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星ヶ丘——。
市橋 誉
は顔の筋肉を出来る限り引き締めて、待ち合わせの場所に立っていた。彼の精悍な表情に行き交う女性たちは頬を染め、時には軽く悲鳴めいた声を出して通り過ぎていく。逆ナンも時間の問題な状況を作り出していたのは実は……。
(きた!!)
その姿が見えた途端に、誉は両腕を広げて、彼が飛び込んでくるのを待った。
大きな目に長い足。すっと鼻筋の通った白と薄い茶色の長い毛の誉の待ち人……ならぬ待ち犬は、ミルクホールの看板犬
ポンチク
だった。
デレデレと歪んでしまう口元を懸命にあげて、誉は綺麗にブラッシングされている毛並みを堪能する。
「今日も宜しく」
片手を差し出すと、ポンチクもそれに応えてくれた。
指先に肉球の感触が訪れた瞬間——。誉の努力むなしく表情は一気に崩れた訳だが、撫でるだけであらゆるストレスを緩和することが昨今科学的にも証明された犬の魔力を前に、人はあまりに無力であるから仕方ない。
誉がポンチクを連れて行きたかった店は、星ヶ丘の犬カフェだった。
ポンチクはよくしつけの行き届いた犬と言っても、超大型犬ボルゾイである。来店に当たって飼い主のイリヤと、
日本橋 泉
を誘った。
「何でも犬用のメニューが充実してて、わんこも大変に楽しめるらしい。人間向けにはホットサンドが絶品なんだ。
ポンチクはウッドデッキが良いだろうな、店内からちゃんと暖房もくるし、なにより広い。ドッグランみたいになってて、窮屈さを感じないと思う」
「よく来るんですね」
イリヤににこっと微笑まれて、誉は慌てて顔を逸らしながら入り口扉をおさえる係に徹した。ここまできて今更の説明をするが、誉は犬や猫が大好きだった。
店内にいる犬のみならず、看板の犬の絵にすら反応して「ああ、やっぱりここは楽園だ」と口をついて出るくらいには。
寝子島にはシーサイドタウンなどにもこの手の店があるが、ここは落ち着いたプライベートな雰囲気の店だった。オーガニックだ何だと書かれていても嫌味がない、客の意識を一段階も二段階もあげるタイプのそれである。
メニュー表を手にした誉は興奮していた。犬用のメニューは、犬が居なければ頼めない——と言うか頼んでも意味がない——ため、今まで羨望の眼差しで飛ばしてきた箇所である。
「僕こういうところ初めてです。色々あるんですね」
「イリヤ、ポンチクはどんな食べ物が好きなんだ? 普段食べないおやつとかあるか?」
「おやつは買うの以外に兄さんたちと手作りもします。それは鶏肉とかお芋が好きみたい」
イリヤが誉の横から覗き込んだメニューは、お豆腐ハンバーグ、蒸し野菜、蒸しささみ、プレーンヨーグルト、犬クッキー、犬ケーキ……果ては季節限定のものまである。
二人は揃って眉を寄せていた。
「いっそ自分で食べたくなりますね。味が薄いんだろうなぁ」
「悩むくらいなんでもあるな。泉も一緒に考えてくれ……」
と、そこで犬の世界に没頭していた誉が、はっと顔をあげた。なんとなしに誘ってみたが、そういえば彼のことはよく知らない。
「すっかり忘れてたけど、泉は犬が好きか?」
「ここで嫌いって言ったらどうなりますかね」
「その通りだ——」
あとここでそんなこと言われたらこれ以上は仲良くなれない気がする。誉は真顔で頷いた。しかし意外なことに、飼い主すらその質問を投げたことがなかったらしい。
「ポンチクがよく懐いてるから、好きだと思ってた」
「俺動物には好かれるんだよ。犬は特に」
泉が首を回しただけで、ポンチクが彼の顔を従順に見つめて指示を待っている。懐いているのは本当のようだ。
「でかいから? わんわん、こいつ強そう、従わないとやられるぞ、わんわん。……みたいな感じかな」
「なんだそりゃ。大丈夫好きだ」
泉が笑ってイリヤの鼻を摘んだ。笑いながらではあるものの、主人に対する攻撃をポンチクは黙って見ている。犬は序列を作る動物だから、この時点でポンチクの評価はイリヤより泉が上なのが証明されてしまっているのだが、飼い主は飼い犬に向けられた一言を都合よく自分へ向けられたものに歪曲して惚けているので、誉は飲み込んだ。
「ポンにおやつは?」
「今日はまだ」
「なら多めでいいんじゃねーの?」泉のごもっともな意見を聞いて、誉とイリヤはこくこく頷き合い、結局ハンバーグも野菜もデザート類も入ったランチプレート風のメニューを選び、人間の方は誉の「ホットサンドとコーヒー」を「じゃあ」僕も俺もとかける三つであっけなく決まった。
サンドウィッチは誉のおすすめ通り、誰の口にも合うものだった。
「旨いね」
