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外でお食事
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旧市街の表参道通りの一角に、『浅葱眼鏡店』はその店主、
浅葱 あやめ
と同じようにひっそり佇んでいる。
『ご用がありましたらいつでも呼び鈴でお訊ねください』
扉横の呼び鈴が鳴らすと
「……いらっしゃいませ」と、そっと会釈をしながらあやめが出てくる。そんな店だ。この時もあやめは少しうつむき加減に、長い前髪に目線を隠していたのだが、そんな彼の扉を両手で抉じ開けるように明るい声が店内に響いた。
「よォーあやめ君、邪魔するでェー。元気でやってるかァー!」
真鯉 びんとろ
。
大阪府大阪市出身だが、実家は『真鯉鮮魚店』で寝子島高等学校体育科卒業生だ。同高校出身のあやめとは、客と店員以前より先輩後輩の関係にあたる。
そんな気軽さも相まってか、びんとろは肩で風をきりながら、通路をすっかり塞ぐがに股でドカドカと入店してきた。
「なんや~自分、相変わらず具合悪そうやな……」
景気付けの挨拶をしてから改めてあやめの顔をみて、びんとろの眉がん? と上がった。確かにあやめは『陰気』と称しても良いくらいに影を背負っているタイプだが、それにしてもだ。いつにも増して顔色が悪く、不自然なくらいに視線が合わない。
元気がない。(悩み事でもあるんとちゃうか?)。
「……そう、でしょうか……その、顔色が悪いのは……体質、で……」
ボソボソと歯切れ悪く答えながら、あやめはびんとろを伺っている。否定するような言葉で気を悪くしないだろうかといちいち思ってしまう彼だったが、気の良い男相手にそれは杞憂に過ぎない。
むしろびんとろはあやめの方を心配して、頭を巡らせていた。
単純な回路はストレートに正解を導き出した。元気がないのなら、食事だ。
「ななな」とあやめの横に立って視線を合わせる。あやめが一瞬びくっとしたのにも気分を害さず、すぐ次の言葉に移った。
「よかったら今から一緒に昼飯でも食いに行かへんか? 俺が何でも好きなもん奢ったるさかい」
(学生時代、連れが落ち込んでる時はこうやって食事に誘ったもんや。懐かしいなあ)なんて思いながらニッと白い歯を見せて警戒心を解いた。それでも「あ」とか「え」とか簡単に答えられないあやめの肩へ、びんとろは強引に腕を回した。
「な、な!」馴れ馴れしい態度と勢いに、あやめはどうにもできず流されてしまう。もちろん口には出さないが、正直なところあやめはびんとろが怖いのだ——、特にまくしたてるくらいきっぷの良い関西弁が。
これで話しかけられると、坂道で転がるボールのようにされるがままになってしまう。
断りきれず、昼休憩がてらで祖父に店を頼んだ。
「はい決定!行くで!」
びんとろの手に文字通りに背中をグイグイ押され、あやめの丸まっている背筋が伸びた。
二人が向かったのは、同じ旧市街内のある食堂だった。
狭い、暗い、古いの3連続コンボ。
しかしいい加減良い年になってきた男二人で昼食に行くには、このくらいが「まあええか」だろう。
壁に張り付いた油っぽいお品書きの紙をざっと見て、びんとろは片足を揺すりながらあやめを見た。
「何でもええで!」
「……あ、はい」
あやめは答えて、不安そうに眉を下げながらキョロキョロしている。
奢ってくれると言われても……、逆に考えてしまうのだ。
(安いものを頼んでも気を遣いすぎで悪いだろうか。かといって高いものを選ぶのははしたない)
うんうんと聞こえない声で唸って逡巡する。緊張もピークで、もうさっさと終わってくれとすら思ってしまう。臆病で、酷い気にしすぎだが、もうこれはあやめの奥に根付いた性格だからどうしようもない。
正解、正解、と行き詰まりかけていたところで、びんとろが鶴の一声を出した。
「俺は、この『生姜焼き定食』っていうのを頼もかな」
なるほどそうか。先輩に倣う、それが無難だ。
「あ、……僕、も。……真鯉さんと同じもの……を」
あやめの声は消え入りそうな程小さいが、片手をゆるっと上げたお陰で、カウンターの向こう側にいた老齢の店主は了解したらしい。
「生姜焼き定食二つー!」と見た目に反する大きな声で復唱が返ってくる。
「ご飯はめっちゃ大盛りで頼むで!」
とびんとろの店主に負けないくらいの声が店内に響いた。
事前に仕込んでおくことが基本の定食屋の料理の出て来るスピードと言ったら、不思議なくらい早いもので、二人が会話らしい会話を始めるより早く、彼らの前に二枚の盆が置かれた。
同じメニューだが、藍のじじむさい染付模様が施された茶碗にご飯がどかっと盛られている方がびんとろだ。
なんだか自分たちそのもののようだなあと、あやめが感想を頭の中で漏らしている間に、びんとろはもう「いただきます!」と食事を始めていた。
気持ち良いくらいに豪快に、ご飯と生姜焼きを交互にかきこんでいる。
「美味いなァ! ほら、はよ冷めんうちに食べや!」
あやめはこくりと頷いて、箸を手に取った。
びんとろと違って一口が小さいから時間がかかったが、「……おいしい、です……」と言うことができた。
「な!」
びんとろの満足そうな笑みを見たとき——、あやめはハッとして一瞬箸をとめた。こうして人と過ごして気づいたのだ。
近頃あやめの数少ない、ほぼ唯一と言って良い友人が、多忙らしく疎遠になってしまっている。
寂しかったのだ。自分でも分かっていなかったが、一人より、誰かと。こうして同じ食事を囲みたかったのかもしれない。
「自分、なんか悩み事あるんと違うか」
あやめはまたびくりと肩を震わせた。
(顔に……)出てしまっているのだ。恥ずかしい。申し訳ない——そんな気持ちでいっぱいだ。
「いやいや!」
びんとろも箸を止めた。あやめの視線が落ちているのに気づいて、暗い気持ちを吹き飛ばすようにニヒッと笑う。
「人間色々あるさかいな~深くは聞かんけど。まァ、なんや………ほら!」
言いながら箸で皿の上の肉を一枚掴んで、あやめの皿の上にのせた。
「肉喰って元気出しや!」
「は……はい…………」
あやめが不器用にペコペコ頭をさげると、びんとろは口角を最大まで上げて、また忙しく箸を動かし始めた。
(はよ元気になったらいいなあ)
彼の素直な心が、その表情からあやめに伝わる。
お陰であやめはすとん。と、気持ちが落ち着いた。
何が、どうして、具体的にはうまく説明できない。しかし少なくとも、こうして向かい合って座り、自分を心配してくれていたびんとろに相槌を打つことが出来るように——。
(……うまくできているかは、不安だけれど)
そう思って頑張った会話は、いつしか楽しいものになっていた。びんとろが8であやめが2だったとしても、二人は笑い合っている。
(今の状況って……、少し『友達』っぽい?)
そう思える時間に、あやめは嬉しさを覚えた。たとえそれが『少し』だったとしても、彼にとっては偉大な一歩と言うやつだ。
友達っぽい人と食事を共にする幸せ。
そして——
(そう思えている自分自身もまた……)
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
東安曇
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年06月22日
参加申し込みの期限
2016年06月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年06月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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