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【悪魔】 Way of making a devi 【天使】
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息が切れて、足を止めた。
頬を伝う汗を手の甲で拭い、肩越しに振り返る。『機関』の女の姿は見えない。足音も聞こえない。
(またか……)
黄昏の路地に苛立ち含んだ息を吐き出す。
『機関』の連中に追いかけられるのは、今回が初めてではなかった。どれだけ上手く悪魔の羽を隠していても、どれだけ上手く人の輪に溶け込んでいても、連中は悪魔である
花厳 望春
を見つけ出す。見つけ出しては執拗に攻撃を仕掛けてくる。
(何度も何度も、何度も何度も)
今までに受けた迫害を思い出した途端、腹の底から怒りが湧いた。
(あいつら本当になんなの!?)
白い眉間に皺を寄せ、馴染みの駄菓子屋のお婆ちゃんが袋に入れてくれた棒付き飴を取り出す。制御できないほどに膨れ上がる怒りをどうにかしようと、尖らせた唇に飴を押し込む。
(悪魔だとか天使だとかってだけで俺たちを追い出そうとして、イライラする……!)
普段は穏やかに舐めるばかりの飴を思わずガリリと噛み砕いて、噛み砕いたことにも苛立ってしまった。発散できず募るばかりの苛立ちに、眉間の皺がますます深くなる。
足取りも荒々しく歩き出して、
「……ん、」
しばらくも経たぬ間に止まる。
電信柱の影、誰かがうずくまっている。
(天使?)
泥に汚れてはいるものの元は純白だろう翼をその背に生やした、薄茶の髪の少年の傍ら、望春は立つ。
(堕ちてきたのか?)
天上で何者かと争ったのか、それとも地上で『機関』に追われたのか。天使の少年は身体中に傷を負うていた。
天使も争うのか、と思えば、目の前で動けぬまでに満身創痍となっている天使に興味が湧いた。
「キミ、天使だろ?」
傍にしゃがみこんで顔を覗き込む。声を掛けると、髪と同じ色した睫毛が小さく震えた。案外陽に焼けた頬と負けん気の強そうな唇が傷の痛みに堪えるように歪む。
「そんなボロボロでどうしたの?」
「……ッ、」
声に反応してか、天使の瞼が持ち上がった。新緑の色した瞳が、どこまでも真っ直ぐに望春を見つめる。
「悪魔、か……」
天使の第一声がそれだった。呟いたきり、天使は不機嫌に口をつぐむ。
(まあ、昔敵対してたし)
信用できないと思ったのかもしれない。理由は分からないけれど、ここまで誰かに痛めつけられて、苛々していないはずもない。
爆ぜそうな怒りは一度抑え、悪魔は心配げに再度問う。
「大丈夫?」
「うっせぇ、いいからほっとけよ」
重ねて掛けた言葉は無碍に跳ねつけられた。元より機嫌の最悪だった悪魔は今度こそ瞳を瞠る。大きく開いた瞳は、一瞬にして冷酷なまでに凍り付いた。
ゆらり、立ち上がる。
「天使のくせに生意気だな……」
動けぬ天使の肩に靴底を押し付ける。靴先で軽く小突いても、天使の身は微塵も揺らがなかった。むしろ昂然と顎を上げ背筋を伸ばす。
怯えた風もなく睨み上げてくる天使の瞳に苛立ちばかりが増した。今度は一切の容赦もなく足蹴にする。
声もなく横倒しになる天使の腰に腰を落とし、いっそ朗らかに笑う。
「遊んでやるよ」
天使を屈服させる目的のためだけに普段隠している背の蝙蝠羽を顕現させる。これみよがしに羽ばたかせ、冷たく鋭い羽先で傷ついた天使の頬を弄る。
「くっ、」
傷口を悪魔の羽に撫でられ、その痛みに呻いても、天使の瞳から抵抗の色は消えない。
「翼奪われようが俺はオマエには屈しねぇよっ!」
「……へえ?」
強情に言ってのける天使の白翼を、悪魔は無造作に掴む。悪魔の力に翼を掴まれ、骨が軋むほどに荒々しく引かれ、それでも天使は宣言の通りに声ひとつあげなかった。地面に爪立てて耐える生意気な天使の片翼を、悪魔は無造作に、子どもが虫の翅千切るように易々ともぎ取る。
「ッ、……」
翼奪われた痛みに息も絶え絶えに喘ぐ天使の顎を靴先で強引に引き上げ、悪魔は無機質に微笑んだ。
「いつまでそうやって強がってられるかな」
その背から一気に剥ぎ取った片翼を地面に捨てる。目前に落ちた己の翼を眼にした途端、悲痛な瞳をする天使を嘲笑い、悪魔はもう片方の翼に手を掛ける。
「やめてって言いなよ」
「絶対ぇ、……」
「お願いします、って」
「折れて、堪るかァ!」
吼える天使の羽根を一枚ずつ毟る。やっぱりそれでは足りないかとちらりと首を傾げ、翼を鷲掴む。
「……ぐ、……」
「もう片方ももいじゃうね?」
返事を待ちながらも、じわじわと翼に力を掛けて行く。
「……ぁあッ!」
断末魔のような悲鳴を足元に聞いて、悪魔はその甘い響きに陶然と微笑んだ。引き千切ったもう片方の翼を手に立ち上がり、
「……あ」
気絶した天使を見下ろして、我に返った。
「やばい、やりすぎた……」
破れたトタン屋根の向こうに星空が見えた。
錆びた鉄骨に夜風が冷たく歌っている。
視線だけを巡らせれば、枯草に塗れて地面に転がるドラム缶が見えた。錆びついて半ば崩れかけた鉄の機械が見えた。どうやら何処かの廃工場らしい。
