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雪解けはすぐそこに……
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旧市街のミルクホールで——。
「元気かポン」わん。「そうかぁ! 今日はお客としてきたんだ、宜しくな」わん。
わんと答えているだけなのに、
市橋 誉
と
日本橋 泉
がしまりのない顔でポンチクを構っているのを横目にしながら
イリヤ・ジュラヴリョフ
は「かわいい」と唇の端を上げる。
ロベルト・エメリヤノフ
をテーブル席へ促しながらエリセイが「コーヒー、コーヒー、紅茶」と誉、泉、イリヤを指差して、ロベルトへ「『滅亡のヴァレンタイン! ホワイトチョコレートストロベリードリンク辣油風味エリセイスペシャル』クリーム増量ね了解」と奥に引っ込もうとする。友人とは言え、客に注文を聞かずに勝手に決める双子の兄の暴挙をレナートは笑い、テーブルを横切りざまに弟を突っついた。
「6時前くらいまでなら良いよ。それより遅くなりそうだったら上行きな。
つか上の方が教科書も参考書も多いし良いと思うんだけど」
「おおすごい! 取っておいてあるんだね。僕は受験が終わった調子で、捨てるか売ちゃったな。
同じ道の弟か妹がいたら譲っただろうけど……ってイーリャは寝子高だからか」
「そんな感じ」
レナートがイリヤの頭をひと撫でして仕事に戻ると、入れ替わりで誉と泉が席に着いた。
「日本橋はもう推薦で決まってるイメージだったんだけどなぁ……」
「オススメ物件に見えますか?」
曰く成績よりも気まぐれな出席日数が問題だったらしい。
誉は「成る程な」と相槌しながらテーブルに持参してきた参考書を置いて準備する。去年の今頃は何度もこの頁を捲ったっけ。喉元過ぎればなんとやらで、遠い昔のように思えた。
「じゃあ俺が苦手な理系方面は、ロベルト先輩にお任せして。俺は得意な文系の先生だ」
誉の教え方は小テスト方式だ。イリヤはハンコをペタペタしている彼の手元を覗き込んで首を傾げた。
「それは?」
「不正解や未回答の問を、後で繰り返して勉強出来るように印してるんだ。昔、この判子を押して貰うと無性に嬉しかったんだよな……」
「僕の中学には判子をおす先生居ません」
イリヤが目を丸くして言うと、ロベルトがクスクス笑いを漏らしている。『良く出来ました』のハンコを押すのは小学校くらいだろう。
誉は「子供っぽ過ぎたか」と作業に戻る事で誤魔化した。
それにしてもイリヤは不正解が少ない。なら凡ミスの数を減らすようにした方がいいかと、ロベルトは誉の参考書をパラパラ捲った。
「語呂合わせは教えて貰った? 『良い国作ろう鎌倉幕府』とか『良い子は作ろう鎌倉幕府』とか——」
「はい、幾つかですけれど。ええっとね……」
そこで誉がいきなり吹き出した。「どうした?」と見てみると、泉の解答欄が途中からミミズののたくったような字になり、最終的にはドローイングで埋まっている。結構上手じゃないか、意外な才能だ——、じゃなくて。
「日本橋は美大に行くのかい?」
「飽きちゃった」
泉はだらけきって椅子から殆どずり落ちた姿勢でヘラリと笑った。この掴み所のなさは誰かに似てるなと思う場面で、イリヤの瞳孔が開いているのにロベルトは気づいた。
「休憩にしようか、小腹が減ったし何か頼もう」
誉が片手を上げ、武道がやってきた。
「ロベルトくんと誉くんいらっしゃい☆」
「挨拶で自然に俺の弟を増やすのをやめろ。俺はバンドマンの上ベーシストを婿にするのは反対だからな」
武道の背後でレナートが釘を刺して去っていく。ロベルトが遂に得心している間に、武道はイリヤと言葉を交わしていた。
「——勉強会? おぉ、頑張ってな! そういう君たちに今お勧めは糖分、つまり甘い物いかが?」
武道がメニュー表を開くと、ロベルトが早速「僕はケーキがいいな」と選びだした。
武道は他の客に呼ばれてすぐにテーブルから離れていった。
「そういえば……イリヤは料理上手なんだよな?」
「うまい」答えたのは泉だ。誉は以前の会話を思い起こして気になりだした。
イリヤは中学生だから、店の手伝いは雑用でキッチンに立つ事はない。すると泉は個人的にイリヤの手料理を頂いたのじゃないか?
