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落ちるだけの
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五十士 柊斗
はいつかに見た夢を思い出す。
(また……落ちている)
あの時、あの夢の中でビルから飛び降りたのは自分ではない自分だった。己が心の奥底に封じ込めた願望を現した、自分の影とも呼べる自分だった。
柔らかな金の髪が凶暴なほどの風に暴れる。視界いっぱいに満ちるは、青い空。あの夢の中で見たのと同じ空。
あの夢で落ちていったのは己であって己ではない影だったけれど、今度は。
(やはり俺は)
空に溶けて消えていくべきなんだろうか。
今度は、影などではなく、自分の意志で。
とめどなく自分自身を貶めながら、落ちてゆきながら、ただ、妹を想う。
一番に浮かぶのは、今現在の彼女の屈託の無い明るい笑顔。
幼い頃のことなど忘れたかのように甘えてくる無邪気な笑顔。
脳裏を過ぎる妹の笑顔に紛れて、あの時の妹の顔がちらつく。傷付いて血を流し、すすり泣いて蹲る小さな背中。血の付いた白い頬でどこか途方に暮れたように、為す術も無く呆然と見下ろすこちらを見仰ぐ妹の瞳。
妹の瞳に映る、青褪めた顔をした幼い自分。
周りに広がるのは、あの山。危ないから行っては駄目と親に言われた近くの山の抜け道。
雑草と低い木々に埋れて、獣道に近い細い道があった。誰かが踏みしめて通っただけその道が、どこか秘密の場所に続く内緒の抜け道に見えた。
草の隙間から赤土の覗くその道の先に何があるのか知りたかった。行ってしまえば自分なら絶対に何とかなると自分の力を過信した。言いつけを守らずに無謀な冒険をして、着いてきた妹を守る事も出来ずに怪我をさせた。
もう何度思い出したかも分からない記憶に状況を忘れるほどに苛まれて、息を詰まらせる。
自分の思うままに行動してはいけない。己の感情を表に出してはいけない。自分を厳しく戒めて、溢れ出す思いに固く蓋をし続けて、
(……それでも、)
それでもきっと足りなかったから、だからこうしてどこまでも落ちて行くのだろう。落ちて落ちて、空に溶けて消えていくべきなのだろう。
もしもそうでないとするのなら、
(それとも……?)
空に手を伸ばす。そうではないと思える何かが、自分には残っているのだろうか。残っていると、自分は信じられるだろうか。
遠ざかる空に手を伸ばして、希望などないように見える虚空に手を伸ばし続けて、
――誰かの手に、不意に触れた。
「な……?」
「え、何?」
お互いに空に向けて思い切り手を伸ばした手と手が触れて、
桃川 圭花
と柊斗は眼を見開く。
落ち続ける二人の空が合わせ鏡のように繋がる。引き合って繋がった手と手が、互いの落下を引き留める。
青い空の真中で少女に出会って初めて、
(もしかしてこれも夢なのでは)
柊斗は気が付いた。安堵と落胆の混ざった息が零れる。
「今日は」
夢の中で出会った少女に、柊斗はいつもと変わらぬ穏かな笑顔を向ける。空中で逆さま同士に手を繋いだ少女を仰ぐ。……否、こちらが仰いでいるのか、あちらが仰いでいるのか、
「変な夢ね、全く」
二つに結った髪をふわりと揺らし、少女はくるり、舞うように身を翻す。互いに手を引き合い、向き合う格好になる。落ちる、と思わず身を固くする柊斗に、
「平気よ。これ、夢だもの」
圭花は強気な笑みを向ける。繋いだ手はそのままに、両腕を翼のように広げて、それだけで、二人の体は風船のようにふうわり、空に飛んだ。
眼を丸くして、柊斗は落ち続けていた空を眺める。ただ静かに広がる青空の真中に、立つ。
「ね」
「……ああ」
相手に多くを訊ねず、自身も多くを語らず、果てない空を見晴るかす。
ただ落ちていくだけで終わったあの夢と今度の夢が違うことに、
(そこに何かがあるのかな……)
ふと、そう思う。
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あとがき
担当マスター:
阿瀬春
ファンレターはマスターページから!
お待たせいたしました。
落下から始まる夢の一幕、お届けにあがりました。
始まりは一緒でも着地点はみなさま全然違って、書いていてとても楽しかったです。色んなお話や出会いを書かせてくださいましてありがとうございました。
ご参加、ありがとうございました。
いつかまた、夢の続きを聞かせて頂けましたら嬉しいです。
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担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
冒険
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年07月14日
参加申し込みの期限
2014年07月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年07月21日 11時00分
参加キャラクター一覧
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