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大きく伸びをして、今しがた後にしてきたバイト先を振り返る。
光を纏った摩天楼が空を目指すように聳えている。高級住宅地である星ヶ丘さえも圧倒するほどの巨大歓楽施設を擁するホテル。
(Paradiso)
ホテルを経営するグループの名を心に呟く。胸の奥、針を突き立てられたような痛みが走った。
薄紅の瞳を顰め、
来島 アカリ
は薄い胸を片手で抑える。息を吐き、ホテルの最上階よりも高い空を仰ぐ。
摩天楼に突き刺さる恰好で、空に開いて渦巻く『穴』が見えた。
闇よりも暗く恐ろしげな『穴』の向こうに、故郷がある。
(神様)
祈るように呼んでも、応えはない。
『穴』から地上へ落下してしまった直後は、天上に戻るべく何度も『穴』を潜ろうとした。太陽の熱に翼を焼かれながらも空に羽ばたき、けれど届かずに落ちた。『穴』に近づけば近づくほど、近づかせまいとする力が働いていることに気付いたのは、何度落下した後だっただろう。
最早自らの力だけでは神の御許には戻れぬと知り、絶望する己を助けてくれたのは、島に暮らすふたりの『ひと』だった。
――アカリ君
今は父と呼び母と呼ぶふたりの顔が瞼を過る。性別の枠組みを外れてさえも愛し合う彼らとの暮らしは楽しかった。大好きな彼らに己を『ひと』だと偽ることは苦しかったけれど、この島には『機関』が存在する。『天使』であることが知られれば、彼らさえ罰せられてしまうかもしれない。
(……悠月)
天上に暮らしていた頃、仲の良かった天使の名を囁く。
――アカリ!
友人の声を思い出した途端、泣きたくなった。
彼は今、どうしているだろう。
(悠月の歌が聞きたい)
歌うことが好きだった友人の天使は、今も歌い続けているだろうか。
彼の歌には何ものにも囚われぬ自由さがあった。堕天の討伐を代々の家業とする彼の父は彼が歌うことを嫌っていたけれど、それは今も変わっていないのだろうか。
――歌っている時は、自由だ
友人の笑顔が、今も心にある。
いつも自信に溢れた力強い笑顔を見せてくれた。父になんと言われようとも歌うことだけは止めなかった。
(神様)
いつか神様が迎えに来てくれれば、また友人と会えるだろうか。友人の歌を傍らで聞くことができるだろうか。
(……神様)
ひととして地上で生きるうちに、いつか、今の暮らしを幸せと思うようになってしまった。
手を繋いでくれる両親が大好きになってしまった。
(いつか帰る時が来る、のに)
天上と地上とで揺らぐ心を振り払うように、一歩を踏み出す。
(……俺はただ、神様を信じて待つだけだ)
両親の元に帰るべく歩き始めようとして、夜の道の先、外灯の下に佇む黒衣の料理人に気が付いた。
「……鴻上さん?」
職場の上司の名を呼ばわる。
齢が近いこともあってか、彰尋とは親しく言葉を交わすことも多かった。空腹を見計らったように美味しい賄い料理を惜しげもなく振る舞ってくれたりもした。
月よりも明るい街灯の光の下、親しいはずの上司は、職場では見たことない、どこか悪魔じみた笑みを浮かべた。
「君を俺の仲間にしたい」
襲撃の合図となる言葉を口にしながら、彰尋はゆっくりとアカリに歩み寄る。
(俺を悪魔だと気付いていないか)
ならば、それはそれで好都合。無垢な天使に与える衝撃は強ければ強いほど良い。受けた衝撃が何であれ、それは堕天の切欠と成り得る。
元天使である彰尋は、それを知っている。
「仲間……?」
不審げに眉をひそめる天使の前に立ち、彰尋は背に翼を広げる。堕天使の証でもある黒い翼を眼前に、天使は堕天使の言葉の意味を瞬時に理解した。
「嫌だ、」
断固として発したはずの声が恐怖に掠れて、天使はますます動揺する。
「俺は天上に帰るんだ、堕天なんて……」
後退ろうとして蹴躓き、地面に尻をつく天使の前、堕天使は跪く。手を差し伸べ、紙のように白い頬に指先で触れる。
「君の事は調べたよ」
震える頬に指先を滑らせ、青みがかった黒髪に触れる。冷たい耳朶に触れる。そうして、頭にこびりつくような囁きを浴びせる。
「どうして神様は迎えに来ないんだろうね?」
それは、己が天使であった頃に彰尋が抱いた疑念。
「答えは簡単。興味が無いのさ、代替えのきく天使の一人くらい」
眦が切れんばかりに薄紅の瞳が見開かれる。
「神様が、俺を見捨てた……? そんなわけ……」
天使の心に己の囁きが染み通ったことを読み取り、堕天使は殊更に痛々し気に瞼を伏せた。弱々しく首を横に振る天使の両頬を両掌に包み込む。
労わるように、切り裂くように、口説く。
「わかるさ、なぜなら俺も捨てられた天使だからな」
アカリの瞳が揺らぐ。絶望と、絶望に尚も抵抗しようとする神への信仰とが拮抗する瞳に向け、
「こちら側に来いよ、神はもう君を見捨ててる」
彰尋は絶望を注ぐ。
「それにここで愛してるご両親と共に生きるなら、こちらの方がずっとずっと気持ちが楽になる」
信仰に代わる欲望を注ぐ。
「父さん、母さん……」
少女のような唇が震える。優しい両親に対するアカリの思慕を調べ尽している堕天使は更に追い打ちをかける。
「何故か、それは君がよくわかるだろう?」
「その方が、幸せだ」
夢見るように、うなされるように、天使は答え、
「そう、幸せだ」
堕天使の誘惑に息を呑んだ。瞳にもがくような抗いの色が差す。堕天使の胸に抱き込まれそうになっていた頭を必死に拒絶の格好に振り、華奢な腕で堕天使の胸を押す。
「……やめろ」
頬に触れる手を振り払い、震える膝で立ち上がる。蚊の鳴くような声で叫び、
「やめてくれ!」
その場から逃げ出す。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
バトル
定員
15人
参加キャラクター数
16人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年06月21日
参加申し込みの期限
2016年06月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年06月28日 11時00分
参加キャラクター一覧
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