関係が崩れてしまうのが怖いだけかもしれない。結局は臆病なのだとエリューシアはドレスのスカートを両手でぎゅっと握り締める。
けれど、自分の想いを伝える事だけは許されるはずだと顔を上げた。
「私は今でも、柊斗様のことをお慕いしています……そのことを、お伝したくて」
だから今日と言う日に誘ったのだと、言外に告げる。消え入りそうな微笑みを浮かべたエリューシアが、本当に消えてしまうんじゃないかと思って箱を受け取ると、柊斗は思わずその手を握り締めていた。
「手作りのチョコ、苦手なんかじゃないよ。ありがとう」
そう言って微笑んで――。
幼い頃、感情のままに行動
し、後悔した事を思い出して柊斗はその先の言葉を飲み込んだ。言葉にする勇気などなくて、でも彼女の手を繋いで傍に寄り添っていたい。なんて矛盾した想いだろうか。
それでも、エリューシアはチョコを柊斗が受け取ってくれた事、今もその手を握ってくれている事が嬉しくて目尻に涙を滲ませた。
「ごめんなさい、なんでもないんです。ただ、嬉しくて……」
慌ててバッグから取り出したハンカチで涙を拭って微笑む。その顔はいじらしくて、柊斗の心には形容しがたい想いが広がっていく。それはどこか胸を焦がすような、甘ったるいような、彼女を抱き締めてしまいたくなるような……きっとこれが、愛おしいという気持ちなのだろう。今の柊斗には、まだ飲み込む事のできる想いではなかったけれど、それでもいつか、きっと。エリューシアの想いにきちんとした答えを出さなければいけないのだと、心のどこかで感じていた。
だから、閉ざしかけた唇を柊斗は開く。
「今度は、俺が誘うよ。今日のお礼に」
今は出せない答えだとしても、せめて次の約束を。
「……はい、はい。楽しみにしていますね」
花開くようなエリューシアの微笑みに、柊斗は頷いて返すのだった。
<< もどる
1
…
8
9
10
11
12
…
40
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
【バレンタイン】フェアリィテイルとチョコレート!
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
加持蜜子
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
1000人
参加キャラクター数
76人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年09月19日
参加申し込みの期限
2016年09月26日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年09月26日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!