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水底の町
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純白の髪を碧い水に揺らし、暁の色した瞳を瞬かせ、
「へぇ」
旅鴉 月詠
は感嘆の声を上げた。
突如として水の中に放り込まれ、沈むに任せて水底の町へと足をつけても、マイペースな芸術家は常よりのマイペースさを微塵も崩さなかった。水の中にこんな町があるんだね、と白珊瑚を積み上げた家々を、白砂に隠れがちな石畳の道を眺める。
「……と」
揺らがぬ瞳が揺らいで、慌てた仕草で肩から掛けた鞄を探る。中に仕舞った画材の様子を確かめ、画帳に描いた絵が僅かも滲んでいないことを確かめ、小さな息を吐く。此処が何処なのかも今のところは分からないが、画材に影響が及んでいないことは何よりも幸いだった。咄嗟に浮かんだ最大の懸案だった画帳も、濡れているようには見えない。
「ひとだ! ひとだー!」
安堵する月詠目掛け、家の影から蒼い髪の子供が突然に飛び出して来た。水底であるとは思えぬほどに声を響かせ、水中を飛ぶように駆け、月詠の前に立つ。月詠よりも少し低いだけの背丈で爪先立ち、抱きつきそうな勢いで笑う。
「またひとだ! おれに用? それともじいちゃんに用?」
「落ちて来ただけ」
子供の勢いに押されながら、月詠はひとまずは正直に伝える。でも、と碧と白にほとんどを占められた水底の町を見渡す。
「この町に興味があるからお爺さんに会ってもいいかな?」
「うん」
いいよ、と気を悪くした風でもなく大きく頷いた少年が、
「あっ! またひと!」
不意に声を上げた。己の背後に向けて大きく両手を振る少年の視線を追い、月詠は振り返る。
白砂に半ば埋もれた石畳の道を、左右に建つ白珊瑚の家々を、家屋の屋上から方々に伸びる渡り廊下を、手にしたデジタルカメラで撮りながら、結い上げた黒髪を水に跳ねさせ、ご機嫌な表情の少女が歩いてきている。
「こんにちは!」
町角に佇む蒼髪の少年と純白の髪の少女に向け、
椿 美咲紀
は元気いっぱいに挨拶をしながらデジカメを胸に抱える。寝子高新聞部に所属しているから、といつもデジカメを携帯していて良かった。
しかもこのデジカメは十メートル防水、プールでも水中でも撮れる優れもの。
(こんなNMRネタは見過ごせません!)
町に迷い込んで間もなく、道端に転がる誰かの日記帳らしきものを拾った。綴られた文字は読めなかったが、後で何か解読のとっかかりとなるものを見つけられるかもしれないと鞄に仕舞いこんでいる。
新聞部が不定期発行している『寝子島ミステリーレポート』、通称NMRのネタにするには、此処は絶好の場所。
「町をぐるっと一周案内してもらってもいいかなぁ?」
新聞部突撃インタビュー担当の人当たりの良さを存分に発揮し、美咲紀は少年にお願いする。
「あなたは寝子高生よね?」
「君も水たまりに落ちたのか」
「水溜りの中にこんな世界が広がっているとは知りませんでした!」
寝子島から水底の町を訪れた少女たちは名乗り合う。
「あなた、お名前は? 私、椿美咲紀っていうの」
月詠に名乗り、この町で初めて見つけた住人らしき少年に名乗り、美咲紀は人懐っこい笑顔を浮かべる。
「ユニ! 美咲紀はおれと遊ぶ? じいちゃんに会う?」
遊べ遊べとばかりに碧い瞳を輝かせる少年と眼を合わせ、美咲紀は少し考える。
「まずはおじいちゃんのトコに行きましょうか? 迷っちゃうと困るし、おじいちゃんにもご挨拶したいし」
見たところ、この町に住んでいるのはこの少年と彼の言う『じいちゃん』だけのよう。となれば、まずは年長者のもとへ挨拶に向かった方がいいのかもしれない。
「えー」
「じゃあ、写真を撮りましょう」
不満を示して膨らむ少年の頬を指先に突き、美咲紀はデジカメを構えた。
「一緒に撮ってもいい?」
「しゃしん? なにそれ! でもいいよ!」
知らないものにはしゃぐユニ少年と、背後の家屋の軒に掛けられた読めない文字の看板をデジカメのフレーム内に納め、
「はい、笑ってね」
シャッターを切る。寝子島に戻ったあとで、拾った日記帳の文字と照らし合わせてみよう。
電子音と共に放たれたフラッシュに目を白黒させる少年に撮った写真を画面に呼び出して見せる。少年はすごいすごいと歓声をあげた。
少年を先導に、少女ふたりは人気の絶えた町を巡る。
「あ、シーグラスだ」
水紋の残る白砂の上に転がってゆらゆらと光を揺らして見える透明な石が目に入り、月詠は指を伸ばした。
「しーぐらす?」
「海の宝石だよ」
覗き込むユニに掌に納めたシーグラスを見せてやっても、
「そこら中に転がる石ころだよ」
ユニは心底不思議そうに首を傾げるばかり。
「ご尤も。陸でもただの人工硝子だ」
けれど波に揉まれて丸く朽ちれば海の宝石。
(不思議なものよね)
「もらっていっていいかな?」
「いいよー」
どれだけの時間を水に磨かれたのか、角が取れてすっかり丸くなった硝子の欠片を白衣のポケットに入れる。
上機嫌で己と美咲紀の間を跳ね回ったり先に駆けては戻ってきたりを繰り返すユニを見遣る。
初めて訪れた町の地図を頭に叩き込もうと絶え間なく周囲を見回していた瞳を、美咲紀はふと瞬かせた。目に止まった町角の看板を指し示し、
「あれは何て書いてあるの?」
「右、花冠広場! 左、星空舞台!」
「あれは?」
「階段注意!」
美咲紀の問いかけに心底楽しそうにひとつひとつ応じるユニの足首、ちりん、涼やかな音を立てて鈴が鳴る。
「足の飾り、鈴の音色がとても綺麗ですね」
「これ? じいちゃんがつけたんだ。おれの居るとこがすぐわかるようにって」
何でもないように言い、ユニは鈴のついた足環を嵌められた裸足を上げた。水中にひらひらと足を振れば、鈴は透明な音を周囲に響かせる。
「よく鳴るでしょう」
不便に思っている様子は見せず、むしろ得意げに笑うユニの前、美咲紀は歩み寄る。
町を巡って、けれど少年以外の住人には誰一人として出会わなかった。見かけたのは、通りを知らん顔で過ぎる色鮮やかな魚ばかり。
「他の人はどうしたの?」
そっと、問う。
「みんな居なくなっちゃった!」
あっけらかんとユニは答え、ついと指をあげる。指し示したのは、丘陵に広がる町の天辺に位置する白い神殿。そこに真っ直ぐに至る、長く白い石段。
「じいちゃんはこの上に居るよ」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
神話・伝説
定員
10人
参加キャラクター数
11人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年07月10日
参加申し込みの期限
2016年07月17日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年07月17日 11時00分
参加キャラクター一覧
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