手を、誰かの手が包んでくれている。労わるように撫で、包帯を巻きつけてくれている。
足や背や、傷ついたどこもかしこもが、丁寧に消毒され、止血され、包帯を巻かれている。傷のせいで出た体熱を冷やすためだろう、額には冷たく濡れたタオルが乗せられている。
「あ、気づいた?」
「……なんで」
動かせば痛む身体が萎むほどの息を吐き出す。瞳と言葉に精一杯の警戒を籠めて、傍らの地面に座り己を介抱してくれたらしい悪魔を見遣る。
「いやあ、」
気を失う間際に見た凶暴な笑みとは全く違う、どこか気弱でさえある笑みを浮かべ、悪魔はその場で正座した。ぺこりと頭を下げる。
「あの時はイライラしててつい。ほんっとうにごめんね?」
心底申し訳なさそうに頭を下げ、こちらの表情を窺うように恐る恐る栗色の瞳を上げる。
「俺、たまーにああいうとこあって、……気をつけてはいるんだけど……」
遊びで己の翼を引き千切ったとは思えぬ悪魔の様子に、思わず毒気を抜かれた。
(思ってたのと違うっつーか)
気絶する瞬間まで、悪魔はすべからく敵だと思っていた。
気絶した己を悪魔は捨て置きはすまいだろうと。惨たらしく殺してしまうだろうと。
それなのに、己は今こうして生きている。しかも、その当の悪魔に介抱までされている。
「やった本人が聞くのも変だけど、大丈夫?」
(調子狂っちまうな)
心底心配そうに問い、額のタオルを甲斐甲斐しく代えてくれる悪魔を盗み見る。怒りをもてあまして大暴れしたあの悪魔とは別人のように大人しい。様子を見るに、こちらの方が素らしい。
「ごめんね」
(こいつイイ奴かも)
「……おう」
もがれた翼の付け根がじくじくと痛みはする。それでも、大丈夫じゃないとは意地でも言いたくなかった。
「なんであんな苛々してたんだ」
背の痛みに耐えかね、横向きになる。
「天使と悪魔を駆逐しようとする『機関』っていう奴らが居てね。俺たちを『異界者』として捕らえたり排除したりしようとしつこいんだ。キミも気を……あれ?」
背中が痛むのかと擦ろうとした手を止め、悪魔が首を傾げる。手慣れた仕草で包帯を解き、包帯の下、元は天使の翼が生えていた背に新しく生え変わろうとしている黒い翼を見つけた。
「……俺が堕天させちゃった。ごめんね」
「ああ、じゃあまた飛べるな!」
泣き出しそうな顔で繰り返し詫びる悪魔に、元天使は屈託なく笑う。
「天上にはもう戻れねぇし、未練はねぇよっ」
それより、と難しい顔をする。
「『機関』が厄介だな。捕まるのも排除されんのも御免だぜっ」
「確かに厄介だね。どうにか退けられないかな」
自分よりも地上歴が長いくせに、あんな恐ろしげな力も持ち合わせているくせに、普段のこの悪魔は元天使である自分が心配になってしまうほどに優しい。
自分の知らぬところで、この優しい悪魔が『機関』に酷い目に遭わされるかもしれない、と思えば、どうしようもなく不安になった。最悪な出会い方をしてしまいはしたけれど、初めて地上で言葉を交わした者に災いがあっては、目覚めが悪い。
「俺は
楢木 春彦
」
「え、あ、俺は、
花厳 望春
」
差し出された手と天使の名をどう扱って良いか迷い、名乗り返しながらも瞬きばかりを繰り返す望春の手を、春彦はぐいと掴む。
「しかたねーから、手ぇ組んでやるっつってんだよ……」
元天使の申し出に、望春は息を呑む。そうして、ふわり、春のように微笑んだ。
「キミが一緒なら心強いよ」
春彦の手を両手で包み込みながら、望春は少し悲し気に目を伏せた。
「……でも本当に俺とで大丈夫?」
どんなに詫びても、目の前の天使の羽根を無残に引き千切り、堕天させた事実は変わらない。
仲間が出来ると思えば嬉しかったけれど、あんなことをした自分と本当に手を組んでもらえるのだろうか。
迷い戸惑う望春の手を掴んだまま、春彦はそっと呟く。
「まぁ……介抱して貰った恩が、ねぇわけでもねぇ……し……」
「……え?」
小声を聞き取れずに無防備に顔を寄せてくる望春の額を掌で軽く叩き、春彦は顔をしかめる。
「くそっ、天使は義理硬ぇんだよっ!」
元だケド、と付け足して、頭を掻く。叩かれた額を抑える望春に、どこまでも楽観的で、どこまでも明るい笑顔を見せた。
「俺も今は悪魔仲間だしな!」
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シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
バトル
定員
15人
参加キャラクター数
16人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年06月21日
参加申し込みの期限
2016年06月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年06月28日 11時00分
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