「卵が濃厚で美味しいよな」
「外で食べる飯の味ってかんじ」
「ははっ。でも泉の言いたいことは分かるな」
泉と誉が感想を言い合っている間、イリヤだけはもくもくと食事をしている。
「イリヤ、ひょっとして好きじゃなかった?」
心配そうに覗き込むと、イリヤは「美味しいです」と一言。誉が不機嫌そうな訳を問おうとすると、イリヤは突然泉の膝の上に両手をついて全体重をかけた。
「この間サンドウィッチ作って行った時、そんなこと言わなかった! 僕が作った料理より美味しい!?」
「イリヤちゃんのつくるりょうりがいちばんおいしいよ」
誉の耳には棒読みにしか聞こえなかったのだが、イリヤはなぜか満面の笑みになった。ちょろい。
「ふふーん、でしょう? でしょう? 僕が一番でしょう?」
「Baby,I’ve got a crush on You.(*ベイビー、お前に夢中だ。)」
イリヤは検事のような冷静さで、すっと誉を指差す。
「証人」
「俺!? ……しかいないか。わ、分かった。聞いたぞイリヤ」
誉は微笑ましさの中に若干の恐怖を覚えながら頷いた。冗談にしても本気にしても頷かないと刺される気がしたのだ。超めんどくさいし。
「結婚すると料理上手かどうかって一番大事なんだって。そうするともう僕と結婚するしかないよね!? 専業主夫にしたくなっちゃうでしょう!? イエスって口滑らせてよ!」
「…………考えとく……」
「ふふふっ、早速向こうに行く時の為にポンチクの輸出検疫証明書を申請しなくっちゃ。それから——」
主人が妄想の世界に旅立っている間に、ポンチクのプレートが運ばれてきた。
イリヤは使い物にならないので誉はポンチクに2、3の指示をして、食事を始めさせる。ポンチクは尻尾を振り、口角を上げて喜びを見せて、食べ始めると必死になっている。そこが可愛い。
「どうしてわんこが食べている姿はこんなにも癒し効果があるんだろうな——」
どうして、と言いながらも理由などないのは、誉には分かりきっていた。
帰り道は誉がリードを持った。
ポンチクは歩く速さを相手に合わせてくれるので、時折足元に毛が触れるのが幸せだ。
誉が下を見ると、ポンチクがこちらを見上げてにこにこしている。ほわーとかほえーとか出てしまいそうになると、イリヤの「ふへへ」という笑いが、緩みきった誉を正気に戻してくれた。
「兄さんたちに写真送らなくちゃ」
「写真撮ったのか? 俺も——」
しかしイリヤが操作するスマートフォンの画面に並ぶサムネイルは、茶色と白より紫の方が多い気がした。気がしたというか、否、見間違えじゃないよな?
「……イリヤそれ……」
「連写モード? でうっかり写っちゃったんですよ。僕スマートフォンまだ慣れてなくて」
「ははイリヤはドジだなあ……あはは……はは……はあ」
最後の「はあ」はため息だ。
当の泉は「結構面白かった」と、こちらの会話を気にしているのかどうかすらわからない。ちょうど三人と一匹が別れる場所にきていた。リードをイリヤに返してポンチクを撫でる。
「楽しかった、本当に行って良かったよ。二人とも付き合ってくれてありがとうな。ポンチクも」
喉をわしわし撫でると、ポンチクはうっとりと目を閉じた。言葉こそ通じないが、仲が深まった気がする。
「こちらこそポンチクを誘ってくれて有難うございます。それに誉さんのお陰でまた一歩近づけた気がします」
「え」どこに?
「ねえ泉、これからあなたの家に行っても良い? 『お母さんまだ帰ってないよね』」
イリヤの目がよく磨かれた金属のように銀色にギラッと光ると、泉は誉へさっと片手を上げて「じゃあ、また」と背中を向けた。
「逃げられるっ! 捕まえてポンチク!」
走り出した泉をイリヤとポンチクが全速力で追いかける。主人の命令とは裏腹に、楽しい追いかけっこだと思っているのだろう。
まあしかしいくら足が長くても所詮人間。狼狩りの猟犬には敵わないだろうな——。この後の展開を悟って、誉の唇に微笑みが浮かんだ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
東安曇
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年06月22日
参加申し込みの期限
2016年06月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年06月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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