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画面の中、色鮮やかな衣装に身を包んだ少女のアバターがダンスしている。
「楓子さん」
カウンターの向こう側から呼びつけられても、
千歳飴 楓子
は手元のスマートフォンに落とした視線を僅かも上げず、軽快なタップを続ける。返事の代わり、内側だけを水色に染めた黒髪に隠れた耳を彩る大小幾つものピアスが小さく震えた。
「邪魔をしないでくれたまえ」
「あ、すみませ……て、いえあの、楓子さん」
「コンボが途切れ……あ、ミスった」
画面の中のアバターがバランスを崩し、ステージの上から転落する。呆気ないゲームオーバーに唇を尖らせ、楓子は秋空色の瞳をやっと上げた。
人気のない場末の居酒屋のカウンターに頬杖を突き、覇気のない表情で見上げるのは、『機関』構成員であり居酒屋の店員でもある熊じみた容姿の大男。
「ええと、すみません、楓子さん」
倍は年上の男から申し訳なさそうに言葉を掛けられ、楓子は眠たそうにカウンターに突っ伏した。
「働いてください」
「天使も悪魔もどうでもいい」
「『機関』構成員がそんなこと言っちゃいけません」
『機関』の上司でもある店員が熱いお茶を差し出しつつ、難しい顔をする。
「戦うのダルい」
「お茶飲んだら行ってください」
「はいはい。わかりました。やっておきまーす」
おざなりに応じてお茶を口に含む。お茶を飲みながらもスマホだけは手放さず、カラフルなステージ衣装纏った少女が手招きしている画面を指先で叩く。
画面が煌き、新たなステージが現れる。
「このイベントが終わったら」
「楓子さん」
「……はいはい」
画面を見据えたままお茶を一気飲みし、重たい腰をしぶしぶあげる。
開店前の人気のない居酒屋をちらりと見遣る。炭火の煙に煤けた天井、焼き鳥と酒の匂いの染み付いたカウンター。場末の居酒屋じみたここが、『異界者』を駆逐するべく起ち上げられた組織の基地の一端だと、誰が気付くだろう。
ここに所属している以上、働かないわけにはいかない。
「行ってきます」
スマホを片手ごとポケットに突っ込み、外に出る。
楓子が『機関』に所属したのは数年前になる。天使や悪魔と刃を交える仕事上、どうしても入れ替わりの激しい組織内で、楓子は数年経っても未だ下っ端の地位。
それには理由がある。
(楓子は考える事が苦手だ)
だからこそ、『機関』の戸を叩いた。自分で考えず、ただ組織の一員として活動できる場所は、思っていたとおり居心地が良かった。
(だから)
最低限、追放されない程度の働きはしておこう。
夕暮れの旧市街商店街を歩くうち、今朝方、悪魔の巣窟である星ヶ丘の巨大ホテルの中枢部へと単身乗り込んだ幹部の顔が思い浮かんだ。きっといつも通りおっとりした笑顔で帰っては来るだろうけれど。
危険度の高い現場に放り込まれないようなるべく昇進しないようにしよう、と心に決めて、
「あ、」
のんびりやる気なく見回した視線の先、記憶の端に引っかかる顔を見つけた。
すらりと伸びた背の癖どこか幼さを残す体躯と、一見少女にも見紛う優しげな顔。商店街の駄菓子屋から出てきて黄昏の道を歩いて行く、姿勢のいい背中。
「あー……えーっと、」
何気ない風を装って、路地に入り込む少年の背を追う。スマホを操作し、『機関』から一斉送信される受信メールファイルを開く。『MASK』と銘打たれた画像ファイルを探せば、先を歩く少年の似顔絵は簡単に見つかった。
ひとには見えぬ空の『穴』を見ることのできるアーティファクト『鬼百合のMASK』を使う『機関』構成員が送って来るという精緻な似顔絵に視線を落とす。
(悪魔)
似顔絵に描き込まれた蝙蝠羽に息を吐き出す。天使よりも悪魔の方が好戦的なことが多い。それでも、
(これでも『機関』の一員だ)
見つけてしまったからには、戦わなくてはならない。
「待ちたまえ、そこの悪魔」
アーティファクトでもある『スマートフォン』を握りしめ、道に他の人気がないことを確かめてから声を張る。
少年の足が止まった。
「え、俺?」
「しらばくれても無駄だ」
問答無用とばかりスマホで殴りかかる。
「うわ、ちょっ……」
「悪魔は駆逐だ」
大人しそうな栗色の瞳を瞠る少年悪魔に向け、スマホを振るう。よろめくように一撃めを避け、背を向けて逃げようとする少年の肩を掴んだ、その瞬間。
ぴこーん、と間の抜けた音でスマホが鳴った。
「あ、通知」
「離……ッ!」
スマホゲームの体力満タン通知に気を取られるのと、悪魔が咄嗟に楓子の腕を振り払うのはほとんど同時。
少年悪魔にあっけなく力負けして、楓子の身体は地面に吹き飛ぶ。
尻餅をつく楓子を見下ろし、少年は何か言いたげな顔をするも、結局何も言わずに踵を返した。一目散に走り去る。
「あ、」
待て、と言いかけて止めた。茜の空を仰ぐ。突き飛ばされて地面にぶつけたお尻と背中が痛い。悪魔と対峙して負傷したということにしようそうしよう。
息を吐いて手近な壁に背中を預けて座り込む。
「あー……また負けた」
(今日の分の仕事はしたな)
ひとり頷く。握りしめたままのスマホを起動し、やり込み中のゲームを立ち上げる。画面内のステージの上に立つ少女を見つめて後、よし、と短く気合をひとつ。このステージイベントを上手くこなせば、新しい衣装アイテムが手に入る。
(頑張ろう)
悪魔には敗北を喫したけれど、ゲームでは何としても勝利を納めよう。心に固く誓って、楓子は今日もスマホをタップする。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
バトル
定員
15人
参加キャラクター数
16人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年06月21日
参加申し込みの期限
2016年06月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年06月28日 11時00分
参加キャラクター一覧
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