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雪解けはすぐそこに……
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「『滅亡のヴァレンタイン! ホワイトチョコレートストロベリードリンク辣油風味エリセイスペシャル』はマズイと思うんだよなぁ、二重の意味で」
武道がキッチンの入り口でぼやくと、康子が深いため息をついた。
「御社の企画担当者様に滅亡と辣油を抜いて企画し直して下さいとお伝え下さい」
「デスヨネ。また皆でメニュー作りとか計画してたりします?」
「んー……」康子は申し訳なさそうな笑みを返した。
「ディナーをご馳走するのは普通男性からだから。ホワイトデーの方はまだ需要があるのよ? アイディアあったら教えて頂戴」
「考えておきまっす!」
休憩時間に事務所の扉を開くと、同じ顔が揃ってこちらを向いた。いつもなら上で弟と食事をとるのに。
「珍しい」
「上で勉強続けながらロビと誉と泉と食べるってさ」
「そっかー、勉強頑張ってるもんなぁ。
そういえば康子さんとバレンタインの話ししてたんだけど、甘い匂いがお店とかあふれてきてるよねー。個人的には辛い物の方が好きなんだけどね!
君たちのご予定は?」
「ないないあはは」エリセイのとってつけたような笑いが、白々しく事務所に響いた。
武道が二人を問い質したあの日から気まずさは感じる。けれどもいつも通りに接するのが正解な気がした。
「……俺に話したことを後悔していないなら、それでいい」
「知らない!」
レナートが子供のようにぷいっと顔をそらす。武道はエリセイと顔を視線を交わして苦笑した。
「気にかかるのは、仲良くなりたかったから……からかな」
「は、ァ!? 何言ってんの」レナートが赤くなってソファから立ち上がった。
「うん。自分と同じように、どこか仮面かぶってるような感じがしたから余計に……」
小さな声だが二人には聞こえただろう。
「踏み込みすぎて嫌われる事も多いケドHAHAHA☆」
「……そうだよ、嫌いだよ、ブァアアアカ!」
レナートは捨て台詞を凄まじい勢いで吐き捨てて、事務所を出て行った。残されたエリセイが、堪えきれずにぶへっと吹き出して転げまわる。
「レーナが俺とイーリャ以外にあんな事言うの初めて見た!
もう、今更だ。言うけどさ。俺は父と不仲で殴り合いまでしてたけど、レーナも毎日イライラしてた癖、そういう事は絶対しなかったよ。たまに大人も言い返せないような皮肉を言うだけでさ」
「目に浮かびそう」
「俺が父と大喧嘩して家を飛び出した時も、レーナはコート片手に追いかけてきてくれた。
俺ちょっとイラッとして『お前はいつも冷静だな』つったら、『リーセが二人分怒るから俺は必要ない』って笑うんだ。あのカッコつけ! スカしてるだろ?
でも、でも、ブァアアアカだって! 知らないだって子供かよ! あはは!」
啖呵を切られた武道にとっては笑い事じゃないのだが。誰より弟を理解するエリセイは姿勢を正しながらそこを否定した。
「本当は嫌いじゃないんだ。だから困ってる。
レーナも俺も、いつも通りがしたかった。でも武道はもっと仲良くなろうとしてくれたって事だろ。そう言われると余計に」
「失敗しちゃったけどねテヘヘ」
おどける武道へエリセイは眉を下げた。
「ごめん。泉から、君が俺たちの弟をどうやって助けたか聞いたよ。俺たちは返さなきゃいけないね。
……でも、分からない。今はまだ真っ直ぐ君の目を見るのが怖い」
「怖い?」
エリセイは俯いて額を押さえた。
「……俺たちのした事。
レーナは後悔してないって言うけど、あれも嘘だ。肯定しないとやってらんない。でも毎日毎日思うんだ、あれが一番正しい選択だったのか。
違う言葉で説得すれば正気に戻ってくれたかもしれない、それとも……母さんの願い通りに一緒に死んであげれば良かった?」
「それは——!」
「誰も責めなかったよ。弟を守った、立派だとさえ言う人も居た。
けどいつか誰かが言うかもしれない。いや、もう腹の中で思ってるかもしれない。
『こいつらは親殺しだ』って。
それが自分たちの大切にしたい、好きな相手だったらって思うと、苦しい。怖いんだ……」
エリセイの思い詰めた声を聞きながら、武道は沈黙していた。
(俺は何かを言える立場ではない。だったら今が楽しいと思えるように笑わせるだけ)
それが彼らの望むものかは分からないが、つまりいつも通りだ。
「さっき康子さんにお願いされてたんだ!」
武道は勤めて明るく声を出した。エリセイが袖に目元を押し付けてから「何?」と赤くなった目を不思議そうに開く。
「残念ながら例のスペシャルメニューは却下されちゃった。滅亡と辣油を抜いて企画し直して下さい。
参考になるかと思って消費者の意見を募ってみたんだけどネ。泉君が『誰でも上手くいくから、アレをチョコレートリキュールに適当に混ぜとけば?』ってコレはマズイどころじゃないね犯罪ダヨー!
……と言う訳で、俺は紅緒ちゃんの『カカオ99パーセントで身体には良いけどセメントみたいな味のチョコレート・カタストロフィ』を推そうカナ?」
「なんだよそれ……、またおばさんに怒られる」
エリセイは疲れた顔で笑い、短く息を吐き出した。
「ごめん、顔洗ってくんね。ついでにレーナ呼び戻してくる。あいつ本当は君と仲直りしたいんだよ、一緒に飯食お」
待ってると片手を振って、一人になった武道は三人の兄弟を想った。
自分と同じ三人兄弟。自分と同じように仮面を被っていると感じていた。けれども自分とは決定的に違う、過酷な過去を知ってしまった。
(あの夢の中で白い少年が言っていた言葉の意味……、ぞっとした)
エリセイは武道へ『返さなきゃ』と——、報いなければと言っていたが、逆に自分が彼らに出来る事は何だろうか。
(……せめて、今の三人のフツウは守らなきゃな)
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あとがき
担当マスター:
東安曇
ファンレターはマスターページから!
シナリオにご参加頂き有難うございました、東安曇です。
春を前に人間関係も動き始める頃かと思い、今回のタイトルをつけてみました。
ぴったりのアクションを有難うございます! リアクションをお楽しみ頂ければ幸いです。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
東安曇
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年08月13日
参加申し込みの期限
2016年08月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年08月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
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