「泉のお母様はニューヨークで働いているから、彼は一人暮らしなんです。でも食事に気を使わないから僕心配で。自分のを作るついでですけれど、お弁当を作ってますよ」
泉はその弁当の写真を見せてくれた。弁当箱こそ普通だが、中身は男子中学生に持たせるには可愛すぎて嫌がらせスレスレだ。ある日はご飯がクマさん型で、ある日はうずらの卵に顔がついていて、ある日は遂にハート型おにぎりにハート型の卵焼きとハート型のハンバーグ、緑の豆とミニトマトにすらハートのピックが刺さった弁当だった。愛が重すぎる。
「これに何故か横に本人がいるのに手紙がついてくるから、教室では絶対開けられない」
でも写真は撮るんだな、誉が感心していると、ロベルトが質問を重ねた。
「君らの関係について気になるね。ずいぶん仲が良いようだけど」
「関係……」イリヤは繰り返してから、泉をじっと見つめた。それに彼が何も言わないのを答えにして、ロベルトと誉に向き直る。
「なんだろう、分かりません。泉は僕をDifferentって言ってくれるけれど……」
イリヤは信頼している二人を相手を前に、いつもの「専業主夫計画」と冗談は言わなかった。
「大切で大好きな兄さんたちと、叔母様とポンチク。僕の大事は皆ここにある」
脈略が無さすぎて迷路に迷い込んだ二人を見て、泉が順を追って説明する。彼が小学生の頃に来日した理由は、余命宣告された祖父との短い時間を過ごす為だったそうだ。ところが可愛い孫が一緒に暮らし始めた途端、「意外と頑張っちゃった」祖父は、泉が中学に入学するまで健在だった。
祖父の他界後に母は米国へ戻ったが、泉だけは三回忌を前に家を空にするのは忍びないと日本に滞在し続けていた。
「——今向こうに戻るのも半端だから、爺ちゃんが行けつった高校は日本にするつもりでいる。
でも最終的に国籍はどっちを選ぶか決めてない。まあ、仮に日本を選んだら向こうの国籍離脱面倒だからしないと思うが。
そもそも22歳まで日本に居るかも分からない、途中で戻るかもしれないし。兎に角俺が向こうに戻った場合、イリヤはついてこないから」
10代らしく後先考えず、はないが、真剣に考える気もないという意味だ。
「フワフワしててもそのうち着地するだろ。だったらそれまでイリヤの好きなようにすれば良いし、俺も好きにする」
「僕はリーセとレーナが1番だし好きにするけれど、泉は好きにしちゃ嫌だな。
今度の進学までの休みに向こうでまた女の子と遊んできたら、僕我慢出来ないかも。グサってしてグリグリってしちゃいそう」
「このワガママでクレイジーなところを愛してる」
諸手を挙げてとは言い難いが、イリヤは楽しそうなんだから良いじゃないかとロベルトは思った。
「イーリャが青春を満喫してるようで何よりだよ。友人として嬉しい。僕も僕のパートナーを探してみるかな」
「俺は恋人については置いといたとしても」誉は自らに苦笑して続ける。
「そうか、進学の後もあるんだよな。イリヤと泉は、将来の夢というか……ぼんやりとでも進路について考えてるか?」
イリヤが今は進学で手一杯ですとばかりに恥ずかしそうに首を振るのに対して、泉はハッキリと「ベース」と答えた。現在もプロなのだから彼にとって当然の道なのだろう。
「作曲でもどうにかするとしたら、勉強し足りないとは思ってる。『今』は」
「とすると進学して音大?」
泉が肩をすくめて曖昧に答えるのを見て誉は納得した。ニューヨークにも音楽の一流大学がある。帰国の可能性の一つだろう。
誉の進路にも関わる話しだ。やはりロベルトから「市橋は?」と聞かれた。
「俺は……プロのジャズピアニストになりたいと思ってる。
憧れてるピアニストが居て……その人みたいな、皆に元気の魔法を振りまくような演奏家になりたい」
「元気の魔法、ふ、ふ。俺と大違い」
「泉、やめてくれ。実は言っている途中から既に恥ずかしかったんだ」
けれど不思議なことに、口に出すとより強く実現しようと思えてくる。誉は唇を結んで未来へ真剣に思いを馳せた。
「素敵な夢ですね、愛があって、きらきら輝いてる」イリヤはうっとりして「でも泉は『俺の音を聞け!』って感じだよね。人の頭を踏みつけながら」
「俺の作った曲はな。
聞かねえ奴は耳にシールド突っ込んで脳髄まで叩き込んでやる、と思いながら弾いてる」
「ベースを弾いてるあなたを見て本当に好きになったけれど、ねえ泉、ウクレレ持ってるあなたの方が平和を感じる」
「俺はラブとピースを掲げてるぜ。薬抜きで」
「僕は嘘つきは嫌いだよ」
「愛で平和は買えない。俺は銃口に花を挿されてもムカついたら引き金をひくクソッタレ」
イリヤは素直になった泉の頭を愛犬にやるやり方でもしゃもしゃ撫でて、三人の話しを興味深そうに聞いていたロベルトを見た。
「ロビは? やっぱり画家さんですか?」
「うん……、今まででやめようと思ったことは沢山あるけど、どうしてもね」
ロベルトは窓の方を見て嘆息しながらも薄く微笑んだ。
「そう言えば今日授業中に、廊下を歩いてる三年生を見たな。彼らも受験、終わったら卒業か。
僕もそろそろ受験勉強始めないといけないし、高校や予備校以外の繋がりで人と会う機会も減っちゃうかな。ちょっと寂しいね」
皆を見ているのに物思いに耽るようなロベルトの表情に、イリヤは胸が締め付けられるような気分になったようだ。
「僕、上で夕ご飯作ります。良かったら食べて行って?」
離れるまでの時間を大切にしたい。そんな気持ちが見える提案にロベルトと誉が顔を見合わせて答えを出そうとした時、泉がイリヤに釘をさした。
「ハートだらけはやめろよ」
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担当ゲームマスター
東安曇
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年08月13日
参加申し込みの期限
2016年08月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年08月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
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